【クレソン株式会社】
青木毅社長インタビュー
青木毅社長 略歴
大学卒業後、ロイター・ジャパン社に入社し、為替取引システムなどのグローバル 金融ネットワークシステムのシステムエンジニアとして勤める。
その後、ロイター・シンガポールで5年間システムマネージャーを務め、アジア データセンターの無人化などのプロジェクトを成功させる。 またロイター・シンガポールでは、約30 名の多国籍スタッフのマネジメントも経験。
シンガポールから帰国後は、オランダのビジネススクールで経営学を学び、日本へ帰国して日立製作所に入社。 日立では戦略事業企画室で自ら新事業開発を担当し、日立が持つ要素技術を活用していくつかのIT新事業を立ち上げる。
特に中国での新事業開発では、自ら事業開発を行うだけでなく、新興国での新事業の在り方を提案し、 新たな投資スキームやインキュベーションスキームも企画・推進した。
日立製作所で11年間働いた後に、クレソン株式会社を設立。 クレソンでは、これまでの海外経験と新事業のノウハウを活かして、日本の本質的な魅力を外国人に体験させるインバウンド事業や、 ショート動画を活用した海外向けのプロモーションや越境ECなどのアウトバウンド事業を展開する。
「日本と世界を近づける」という経営理念にもありますように、日本が世界から取り残されて行くことを漠然と感じていました。
ただ初めからその理念の基に起業したわけではなく、むしろ何かグルーバルな事業にチャレンジしてみたいと思いで起業したのが正直なところです。
実際には今の仕事をしながら、この理念が言語化されました。
大学卒業後、ある意味ずっとグローバルな環境で仕事をしておりました。ロイタージャパンに入社し、ロイターシンガポールに5年、オランダで1.5年ほど留学し、
その後、日立製作所では10年ほど中国でITの新事業をしていました。ロイターにおける真にグローバル企業での体験と、日立製作所における一人称で新事業開拓という経験が今の自分のベースになっていると感じています。
私は外資・日系の大企業でのキャリアを積んできましたが、自分自身の成長と能力を最大限に発揮するために、起業を決意しました。大企業には運や縁の要素が大きく影響することもあるため、サラリーマンとして働くことは不可避であることを理解していますが、能力や人間性に基づいて公平に評価されないことに不満を感じていました。
また、日系企業においては横並びで安定志向なことにも嫌気がさしておりました。例えば、部署のメンバー全員でかなり時間を割いて幹部の機嫌を損なわないような企画書や報告書を制作します。その時間も無意味に感じていましたし、定時になっても帰宅しない人が多くいました。スタッフも自分は一生懸命に仕事をして会社に貢献しているんだということを残業という形でアピールしていました。私からすると人によって能力が違うので、1時間でその仕事を終わらせてしまう人もいれば、丸一日かかる人もいます。能力のある人は数時間集中して仕事をすれば十分であると今でも思っていることでもあります。
あと組織に属しているとやはり組織の文化に従わないといけないので、手遅れになる前に会社を立ち上げました。反面教師的に、自分の会社では経営者とスタッフが対等な関係で協力し合う企業風土を築くことを目指しました。
なので、クレソン株式会社は、経営者とスタッフとはできるだけ対等な文化を企業風土として作り上げたいという気持ちも今も強くあります。
モチベーションを保つには2つのことを意識しております。
一つは睡眠。私はロングスリーパーなので、とにかくたくさん寝るようにしています。経営者は日々いろいろな判断に迫られています。
なので、冴えた頭で判断しないと本来進むべく事業の方向感がつかめなくなります。サラリーマンであれば、二日酔いであっても会社にいれば仕事をしていることになりますが、経営者は仕事をしているふりをしても無意味で、常に会社全体のことを考えていなければなりません。
冴えた頭で判断した場合は、結果はどうあれそれは自分の責任なので、受け入れることはできますが、誤った判断をすると会社が致命傷になります。最悪の場合、倒産します。
もう一つは運動です。メンタルを維持するために、ジムで少しストイックに追い込みます。
以前、何かの記事で少しきつめの有酸素運動は鬱などを防ぐ効果があると記憶しています。
経営はストレスのかたまりですので、無理やりオンとオフの時間を作り、脳をリセットするためには、私にとって運動は大切な作業になっています。
「自分を受け入れる。今を受け入れる。今を一生懸命に生きる。」 人はどうしても他者と比較しがちです。比較しても意味が無いのは分かっていても、無意識に比較しています。
