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【株式会社BOU】
冨澤 智理社長インタビュー

【株式会社BOU】<br>冨澤 智理社長インタビュー

不動産コンサルティング業界出身。資産管理や権利調整など、利害関係の複雑な案件において論点整理や合意形成を担う。その後、クリエイティブ業界での新規事業立ち上げや採用・営業に携わる中で、企業とクリエイター双方における「価値の言語化不足」に課題を感じ、2020年に個人事業として独立。
映像・メディア制作を起点とした支援を行う中で、制作以前の企画・設計段階に課題が集中していることを実感し、経営者の思想や事業構造を整理する戦略支援へと領域を拡張。2025年、株式会社BOUを設立。現在は、経営者の思想・差異を構造化し、事業戦略とブランド戦略を接続するブランディング支援を行っている。

冨澤社長ご自身が「ブランディング」という領域に強く向き合うようになった原体験は何だったのでしょうか。

私がこの仕事に向き合うようになった原点は、「価値の問題ではなく、伝わり方の問題で物事が止まる」という経験でした。
前職では、複雑な利害関係者の調整に関わる中で、同じ方向を目指しているはずの人たちが、立場や言葉の違いによって噛み合わなくなる場面を何度も見てきました。内容は間違っていないのに、解釈のズレによって意思決定が進まない。この構造は、企業の中でも同じように起きていると感じました。

実際、多くの企業では、経営が考えていること、営業が伝えていること、採用で発信している内容が、それぞれ少しずつ違っています。同じ会社でありながら、接点ごとに別の会社のように見えてしまう状態です。このズレがあるままでは、どれだけ広告や制作物を増やしても、成果は安定しません。

ブランディングとは、表現を整えることではなく、企業の考えや価値を共通言語にすることだと考えています。社内外に誤解なく伝わる状態をつくる。その必要性を実感した経験が、BOUの出発点になっています。

冨澤智理社長2

BOUが掲げる「つくる前に企む」という言葉には、どのような経営思想が込められていますか。

多くの企業では、「Webをリニューアルしたい」「広告を強化したい」といった相談から話が始まります。
しかしお話を伺うと、事業の方向性、ブランドの考え方、マーケティングの打ち出しが、それぞれ別の軸で動いているケースが少なくありません。その状態で表現を整えても、部分的な改善にはなっても、経営全体の成果にはつながりにくくなります。

「つくる前に企む」という言葉には、事業戦略・ブランド戦略・マーケティング戦略を一本の線にそろえるという意味を込めています。何を発信するかではなく、なぜこの会社が存在し、どんな価値で選ばれているのかを整理する。ここが明確になると、営業、採用、広報、マーケティングの判断基準がそろい、意思決定のスピードが大きく変わります。

成果が出ている企業ほど、施策の前に軸を整えています。BOUは制作を増やす会社ではなく、経営の意図と市場への伝え方を接続し、社内外の動きをそろえる役割を担っています。

株式会社BOUイメージ2

経営者として「これだけは譲れない」と考えている価値観があれば教えてください。

私が一貫して大切にしているのは、「表現より目的」という考え方です。
ブランディングの領域では、デザインやコピーの完成度に目が向きがちですが、本来の評価軸は、それが経営にどう影響するかです。売上、採用、事業成長といった結果につながらなければ、どれだけ見た目が整っていても意味はありません。

そのため、デザインやWeb制作のご相談をいただいた場合でも、現状を整理した結果、「今はつくるタイミングではありません」とお伝えすることもあります。まず事業の方向性や提供価値を言語化しなければ、アウトプットをつくっても修正を繰り返すだけになってしまうからです。

もう一つ譲れないのは、「お客様を主語にする」ことです。制作物の評価ではなく、その取り組みが事業にどう影響するのかまで考える。短期的なアウトプットではなく、長期的に選ばれる状態をつくること。その視点を外さないことが、BOUの判断基準になっています。

