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【GVA TECH株式会社】
山本 俊社長インタビュー

【GVA TECH株式会社】<br>山本 俊社長インタビュー

岡山大学法学部卒業、山梨学院大学法科大学院を修了。弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にGVA法律事務所を創業。GVA TECH株式会社を創業し、代表取締役に就任。2024年12月にAIリーガルテック企業として初となる東証グロース市場への上場を果たす。

GVA TECHが創業された経緯を教えてください。

2012年にGVA法律事務所を設立し、弁護士としてスタートアップ企業の支援に注力してきました。しかし、日々の業務を通じて、2つの大きな課題に直面しました。

一つは、スタートアップと大企業の間にある深刻な「法務格差」です。多くの中小企業やスタートアップにとって、専門家への依頼費用は重い負担であり、資金力がないために法務リスクにさらされたり、交渉力で競り負けて不利な契約を結んでしまったりするケースを、数多く目の当たりにしてきました。

もう一つは、弁護士側の「非効率性」です。契約書のチェックやNDA(秘密保持契約)のレビューといった、絶対に間違いが許されない定型業務に膨大な時間を奪われ、経営にインパクトを与えるような「付加価値の高い本質的なサポート」に注力できないというジレンマがありました。

これらの課題は法律事務所の人的な努力だけでは解決できず、テクノロジーを使って法律業務の構造を変える必要があると痛感しました。
そんな折、2016年頃にAIブームが到来し、「AIを使えば、弁護士業務や法務部門の工数を劇的に削減できるのではないか」と直感したのです。ゼロからAIを学び、テクノロジーによって法務格差を解消すべく、2017年にGVA TECHを創業しました。

「法とすべての活動の垣根をなくす」というパーパスには、どのような想いが込められているのでしょうか。

創業当初は「法務格差を解消する」というパーパスを掲げていました。しかし事業を進めるうちに、真に解決すべき課題は単なる企業間の格差だけではないと気づかされました。

本来、法治国家においては、ビジネスを含めた「すべての活動」が「法律」というルールに基づいているはずです。
しかし、法律の専門性が高すぎるがゆえに、法律を仕事にしている人とそうでない人の間に、目に見えない大きな乖離が生まれてしまっています。この「垣根」が存在するせいで、法務リスクを排除するためのコストが膨らんだり、コミュニケーション不全による業務の非効率が起きたり、法律をうまくビジネスに活用できないといった問題が発生しているのです。

私たちは、法律業務が他の業務と切り離されて存在するのではなく、ビジネスと一体として存在すべきだと考えています。
テクノロジーの力でこの「垣根」をなくすことで、法務をビジネスの現場に自然と溶け込ませる。それによって、「法律」と「すべての活動」のさらなる可能性を引き出したいという強い想いを込めて、このパーパスを策定しました。

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GVA TECHの事業内容と強み、差別化ポイントについて教えてください。

弊社は大きく分けて、3つの柱で事業を展開しています。

1つ目は、大企業や中堅企業向けの法務オートメーション「OLGA(オルガ)」です。事業部門からの法務依頼の受付から、AIによる契約審査、ナレッジ管理までをトータルで支援するシステムです。
最大の強みであり差別化ポイントは、事業部門の担当者がアカウントを持っていなくても使えるという点です。普段使い慣れているメールやSlack、Teamsといったコミュニケーションツールの延長で、シームレスに法務へ依頼ができます。
現場に「新しいツールを導入した」という負荷やストレスを一切かけずに、法務部門へ自然とデータやナレッジが蓄積される仕組みを実現している点が特徴です。

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2つ目は、中小企業や個人事業主向けの「GVA 法人登記」や「GVA 商標登録」といった、企業が必ず対応しなければならない法務手続きを支援するWebサービスです。
例えば、本店移転や役員変更などの登記手続きに必要な書類を、オンラインで「安く・早く・簡単に」作成できるサービスで、オンライン商業登記支援サービスにおいてトップシェアを確立しています。

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3つ目は、法律事務所や弁護士向けに展開している「ベンパル」シリーズです。

AIという激動の時代に、弁護士のいちばん近くで日々の実務や事務所運営を支えながら、法律事務所の未来をともにつくり、法的支援が隅々まで行き届く社会の実現を目指しております。

AIが裁判書類作成を行う「ベンパル 書面作成」や、AIによる契約書のリスク確認や条文修正を行う「ベンパル 契約書レビュー」などがあり、弁護士業務を効率化・最適化するための支援を行っています。今後もサービスの領域を拡大していく方針です。

