【株式会社プロモデルスタジオ】
小林 力社長インタビュー
1999年に大学を卒業し、東証一部上場のインテックに入社しました。アカウントセールスとして1年目から優秀者賞を受賞するなど成果を残し、7年半にわたって勤務いたしました。
転機になったのは、当時担当していたお客様からのご依頼です。
従来、モデルやタレントの新人発掘は雑誌広告でのオーディション募集が主流でしたが、当時のiモードを使ったインターネット経由での人材発掘をしたいというリクエストをいただいたことがきっかけで、そのタレント・モデル事務所へ転職し、新人発掘・育成の仕事に携わることになりました。
そこで、現場のレッスンや人材育成の仕組みが非常に属人的であることに課題を感じ、これを仕組み化・IT化できないかと考え、後にプロモデルスタジオの前身となる事業を立ち上げました。最初は一社の中での取り組みでしたが、この仕組みは他社にも横展開できると考え、2010年に自身の会社を設立しました。
IT業界でアカウントセールスとしてやり切ったという思いがあったことに加え、そこで培った知見を活かせるのであればと考え、当時アナログな手法が主流だったモデル・タレント業界に飛び込みました。
iモードなどインターネットを使った新しい人材発掘の要請が、直接のきっかけになっています。
2010年、知人と共同で創業しました。当初は、受注からキャスティング決定までを完全にインターネットで完結させる、デジタル型のキャスティングサービスを目指していました。
しかし当時はまだ市場が立ち上がって間もない時期で、案件規模も小さく、受注後の稼働にも不安定さがありました。そこでIT要素は技術として盛り込みながらも、現在の「総合型キャスティング」という形に至りました。
一般的に「キャスティング会社」というと、代理店様や制作会社様から人材の手配だけを部分的に任される会社というイメージを持たれることが多いかと思います。しかし、私たちが考えるキャスティング会社は、もっと広い意味を持つものです。
土台となる制作業務から、出口となるPR業務、さらに継続的なマーケティング業務まで、キャスティングにまつわるすべてをシームレスにご提案できる。それが私たちYOU MAY Castingです。
出演者ジャンルも、芸能人・タレント・モデルにとどまらず、文化人や専門家、アスリート、インフルエンサーまで幅広く対応しています。これは、全国の提携事務所500社以上、個別のマネージャーとのつながり1,500件以上という強固なリレーションがあるからこそ実現できるものです。
さらに、数万円規模の単発案件から、年間を通じた大型ブランドキャンペーンまで、規模を問わずに対応できる点も特徴です。
こうした総合力の裏側には、特許出願中の独自システム「aModel commune」による効率化があり、「ヒト」の目利きと「IT」の仕組みを掛け合わせることで、単なる人材紹介ではなく、お客様の事業課題解決に伴走するパートナーであり続けたいと考えています。

私たちは、キャスティングを単なる人材手配とは捉えていません。誰を起用するかによって、企業の伝わり方は大きく変わります。AIやデータの活用が進む時代だからこそ、「誰が伝えるか」の重要性はむしろ増していると感じています。
私たちはキャスティングを起点に、PR、SNS、イベント、コンテンツ制作などを組み合わせながら、企業のコミュニケーションそのものを設計し、実行することを目指しています。その先にあるのは、「才能をつなぐ、どこでもドアをつくる」という私たちの存在意義です。
企業と才能の距離をもっと近くし、誰もが当たり前に新しい挑戦や価値を生み出せる時代をつくりたい。
そのために、最高の才能を発掘し、企業の課題や目的に合わせて最適な形でキャスティングし、その才能を最幸のステージへ導く。この3つの価値観を、日々のすべての案件で実践しています。
一般的なキャスティング会社が人材の手配のみを担うのに対し、弊社では社内リソースおよび外部の連携企業と組むことで、映像制作、デジタルマーケティング、イベント企画といった、キャスティングの前後にある周辺領域までワンストップでカバーできる体制を構築している点が大きな違いです。
つまり単なる人材紹介ではなく、企業のコミュニケーション施策全体を一気通貫でサポートできることが強みになっています。
「ヒト」の面では、事務所やタレント側という仕入れ先ごとに担当者を分けるだけでなく、発注する顧客側についても、業種、利用シーン、起用する人材のジャンルという切り口で担当を細かく分ける組織体制を敷いています。これにより双方の専門性を高め、きめ細かい対応を可能にしています。
一方「IT」の面では、内部に独自の人材データベースを保有しており、タレント登録者数は約1万5,000人、事務所ネットワークとの連携数は500以上、マネージャーとの個別コネクションは約1,500件という規模の情報資産を蓄積しています。
この人と仕組みの掛け合わせによって、属人的になりがちなキャスティング業務を、再現性と拡張性のある形で提供できていると考えています。

