【Ms. Engineer株式会社】
やまざき ひとみ社長インタビュー
Ms.Engineer株式会社 代表取締役CEO。元サイバーエージェントでプロデューサー・編集長として「アメーバピグ」などの立ち上げに携わる。2015年に独立し、PR・マーケティング会社を設立。2021年に女性向けAI・IT人材育成サービス「Ms.Engineer」を創業。未経験者を対象に高度IT人材を育成し、卒業生の9割以上が転職、平均年収約480万円を実現。女性の経済的自立と日本の賃金格差解消を目指している。
私はサイバーエージェントやスタートアップでキャリアを積む中で、能力があるのにライフイベントによってキャリアの選択肢が狭まる女性を数多く見てきました。
さらにコロナ禍でその状況が顕著になり、雇用への影響は特に女性に集中しました。
一方で、IT業界は深刻な人材不足です。
「女性の働きにくさ」と「日本のIT人材不足」という二つの課題を同時に解決できるのではないかと考え、Ms.Engineerを創業しました。

私が課題だと感じたのは、能力の差ではなく、機会の差にあると考えています。
これまで多くの女性と接してきましたが、優秀で意欲もあるのに、出産や育児、介護などのライフイベントをきっかけにキャリアの選択肢が狭まってしまうケースを数多く見てきました。
一方で、日本では深刻な人材不足が進み、特にAIやIT領域では高度人材が圧倒的に不足しています。
つまり、成長産業では人材が足りないのに、社会には十分に活躍機会を得られていない人材が存在している。この構造に強い違和感を持っていました。
私は賃金格差の本質は、性別そのものではなく、高付加価値な仕事へアクセスできる機会の格差にあると考えています。
だからこそ私たちは、女性が成長産業で活躍できる選択肢を増やし、自ら収入やキャリアを切り拓ける社会をつくりたいと考えています。
私たちは女性支援を目的に事業を行っているわけではありません。日本の人的資本を最大化することが目的です。女性AI人材の育成は、そのための重要なアプローチだと考えています。

私は「選択肢の格差」だと思っています。
日本では女性の就業率は上がっていますが、依然として管理職比率や高所得職種への参画率は十分とは言えません。特にAIやITなどの成長産業では女性比率が低く、そのことが結果的に賃金格差にもつながっています。
もちろん制度面の課題もありますが、それ以上に重要なのは、「自分にはできない」と思い込ませてしまう社会構造や情報格差だと思います。
本来であれば、地方在住であっても、子育て中でも、最先端の技術を学び、高い専門性を持って活躍できるはずです。しかし現実には、その選択肢を知らないままキャリアを選んでいる方も少なくありません。
そのため私たちは単に教育を提供するのではなく、女性が未来の選択肢を持てる社会そのものをつくりたいと考えています。
AIは一時的なブームではなく、今後あらゆる産業の基盤になる技術だと考えています。
過去にはインターネットが社会を変えましたが、これからはAIが社会の前提を変えていきます。その中で重要なのは、AIに仕事を奪われるかどうかではありません。AIを活用して価値を生み出せる人になるかどうかです。
私はこれからの時代、AIリテラシーは読み書きやパソコンスキルと同じくらい重要な基礎能力になると思っています。
だからこそ私たちは、単なるプログラミング教育ではなく、
の3つを柱に育成しています。
技術だけではなく、課題を発見し、AIを活用し、人や組織を動かしながら価値を生み出せる人材が求められるからです。
AI時代において最も大きなリスクは、AIを使わないことではなく、AIを使いこなす側に回れないことだと思っています。だからこそ、女性がAI時代の受益者ではなく、創り手として活躍できる環境を増やしていきたいと考えています。

私たちは「プログラミングを教えるスクール」ではなく、「高度IT人材を育成する教育機関」だと考えています。
実際に受講生の約9割は未経験からスタートしていますが、多くの方がキャリアチェンジや年収向上を実現しています。その理由の一つは、育成のゴール設定にあります。
Ms.Engineerは経済産業省認定の「第四次産業革命スキル習得講座」として、女性向け高度IT人材育成講座では日本で唯一認定を受けています。私たちが目指しているのは、単にコードが書ける人材ではありません。社会や企業の課題を理解し、テクノロジーを活用して価値を生み出せる人材です。AI時代には技術力だけでは長く活躍できません。AIを使いこなしながら、課題を発見し、人を巻き込み、価値を創造する力が求められます。
また、受講生の多くは子育て中の方や地方在住の方です。同じ境遇の仲間と学びながら、現役エンジニアの伴走支援を受けられる環境があることで、未経験からでも高いレベルまで成長できる仕組みをつくっています。
私たちが育てたいのは「女性エンジニア」ではなく、「社会を変える女性AI人材」です。
女性がライフステージに左右されず活躍できる選択肢を増やすことが、結果として日本のデジタル人材不足の解消や、生産性向上、そして私たちが掲げる『賃金格差の解消』につながると考えています。