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これらに共通する弊社の根本的な強みは、徹底したユーザー起点のプロダクト開発にあります。
実は創業初期、プロダクトアウトの発想でサービスを作ってしまい、全く使われなかったという手痛い失敗を経験しました。その反省から、法務オートメーション「OLGA」などは事前に100社以上の企業に徹底的なヒアリングを行い、ユーザーの業務や課題を深く理解したうえで開発を進めるスタイルへと転換しました。
この姿勢こそが、現在の高い利便性と継続率につながっていると自負しています。

生成AIの急速な進化によって、法務業界は今後どのように変化していくと予測されていますか。

大きく2つの変化が起こると予測しています。

一つは、人とAIの役割分担の明確化です。
これまでは人間が契約書をゼロから読み込み、修正案を入力していましたが、これからはAIが「0から1を作る作業(一次チェックや修正案のドラフト作成)」を瞬時に担い、人は「1を10にする作業(最終判断や経営判断)」に集中するようになります。トータルの業務時間は間違いなく短縮されます。

もう一つは、法務の仕事そのものの再定義です。
これからの法務担当者に求められるのは、個別の契約書をチェックすること以上に、AIが正しく動くための「判断の再現性」を設計・メンテナンスすることになります。
また、破壊的なAIの導入は、単なるツールの導入ではなく「人を採用する代わりにAIを採用する」ことに等しいため、法務部門の組織図や事業計画そのものが大きく変わっていくはずです。
定型業務から解放された法務人材は、より経営や事業のコアに入り込んだ、人間にしかできない戦略的な業務へとシフトしていくでしょう。

「法務DX」や「法務AX(AIトランスフォーメーション)」を推進する上で、企業が最初に取り組むべきことは何でしょうか。

まずは「情報の交通整理」「判断の基盤づくり」から始めるべきです。

多くの企業の法務部門では、事業部門からチャットやメールでいきなり契約書が投げ込まれ、背景もわからないままヒアリングから始めなければならないという「入口のカオス」が発生しています。
法務AXを推進するには、マーケティングオートメーションの考え方を応用し、「フロー(依頼情報の入口の標準化)」「ストック(判断の基盤となる情報の構造化と蓄積)」「アウトプット(AIによる出力)」という構造で、法務業務を設計し直す「法務オートメーション」の構築が必要になります。

特に生成AIの精度は、「AIモデル × プロンプト(手順) × ナレッジベース(自社のひな型や過去の知見などの業務知識)」の掛け算で決まります。いくら優秀なAIを導入しても、自社の基準となるナレッジが整理されていなければ、一般的な回答しか出力できません。
そのため、まずは自社に散在している法務情報を集約し、AIが活用できるデータ基盤として整理することが、最初に取り組むべき最も重要なステップになります。

5年後、10年後にGVA TECHをどのような企業へ成長させたいとお考えですか。今後の目標やビジョンについて教えてください。

創業からこれまでの期間で、GVA TECHという会社の土台である「1」を作ることができたと感じています。
現在は3つの事業領域を柱に、大企業から中小企業まで、そして法律の業界を支える弁護士の方々への支援を進めてまいりました。これからの10年でこの土台を「10」に、さらに次の10年で「100」へと、最速で成長させていく覚悟です。
その過程では、オーガニックな成長だけでなく、BtoBだけに限らず、BtoCの領域も視野に入れ、M&Aなども積極的に仕掛けながら事業規模を拡張していこうと考えています。

最終的に実現したい「法とすべての活動の垣根がなくなった社会」とは、どのような世界でしょうか。

法律業務が他の業務と切り離されて存在するのではなく、一体としてビジネスの現場に自然と溶け込んでいる世界です。

私たちが実現したいのは、例えば、企業であれば、事業部門がわざわざ法務に相談を持ち込まなくても、システムの力によって全社の法務リスクの可視化がリアルタイムで終わっているような状態です。
法務ナレッジをテクノロジーによって標準化し、どうしても社内下請け化しがちな法務部門の定型業務の負担を軽減します。そして、蓄積されたナレッジを活用して事業部門が契約業務を主体的に進め、法務部門は最終チェックと戦略的な業務に専念する。削られたリソースの分だけ、すべての企業が「攻め」の本業や、新たな価値創造にエネルギーを100%注ぎ込めるようになる状態です。

「法とすべての活動の垣根がなくなった社会」とは、企業や一般個人を問わず、誰もが法律を恐れたり高いコストを払ったりすることなく、テクノロジーのサポートによって自然とルールを守りながら、本来の「すべての活動(ビジネスや挑戦)」を最大限に加速できる世界だと言えます。

GVATECH株式会社ロゴ

企業概要

企業名 : GVA TECH株式会社

代表者 : 山本 俊

所在地 : 東京都港区虎ノ門3-4-7 虎ノ門36森ビル 8階

設立  : 2017年1月4日

従業員数: 80名

事業内容: リーガルテックの開発・提供

URL  : https://gvatech.co.jp/

 

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