あと、無理やり自分は幸せだと思い込ませることも悪くは無いのですが、過剰に自分の評価を高めたりしないで、過去を振り返らず今を精一杯生きて充実した生活することを意識するようにしています。幸せという基準は、自分自身が勝手に作り上げたものなので、他者と比べことに意味はなく、むしろその基準を下げた人はずっと幸せでいられるんだなと最近気が付きました。(笑)
あと、無意識を意識するようにしています。例えば、無意識にネガティブなことを考えているときには、なんでこんなこと考えているんだろうと、自分自身に問うてみたりします。
特にないんですが、何か困難なことに直面すると、
フランクルの言葉である「あなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望していない」と言う言葉は難局にあるときは救われますね。
フランクルはアウシュビッツに強制収容された、ユダヤ人の精神科医で、「夜と霧」などの著者でもあります。
特に嫌なことが続いた場合は、自分が生きているこの場所はアウシュビッツなんかではないと思うと、自分がおかれている状況はまともな世界だと、自分の現在地を見つめ直すことができます。
クレソンの由来は”何か新しいものを常に生み出す会社にしたい”と言う意味から、
英語のCreate Something NewからCRESONとしました。
また私自身、野菜のクレソンが好物なので、この名前を見つけた時は、
自分の会社らしい名前がようやく作れたとホッとしたのを覚えています。
起業してから1年以上たってこの名前が電車の中でひらめいたのをよく覚えています。
前述しましたように「日本と世界を更に近づける」と言うのを理念としてあげていますが、
そのベースとなっているのは、海外から日本を見た時に、訪日外国人は日本の本質的な楽しみ方が理解されていないなとか、
日本の良い製品が海外に出ていないなどとずっと感じていました。
更に気になったのが、日本の本質的な良さを日本人自身が気付いていないなと、よく感じていました。
海外にいると日本人はどこか自信なさげで、もっと日本人であることに自信を深めてもらいたいということも感じていました。
最近ですと、サッカーワールドカップやWBCなどで、プレイヤーとしての実力だけでなく、日本人のマナーや行動に世界中から賛美されますが、外国人に発見されないと、自信を持てない点も少し気になるところです。
インバウンド事業では、日本の本質的な良さを本物で体験していただくことを意識しております。
そのため金額も高めになるため、外国人富裕層やVIP向けに、「モテナス日本」サービスとして、プライベートな空間でユニークベニュなどを活用して本物の日本を体験頂いております。
アウトバンド事業では、今のところ中国に特化しておりますが、中国版TikTok抖音(Douyin)を活用した、プロモーションや越境ECの支援サービスを提供しております。
これら2つの事業軸で、「日本と世界を更に近づける」を実現することを試みております。
「モテナス日本」では、日本伝統芸能(歌舞伎・忍者・侍など)、日本文化(茶道・華道・書道など)、武道(空手・相撲など)、特別な体験を企画制作からサービス提供しております。その他にも、特別な体験ツアーを企画制作から行っております。レアな日本酒・ウィスキー体験や酒蔵を貸し切ったパーティーや空手・柔道などのイベントやプライベートレッスンなどもございます。
アウトバンド事業では、中国版TikTok抖音(Douyin)で自社アカウントを2つ持ち、一つでは日本の名所や美味しいレストランを紹介し、もう一つのアカウントでは日本の漫画やアニメにまつわる情報を展開しています。また中国版TikTok抖音(Douyin)はEC機能があるので、そこで越境ECも自ら行っているので、その運用ノウハウを持っています。また、自社アカウントを運営しているからこそ、SNSのアルゴリズムを理解しており、再生回数やいいね数やコメント数を増やすノウハウがあります。このノウハウを培った理由として、動画制作チーム(監督、脚本・シナリオライター、カメラマン、モデル、動画編集)を全て中国人で構成しいるからこそできたと思います。そのことを説明するとお客様もよく納得していただけます。
あと、最近はインバウンドとアウトバンドを有機的に繋げ、ビジネスのスケール化を図るだけでなく、地域創生など地方活性化の視点も含め取り組むことを目指しております。
インバウンド事業においては、訪日外国人の富裕層やVIP向けにコンテンツが豊富で全てオーダーメイドで企画・制作からできる点です。
アウトバンド事業では、EC市場規模が日本の10倍以上もある中国に対して中国のSNSを使って市場調査や施策計画策定、プロモーションから越境ECまでワンストップできる点です。
