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【株式会社 xenodata lab.】
関 洋二郎社長インタビュー

【株式会社 xenodata lab.】<br>関 洋二郎社長インタビュー

慶應義塾大学商学部在学中に公認会計士二次試験に合格。在学中よりあらた監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)にて、メーカー、小売、卸売業を中心に上場・未上場企業の財務諸表監査、内部統制監査、システム監査、データ監査など幅広い監査業務に従事。
2012年に株式会社ユーザベースへ入社し、SPEEDA事業の事業開発部責任者として市場調査、プロダクト戦略立案、データサプライヤーとのアライアンス、仕様設計から運用までを統括。2013年には全社員投票によるMVPを受賞。

 xenodata lab.を創業された経緯を教えてください。

創業のきっかけは、前職の株式会社ユーザベースでの経験にあります。私は「SPEEDA」というサービスで、世界中の経済情報を集めて検索できるプラットフォームの事業開発責任者を務めていました。日本だけでなく海外やアジアへと横に広がっていく方向性がある中で、私はデータを使って未来を予測していく方向に強い可能性を感じていました。

2014年頃、日本ではまだAIがSFの話のように扱われていた時代に、海外で経済データとAIを組み合わせた革新的なビジネスを展開している企業の記事を読み、「これだ!」と確信しました。経済データとAI、特に深層学習や機械学習を組み合わせれば、新しい産業が立ち上がる。それがものすごくワクワクして、自分でやってみたいという気持ちが強くなり、2016年にxenodata lab.を立ち上げました。

私自身、公認会計士として、監査法人でITを使った監査やデータを扱った監査に携わる中で、財務とITの親和性の高さを実感していました。会計士時代からデータ監査で数億レコードの会計データを扱い、ユーザベースでは財務モデルの設計も行っていたので、この二つの経験が今の事業につながっています。

xenodata lab.の詳しい事業内容や強みを教えてください。

当社は、AIを活用した経済予測プラットフォーム「xenoBrain」を開発・提供しています。世界中から経済ニュースを収集し、それぞれの情報の因果関係をAIで自動解析することで、今後の企業業績や市場動向を予測するサービスです。

具体的には、約2,000万本のニュースと7万本の統計データを学習させ、国内約50万社、新興分野やニッチ領域を含めた1.5万業界の短期・長期の動向について予測結果を提供しています。さらに、原油やアルミなど原材料価格の市況予測、お客様の自社保有データをAIで分析するサービスも展開しています。

強みは大きく二つあります。一つ目は、6万を超える経済指標を毎週自動予測しているという点です。これだけ多岐にわたる指標を同時に、かつ継続的に予測している会社は他にありません。二つ目は、「説明可能なAI」により予測根拠の分析を可能にしていることです。単に「上がる」「下がる」という予測だけでなく、なぜそうなるのかという因果関係を可視化できるため、経営判断の材料として活用しやすいという特長があります。

株式会社 xenodata lab.イメージ1

xenodata lab.が提供するサービスの独自性・競争優位性はどこにあるとお考えですか?

最大の独自性は、「経済×予測」という領域に特化していることです。経済データを収集してExcelで見やすくするのではなく、AIを使って経済の将来を予測する。この非常に専門的なドメインにフォーカスしている会社は、世界を見渡してもほとんど存在しません。

技術面での競争優位性としては、経済予測に特化した予測AIというのはもちろんですが、そのバックグラウンドとして利用している経済分析専門の言語モデル「SPECKTLAM(スペクトラム)」を独自開発していることが挙げられます。汎用的なLLMではなく、経済に特化することで、限られたリソースでも大手と差別化できる戦い方を実現しています。

また、予測精度や解釈性を高める技術も独自のアイデアで構築してきました。従来の時系列予測モデルでは対応できない複雑な経済指標の予測を、独自のアルゴリズムとデータ処理の工夫で実現しています。これらの技術は、長年の試行錯誤の結果として蓄積されたものであり、他社が簡単に真似できるものではないと自負しています。

株式会社 xenodata lab.イメージ3

xenodata lab.を運営される上で大切にされていることを教えてください。

最も大切にしているのは、「長期的な目線で本質的な価値に向き合い続ける」ということです。経済予測は正解がなく、どこまで精度を上げられるのかを日々試行錯誤しています。永遠に解けない命題に挑み続けることが必要な事業なので、それに合った長期的な目線を持つ組織を作ることを大切に考えています。

事業運営においては、テクノロジードリブンの姿勢を貫いています。創業以来フルリモートを徹底しており、社員一人ひとりが自律的に働き、チームに貢献しようとする文化が根付いています。

経済予測AIの進化は、5年後・10年後に企業活動へどのようなインパクトを与えると見ていますか?