従来は特定の事務所単位でしかタレントを比較検討できませんでしたが、このシステムによって複数のモデル事務所に所属するタレントを横断的に一元管理できるようになりました。
発注企業様は事務所の垣根を越えて、多くの候補を一度に閲覧しながらフラットに比較検討できるようになり、結果として選定のスピードと精度の両方が向上しています。

まず、内部データの整理を進め、仕入れ先やマネジメント先とのリレーションを強化拡大していくことが、自社が果たすべき役割だと考えています。
それに加えて、キャスティング会社は単に人材を手配するだけでなく、エンドクライアント様に対してそのタレントをどのように活用していくべきかという提案まで踏み込んで、積極的に発信していくべきだという課題意識を持っています。
これは、漁師が魚を獲るだけでなく、その魚を一番知っているからこそできる調理法まで発信していくべきだという例えに近いと考えています。
課題は大きく2つあると考えています。
1つ目は、タレント起用時のギャランティの相場感が、発信する側と受け取る側とで食い違いやすいことに加え、広告の手法自体も常に変化し続けているため、中間で手配を担う会社がその整理役としての責任を負っているという点です。
2つ目は、初めて取引するお客様にも分かりやすいように、価格や見積もりの要件項目を整理し、正しく伝えられるようにする必要があるという点です。
これらに対するアプローチとして、仲介ポジションにある弊社があらかじめ相場感を保有しておくことが重要だと考えています。
確認のたびに逐一問い合わせることなく、スピード感を持って一次提案を提示し、その後の段階で改めて最新の金額を確認する。こうしたフローを、システムやAIを活用しながら実現していきたいと考えています。
キャスティング業界、いわゆる芸能界的な世界は、見た目や才能を集めた業界であるがゆえに、世間から実態以上に特別視されたり、やや偏った、あるいはネガティブな印象を持たれやすい面があります。過去の時代にそうした印象を助長するような出来事があったことも事実ですが、業界全体としては着実に改善が進んできています。
だからこそ、そうした誤解を一つひとつ解きながら、才能を起用する企業側と、起用される才能側の双方が同じ目線で話せる共通言語を持てるようにしていきたいと考えています。
「開かれた業界」という言葉よりも、もっと感覚的には「近い業界」でありたい。決して遠い世界の特別な存在ではなく、企業にとっても才能側にとっても、身近に感じていただけるポジショニングを目指しています。
起用される側の目線から見ても、キャスティング業界は決して特別な、統一された一つの世界というわけではありません。
にもかかわらず、企業側からすると何をどう頼めるのか、どんなことができるのかが感覚的に掴みにくいという壁があり、その結果、発注に至るまでに時間がかかったり、そもそも検討自体を見送られてしまうケースを数多く見てきました。
一方で私たちは、才能ある人材を起用することで物事が明らかに優位に進む場面を、これまで非常に多く目の当たりにしてきています。だからこそ、自分たちのプレゼンテーションや発信の仕方がその機会損失の足かせにならないよう、才能の力をわかりやすく、正しく伝えていくことを大切にしています。
企業規模の大小に関わらず、才能を活用することで事業やプロジェクトがうまく回り出す、その後押しをこれからも積極的に担っていきたいと考えています。
そもそも私たちが扱っている対象自体が、非常に大きなデータの塊です。
自社で内製しているデータベースだけでも登録タレント数は約1万5,000人にのぼり、さらにインフルエンサー向けの別ツールまで含めると、数十万人規模のデータベースを活用しています。この規模になると、従来型のように担当者の記憶や勘、感覚値に頼ったプレゼンテーションでは限界が出てきます。
この規模のデータを仕組みとして持っているかどうかで、提案の精度に大きな差が生まれるのは当然のことです。
汎用的なAIやITツールを少し組み込むだけでも、なぜこのタレントを起用するのかという理由や根拠が、感覚ではなく数字やデータとして見えてくるようになります。そして、それをしっかりと表に出して提示することで、発注いただく企業様の意思決定がより優位に、スムーズに進むようになります。
実は、キャスティング業界は一見すると旧態依然としたアナログな業界に見えながら、テキスト情報や映像情報、フォロワー数やSNS上の日々の動きなど、あらゆる要素が急速に数値化されてきている、非常にAIとの親和性が高い業界だと考えています。こうしたデータをうまく組み合わせていくことで、いわば勝てる人選、勝てるキャスティングに、これからますます近づいていけるはずです。
これは、先ほどお話しした内容とちょうど裏表の関係にあるお話です。結局のところ、キャスティングという業務は、ITだけで完結することは決してありません。
まず現場の実作業という観点で言うと、撮影やイベントの当日に突発的なトラブルが起きた際、まだフィジカルなロボットが現場に立って対応してくれる時代ではありませんので、そこは人による臨機応変な対応がどうしても必要になります。
また、起用する側の好みや相性といった感覚的な要素についても、人の反応そのものを大切に汲み取っていく必要があります。こうした感性の部分を欠いたまま、AIとうまく両立させていくのは非常に難しい業界だと感じています。
そのため、今後AIがどれだけ発展していったとしても、最終的に何をしたいのか、どう感じるのか、人をどう動かしたいのかといった部分については、人の力が非常に重要であり続けると考えています。