BOUでは「問いを立てる」ことを重視されていますが、冨澤社長にとって“問いを立てる”とは、どのような行為なのでしょうか。

BOUが重視している「問いを立てる」という行為は、課題を整理することだけではありません。もっとも大切にしているのは、その前提自体が正しいのかを疑うことです。

例えば、「認知を上げたい」というご相談は非常に多くあります。ここで私たちは、「なぜ認知が必要なのか?」と問い直します。しかし、それだけでは終わりません。「本当に今、認知が必要なのか」「そもそも認知不足が問題なのか」「非認知の状態でも勝てる方法はないのか」といった問いまで掘り下げていきます。

実際には、認知を増やす前に、提供価値の整理やターゲットの再定義が必要なケースも少なくありません。場合によっては、「認知を広げるより、絞った方が成果が出る」という判断になることもあります。

多くの企業では、施策の前提を疑わずに進めてしまうため、方向性のズレに気づかないままコストと時間を使ってしまいます。問いを立てるとは、施策を考えることではなく、経営として本当に向き合うべき論点を見つけることです。

当たり前だと思っている前提に、もう一度問いを投げる。そこから打ち手の選択肢が変わり、結果も変わっていきます。ブランディングとは、表現の改善ではなく、経営の意思決定の前提を見直すプロセスだと考えています。

冨澤社長は「差別化」ではなく「差異化」という言葉を使われていますが、企業が“比較されずに選ばれる状態”をつくるために最も重要な視点は何でしょうか。

多くの企業がブランディングに取り組む際、「競合と比べて何が優れているか」という差別化の発想から始めます。しかしこの考え方は、常に他社との比較を前提にしているため、最終的には価格や機能の勝負になりやすくなります。競合が同じことをすれば、その強みはすぐに埋もれてしまいます。

BOUが重視しているのは、「差別化」ではなく「差異化」です。違いをつくるのではなく、もともとある違いを見つけて言語化するという考え方です。

例えば、どの会社にも事業の背景、意思決定の考え方、顧客との向き合い方など、その会社らしさがあります。しかしそれが整理されていないため、打ち出し方が一般的になり、「品質に自信があります」「お客様第一です」といった、どの会社にも当てはまる表現になってしまいます。

差異化ができると、競合と比べて選ばれるのではなく、「この会社だから選ぶ」という状態が生まれます。価格や条件ではなく、考え方や価値観への共感で選ばれるため、関係性も長くなります。特別になることではなく、自分たちらしさを明確にすること。それが結果として、最も競争に強い状態につながると考えています。

これからの時代、企業がブランドと向き合ううえで「やってはいけないこと」は何だと思われますか。

企業がブランドと向き合ううえで、あまりおすすめしない進め方がいくつかあります。

まず一つは、表現から考えることです。ロゴやWeb、広告などのアウトプットを先に決め、その後で意味づけを行う。この順番では見た目は整っても、事業の方向性や提供価値とズレが生まれやすく、結果として発信の軸がぶれてしまいます。

もう一つは、他社の成功事例を参考にしすぎることです。「あの会社がうまくいっているから」と同じ打ち出し方をすると、自社らしさが薄れ、比較されやすい状態になります。結果として、価格や条件で選ばれる構造から抜け出せなくなります。

実際にBOUにご相談いただく企業の多くは、制作や広告に投資してきたものの、「手応えがない」「何かがしっくりこない」と感じている状態です。原因の多くは、戦略の整理がないまま施策を積み重ねていることにあります。

ブランディングで最も重要なのは、何をつくるかではなく、なぜそれを行うのかを明確にすることです。施策から始めるのではなく、事業の意味や提供価値を整理するところから考えることをおすすめします。

BOUが果たす役割と、他社にはない強みを教えてください。

BOUの役割を一言で表すと、「企業の考えを翻訳すること」です。

企業の成長が止まるとき、多くの場合、社内と社外の両方で“伝わらない”状態が起きています。

社内では、経営の考えや事業の方向性が、現場の判断基準として共有されていないことがあります。営業、採用、マーケティングなど、それぞれが個別の判断で動くようになり、組織全体としてのメッセージや動きにズレが生まれます。その結果、施策ごとの最適化は進んでも、会社としての一貫性が失われていきます。

一方で社外では、提供している価値と、市場からの認識が一致していない状態が起きています。強みや特徴がうまく伝わらず、価格や知名度といった比較軸で判断されてしまう。事業の実力と、選ばれ方の間にギャップが生まれてしまいます。