私はこれからの10年で、「どこで働くか」よりも「どんなスキルを持っているか」が重要になると考えています。
AIの進化によって、これまで人が行っていた業務の一部は自動化されていきます。一方で、AIを活用して新しい価値を生み出せる人材への需要はますます高まります。その変化は、女性にとって大きなチャンスでもあります。
これまで女性は出産や育児、介護などによってキャリアが分断されやすい構造がありました。しかしAIやテクノロジーの発展によって、働く場所や時間に縛られず、専門性を武器に活躍できる時代が訪れています。
特に今後は、単なるIT人材ではなく、AIを理解し、ビジネス課題を解決できる人材の価値が高まっていくでしょう。だからこそ私たちは、ソフトウェア開発スキルだけでなく、AIスキルやビジネスメタスキルまで含めた育成を行っています。
私はこれからの時代、女性はAI時代の「受益者」ではなく、「創り手」になるべきだと思っています。テクノロジーを使う側ではなく、テクノロジーを社会実装する側に回る女性が増えることで、日本の働き方そのものが変わっていくはずです。
私は、女性AI人材の育成は女性支援に留まらないテーマだと考えています。
日本は少子高齢化による労働力不足と、深刻なデジタル人材不足という二つの課題を抱えています。一方で、女性の就業率は上がったものの、依然として賃金格差は存在し、多くの女性が能力を十分に発揮できていません。つまり日本には、まだ活かしきれていない大きな人的資本があります。
もし女性がAI・テクノロジー分野で活躍することが当たり前になれば、
を同時に実現できる可能性があります。
だから私たちは、女性向けスクールを運営しているという認識ではありません。
経済産業省認定の女性向け高度IT人材育成機関として、女性AI人材を育成し、その人材が社会で活躍する場をつくり、さらにAIプロダクトの社会実装まで推進していく。
教育と産業をつなぎながら、日本の未来を支える人材基盤と技術基盤を構築していくことが私たちの役割だと思っています。最終的に目指しているのは、女性が活躍する社会ではなく、性別によって機会や賃金が左右されない社会です。その実現に向けて、AIは非常に大きな可能性を持っていると考えています。
私はこれまで、多くの女性が「自分には無理かもしれない」と可能性に蓋をしてしまう場面を見てきました。でも実際には、能力が足りないのではなく、挑戦する機会や環境がなかっただけというケースがほとんどです。
今はAIの進化によって、これまで以上に個人が挑戦しやすい時代になりました。住む場所や年齢、これまでの経歴に関係なく、新しいスキルを身につけることで人生の選択肢を大きく広げることができます。だからこそ、自分で限界を決めないでほしいと思っています。
私たちの受講生にも、子育て中の方、地方在住の方、異業種からキャリアチェンジした方など、さまざまな背景を持つ方がいます。最初は皆さん不安を抱えていますが、一歩踏み出したことで人生が大きく変わっています。将来が不確実だからこそ、自分の可能性に投資することが大切です。
私は、AI時代は一部の特別な人だけが活躍する時代ではなく、学び続ける人にチャンスが開かれる時代だと思っています。
もし今、キャリアや将来に不安を感じているのであれば、その不安を理由に立ち止まるのではなく、新しい可能性に向かうエネルギーに変えてほしい。
私たちはこれからも、一人ひとりの挑戦を支えながら、女性が自分らしいキャリアを選択できる社会、そして性別によって機会や賃金が左右されない社会の実現に向けて挑戦を続けていきます。

企業名 : Ms. Engineer株式会社
代表者 : やまざき ひとみ
所在地 : 東京都千代田区麹町1-6-30 近鉄半蔵門スクエア4階
設立 : 2021年11月
事業内容: 女性AI・IT人材育成事業(オンラインブートキャンプ)AI開発事業(受託開発、PoC支援、LLMチューニング、RAG構築)人材事業(女性AI・IT人材マッチング)
URL : https://corporate.ms-engineer.jp/