私たちがお手伝いする主な利用シーンは、大きく分けて広告とイベントの2つです。
広告分野については、単に人材を手配するというだけでなく、AIが急速に進化していく流れに合わせて、どういった人物を起用するとどういったアウトプットや反応が生まれるのかを予測するような仕組みが、今後ますます取り入れられていくと考えています。
イベント分野についても同様に、誰を起用するか、どのタイミングで選定するかによって、どういった動きや反応が生まれるのかを、ある程度計算できるような仕組みが少しずつ取り入れられる傾向が見られます。
一方で、モデル業界に目を向けると、すでに実在しない人間モデル、つまりAIによって生成された、まるで実際に動いているかのような人間モデルを作り出す技術も登場してきています。こうした技術は、今後さらに活用の場が広がっていくと感じています。
現在は広告モデルやファッションモデルとして人間が活躍している領域ですが、いずれは生成AIによって作られたモデルが活躍するような日が来るのではないかと考えています。
イベント現場で発生する突発的なトラブル対応など、実績に裏打ちされた経験と感覚は非常に大きな価値を持っています。
また、PRする商品や企業への深い理解、そしてその周辺にある事務所との関係性の構築といった部分についても、長年の経験の中で培われてきた感覚値に依存する部分がまだまだ多いと感じています。
データやシステムがどれだけ進化しても、こうした現場感覚は簡単には代替できないものだと考えています。
海外タレントやインフルエンサーの手配についても準備を進めており、一部実績もございます。また、近隣アジア諸国を中心とした海外の企業様から、日本マーケット向けにPRを行いたいという広告案件のご相談も実際にいただいており、現在進行しているところです。
日本のタレントや人材を有効に活用したいというニーズを非常にありがたく感じており、私たちとしても協力できる部分があれば積極的に進めていきたいと考えています。
現在、他社キャスティング会社よりもエンドクライアント様から直接お問い合わせをいただくケースが非常に多くなっており、これは事業を立ち上げた当初から狙っていた動きが実際に成功している証だと感じています。
一方で、規模の大きな案件や新しい技術を伴う案件については、まだまだ大手企業様が保有されているケースが大きいのが実情です。そうした領域についても、これまで以上に力を入れて協力していきたいと考えています。
今後はより大きなプロジェクトやイベントにおいて、大手代理店様、大手制作会社様、イベント企画会社様とご一緒させていただけると非常にありがたいです。
エンタメに興味がある方とは、同志としてぜひ一緒に働いていきたいと思っています。
年齢は関係ありません。人そのものへの興味というよりも、新しいものや新しいサービスへの興味関心があり、人材の力を通じて世の中が変わっていく様子を見たいという方は、本当に歓迎です。
こうした時代だからこそ、アナログな人材の力をうまく活用し、感動や変化を生み出すことに興味がある方は、ぜひとも一緒に取り組んでいきたいです。
今後は著名人だけでなく、知識を持った一般の方やビジネス界で有名な方など、従来の芸能・エンタメ業界の枠を超えて自己主張を行う人材のキャスティングが増えていくと見ています。
従来型のキャスティング会社のように、芸能事務所とのコネクションだけを持っていればよいとは思っておりません。そうした枠にとらわれず、立体的にネットワークを構築していく必要があると考えています。
要件をお伝えした際に、しっかりと咀嚼して理解してくださっているかどうかが一つのポイントだと思います。また、提案だけで終わらせず、当日までの段取りや対応など、最後まで伴走してくれるかどうかも重要です。
できますと言いながら実際にはできない会社も少なくないと聞きますので、実績や、それをどう実行していくのかという実行体制について、具体的な説明を聞けるかどうかも大切な判断材料になります。単なる候補者リストの提出で終わらせず、その先どう動いてくれるのかまで見極めていただくと、良いキャスティング会社と出会いやすいのではないかと思います。
お客様や案件数は増えておりますが、やればやるほど、まだまだ足りない部分があると感じています。
業界全体、そして弊社自身についても、システムやITの面でまだ遅れを取っている部分があり、サービスのスピードや情報量、運営マニュアルなどの整備がまだまだ不十分だと感じています。
それはそのままサービスレベルそのものにつながる部分ですので、今後もそこを磨き続けていきたいと考えています。

企業名 : 株式会社プロモデルスタジオ
代表者 : 小林 力
所在地 : 東京都渋谷区元代々木町8-5 浅野ビルB1F
設立 : 2010年8月
事業内容: モデル・タレントのキャスティングを中心に、人材の発掘・育成、広告・動画制作、デジタルマーケティングなどを展開
URL : https://www.promodelstudio.com/