更には、インバウンド事業とアウトバンド事業を有機的に繋げるよりスケールのある事業がお客様に提供できるのは、弊社ならではの強みだと思います。
モテナス日本は訪日外国人の富裕層・VIP向けに特化した体験サービスですが、以下のように他ではやっていない特別な体験を企画立案から行えるのが差別化されたサービスの要因になります。
・企業のイベントに向けのユニークベニュも企画制作からサービス提供
・日本伝統文化の本物の演舞をプライベートな空間で間近で提供 (演者とお客様の距離が近い)
・対象顧客がVIPの企業幹部の外国人、及び富裕層の日本人や外国人家族むけのサービス
・エンターテイメント性を重視した日本伝統文化の体験 (アカデミックに偏り過ぎない)
・お客様のお好みに合わせたオーダーメイド型のおもてなし (「歌舞伎」vs「忍者」などライブ音楽など構成演出も可)
日本特有の美意識や伝統文化、美しい自然、社会全体に根付いたモラル、安全で清潔、ホスピタリティに富んだサービスなど、言い表したらきりがありません。
ただ、先述したように、外国人が日本の良さを発見して発達させていただいているケースが少なからずあります。
例えば、白馬やニセコは外国人に大人気で、外国人がその地域を開発して地域経済も発展したという経緯があります。
また、日本人の礼儀正しさやモラルの高さと言うのは他の国では見られないものです。さらに、日本人のおもてなしの精神も世界的に高く評価されています。
お客様を大切にする姿勢や、心遣いの細かさが、多くの外国人に感動を与えているようです。
このような日本の本質的な魅力を、私たちは大切にしていきたいと考えています。
先述しましたが、外資系と日系の大企業で仕事の経験から、全てのスタッフと対等であると言うことです。
良い意味でも悪い意味でも、前職からいろいろなことを学びました。
大切なのは人として対等であると言うことです。たとえ上司からもっともらしいことを幾ら言われても、お互い尊敬の念が無いと相手の心に響きませんし、本人の思いとは別に仕方がないからやる、或いは何を言って理解されずのれんに腕押しになります。
違った意味では、例えば東日本大震災のときに経験したことですが、原発が危機的状況にあるにもかかわらず、まして東日本全体的な災害になる可能性であったにも関わらず、一部のリーダーの方々は出社することを美としておりました。その価値観はその人固有にあるものなので、正すことは非常に難しいですよね。
なので、自ら考えて判断し、その意見を尊重するということも常に意識しています。加えて、仕事をする上で大切なのはお互いの仲間の夢をかなえる手助けする意識が少しでもできるようになると、人としての思いやりやチームワークが育まれると感じております。
スタッフ個人個人が自律して自らの考えや判断で仕事をしていただくことをベースとしています。なので、自律されている方であればやりがいは感じるかと思います。逆に言うと、指示待ちに慣れてしまった方にとっては、このような環境に馴染むのに時間がかかる可能性があります。しかし、自らの考えや判断力を磨くことで、能力やスキルアップにつながるため、成長を望む方にとっては魅力的な環境となるでしょう。また、チームとして目標を達成するためにも、自ら進んで仕事に取り組むことが必要です。当社では、自律した考え方や行動力を持つ方を歓迎しており、チャレンジ精神を持ち、自ら考えて行動できる方の参加をお待ちしております。また、CRESONのもとである「Create Something New」は常に新しい何かにチャレンジするという意味も含まれています。スタッフ全員にいつでもチャレンジスピリッツを持つように私の方からも伝えていますし、みな意識していくれていると思っています。
あと、ドラッカーが言うところの「学習する組織」も意識しています。
両者は個と組織の関係ですので、そこを繋ぐのが経営者の役割と思います。
一方で、特定のアイデアや思考に固執するような思考硬直化は防ぐために、走りながら考えるような戦術を取っているため、朝令暮改のようなやり方で事業を進めています。このやり方は将来企業したい方には学ぶ価値があるかと思います、
シンガポールでは言葉で苦労しました。当然、会社内外で英語でしたコミュニケーションがとれません。あとエンジニアとしても未熟でしたので、仕事場では初めの1-2年はずっと下を向いてましたが、でもその間は英語のコミュニケーションが下手だったにも関わらず、不思議と多国籍の友達ができた時でしたので、周りからは楽しんでいるように見られたようです。
日立でIT新事業開拓のポジションに着いたときは、新事業を作ることに関して本当に右も左もわからなかったので、半年ほどふてくされていた状態でした。(苦笑)