社内と社外で起きている問題は違って見えますが、本質は同じです。企業が何を大切にし、どのような価値を提供しているのかという“意味”が、共通言語になっていないことにあります。

BOUではまず、事業の目的や判断基準、顧客への提供価値を整理し、「この会社は何を軸に動く会社なのか」を言語化します。そしてその言葉が、社内では判断基準として使われ、社外では一貫したメッセージとして伝わる状態をつくります。

翻訳とは、言い換えることではありません。経営の考えを、組織が動ける言葉に変え、市場に正しく伝わる形に整えることです。社内の意思決定と、社外での選ばれ方。その両方をそろえることが、BOUが提供している価値です。

どのような方にBOUのサービスを届けたいとお考えですか。

率直に申し上げると、最も力になりたいのは、「事業には自信があるのに、伝え方に確信が持てない」と悩んでいる企業です。
サービスの質は高い、顧客からの評価も悪くない。それでも、なぜか伸びきらない。営業資料、Web、採用、それぞれ頑張っているのに、全体としての手応えがない。そうした状況の企業とお話しすると、まだ整理されていない価値が必ず見つかります。

また、「制作会社に依頼してきたけれど、どこかしっくりこない」「広告を出しているが、会社の本質とズレている気がする」と感じている経営者の方にも、ぜひ一度ご相談いただきたいと思っています。多くの場合、問題は施策ではなく、事業・ブランド・マーケティングの軸が一本になっていないことにあります。

私たちは、表現を増やすための会社ではありません。企業の中にすでにある価値を見つけ、経営の言葉として整理し、社内外に通じる形にする会社です。もし、「このままの伝え方でいいのか」と少しでも感じているのであれば、それは整理するタイミングだと思います。その違和感の段階から、積極的に一緒に考えていきたいと考えています。

今後の目標やビジョンについて教えてください。

私たちが目指しているのは、企業の「違い」が一言で伝わり、その理解のもとで選ばれる社会です。
今はまだ、優れたサービスや技術を持っていても、知名度や価格で比較されてしまう企業が少なくありません。本来評価されるべき価値が、十分に理解されないまま埋もれてしまっている状況は、企業にとっても社会にとっても大きな損失だと感じています。

もし企業の価値が正しく言語化され、社内外で共有されるようになれば、意思決定はもっと速くなり、組織の方向性もそろいます。そして市場においても、比較ではなく理解で選ばれる関係が増えていきます。

その先にあるのは、「良い会社が、正しく成長する社会」だと思っています。伝え方がうまい会社ではなく、本質的に価値を提供している会社が評価される状態です。BOUは、その前提となる“意味を整える仕事”を通じて、企業の成長だけでなく、選ばれ方そのものを変えていきたいと考えています。

この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

この記事を読んでくださっている方の中には、「ブランディングが必要だとは思うけれど、何から手をつければいいのか分からない」と感じている経営者やご担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もし、制作や広告を増やしているのに手応えがない。社内で言っていることが部署ごとに違う。競合との差をうまく説明できない。あるいは、「自社の強みはこれだ」と言い切れる状態にまだなっていない。そう感じているのであれば、それは能力や努力の問題ではなく、整理の問題かもしれません。

多くの企業は、価値がないのではなく、価値が言葉になっていないだけです。私たちは、その言葉を一緒に見つけるところから始めます。

つくる前に、企む。

もし今、「このままでいいのか」と少しでも感じているのであれば、その違和感はきっと、次の成長の入口だと思います。そのタイミングでご相談いただける存在でありたいと考えています。

株式会社BOUロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社BOU(ボウ)

代表者 : 冨澤 智理

所在地 : 東京都渋谷区本町5-20-12 SBFコート渋谷本町 2002

設立  : 2025年1月14日

事業内容:
・ブランディング・PR戦略事業
ブランディング戦略、デザイン戦略、マーケティング戦略 等
クリエイティブ戦略に関連する業務
・メディアコンテンツ制作事業
記事制作、デザイン制作、映像制作、ウェブメディア制作 等
コンテンツ制作に関連する業務

URL  : https://bou-inc.co.jp/

 

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