起業した時は、なかなか売り上げが上がらず、モテナス日本をやり始めて少し手ごたえみたいなもの感じ始めた時に、コロナになってずっと売上が立たず、ずっと崖っぷちでした。でもコロナ禍で仕込んだアウトバンド事業が今事業の柱になりつつあるので、フランクルが言うように「人生はあなたに絶望していない」ことを意識し、常にチャレンジしていることは大切だなと感じてます。
具体的には、訪日外国人向けのインバウンド事業や、日本製品を海外に展開するアウトバウンド事業を展開しています。なので、日本文化でおもてなし接待をしたい企業や、本物の日本を体験したい外国人や、海外市場への進出を検討している日本企業の方々に、クレソンのサービスを届けたいと考えています。また、多角的に日本の魅力を世界に発信することに共感してくれる方々にも、クレソン株式会社のサービスをご利用いただければと思います。
クレソンは、日本の文化や製品を外国人に紹介することで、日本と世界を近づけることを目指しています。そのために、外国人が日本の良さを本物で体験し、その魅力を再発見してもらうことが必要です。同時に、日本人自身が自信を持って日本の良さを発信し、国際的な舞台で活躍することも大切です。こうした取り組みがあれば、日本と世界がより近くなり、文化交流が盛んになり、相互理解が深まることが期待できます。クレソンは、外国人が日本の文化や製品に触れることを通じて、自然な形で異文化理解を深め、国際的な視野を持つ人材の育成に貢献することを目指しています。また、日本の伝統文化や新しい文化を紹介することで、日本人自身も日本の良さを再発見することができ、より豊かな人生を送ることができると考えています。クレソンは、世界との交流を通じて、人々がより良い未来を築くためのきっかけを提供することを目指しています。
クレソン株式会社は、今後も日本と世界を更に近づけるために、インバウンド事業、アウトバンド事業の両軸を強化し、より多くのお客様に満足していただけるサービスを提供することを目指しています。
具体的には、インバウンド事業では、より多くのVIPや富裕層向けのプライベートな体験プログラムを開発し、日本の魅力をより深く伝えていくことを目指します。また、アウトバンド事業では、現在の中国市場に留まらず、アジアを中心に海外市場にも進出し、日本の魅力を世界に向けて発信することを目指します。
さらに、技術力の向上や、新しいビジネスモデルの開発、従業員のスキルアップなど、内部の強化にも取り組んでいきます。これらの取り組みによって、お客様からの支持を得つつ、社会に貢献する企業として成長していくことを目指します。
クレソンはお客様に育てていただいていると言っても過言ではありません。お客様の声に真摯に向き合い、お客様の満足度を高めるだけではなく、同時に自社も成長することを目指しております。また日々何かにチャレンジすることも意識しております。お客様から難題をいただいたときには、クレソンに何ができるのか、お客様はそれで本当に満足いくのかということを常に念頭においております。今後もインバウンドとアウトバンド事業で「日本と世界をさらに近づける」ことをミッションとして、邁進してまいります。
最後に、私たちは常にお客様の満足度を最優先に考え、社会貢献を目指しています。これからも、より良いサービス提供に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
企業名 : クレソン株式会社
代表者 : 青木 毅
所在地 : 東京都中央区京橋
設立 : 2016年7月
従業員数: 20名
事業内容
◯モテナス日本:
・外国人VIP・富裕層向けに日本体験イベントの企画・制作・運営
・外国人VIP接待向け情報コンテンツの発信
◯中国越境EC:
・越境EC実施におけるコンサルティング:
・中国版tiktok(douyin)及びredを活用したプロモーション動画制作と運用代行
・中国版tiktok(douyin) 及びredを活用した中国越境EC・ライブコマース運用代行
◯中国語プロモーション動画制作及び編集:
・中国語動画制作 シナリオ作成・モデル手配・カメラマン手配・翻訳・テロップ・ナレーション・BGMなど
・中国語プロモーション動画編集 youtubeやinstagram等にある既存動画を中国版tiktok(douyin)及びred向けに編集
◯中国越境EC*インバウンド
・地元の物産の越境ECによる中国進出支援
・地方の観光名所及び地元の物産のプロモーション
・中国版TikTok抖音(Douyin)等を活用した地方の観光名所の中国における認知拡大
URL : https://creson.jp/