5年後、10年後には、「未来とは分析するものではなく、検索するもの」という世界観が当たり前になると考えています。今はまだ、人がデータを見て自ら判断するのが主流ですが、AIが経済を予測し、それをもとに人が行動を決めるという時代が必ず来ます。

具体的には、経営者や経営層がAIの予測を見て意思決定する世界の実現です。製造業であれば、原料や製品市場の様々なデータを収集してエクセルで計算するのではなく、「来年の鉄鋼価格」と検索すれば予測結果がすぐに表示される。そんな世界です。

これまで経済の将来予測は専門家の能力に大きく依存しており、相当な時間と高度なスキルが必要でした。AIによる経済予測が普及することで、この暗黙知が可視化され、誰もがそのナレッジを活用できるようになる。私たちはこれを「分析の民主化」と呼んでいます。多くの企業が予測データを基に新しい事業にチャレンジできるようになり、意思決定のクオリティが向上することで、業界全体、ひいては社会が前に進んでいくきっかけになると確信しています。

株式会社 xenodata lab.イメージ2

どのような方にxenodata lab.のサービスを届けたいですか?

まずは、不確実な時代の中で経営判断に苦慮されている企業の経営企画・営業企画・調達部門・事業開発部門の方々です。資材価格の高騰や物価上昇への対応、新規サプライヤーの開拓、リスク管理など、様々な場面でxenoBrainをご活用いただいています。

金融機関やコンサルティングファームの方々にも、企業のリスク調査や経営支援のツールとして導入いただいています。営業のターゲティングリストの作成など、業績予測を活用した新しい使い方も広がっています。

将来的には、大企業だけでなく中小企業の皆様にも経済予測の恩恵を届けたいと考えています。そしてさらに先には、個人投資家の方々や、日常の意思決定にも活用いただける形を目指しています。経済予測を特別なものではなく、誰もがアクセスできるインフラのようなものにしていきたいというのが私たちのビジョンです。

今後の目標やビジョンを教えてください。

短中期的な目標は、まず大企業向けのBtoB領域で確実に勝ち切ることです。現在、事業の拡大と組織基盤の強化を進めています。

その先の展開としては、中小企業向けにサービスを拡大し、AI予測をより多くの企業に届けられるようにすること。そして将来的にはBtoC領域にも進出し、投資や日常の意思決定など、より広い場面で予測を役立てられる世界を実現したいと考えています。

最終的なビジョンは、世界中の様々な変化をニュースになる前のデータを含めて取得し、当社にすべてのデータが集まり、あらゆる予測ができるという状態を作ることです。一番最初に、かつ一番正確に予測を出せる会社になることが目標です。そしてその予測情報の説得力を持たせるため、将来的には自社での投資や融資への参入も視野に入れています。

この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

私たちxenodata lab.は、「経済予測の民主化」という大きなビジョンに向けて挑戦を続けています。

AIによる経済予測は、これまで一部の専門家にしかできなかったことを、誰もが活用できるようにする可能性を秘めています。未来を100%見通すことはできません。しかし、統計的に最適な予測を誰でも手軽に手に入れるということはAIにより実現できるところは大きいです。私たちは、企業の皆様が自信を持って新しい挑戦に踏み出せるよう、その解像度を高めるお手伝いをしていきたいと考えています。

この挑戦に共感し、一緒にワクワクしながら世の中を変えていきたいという方がいらっしゃれば、ぜひお声がけください。私たちの取り組みが、皆様のビジネスや社会全体をより良い方向に導く一助となれば幸いです。
株式会社 xenodata lab.ロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社 xenodata lab.

代表者 : 関 洋二郎

所在地 : 東京都台東区東上野三丁目10番4号グローシア上野302

設立  : 2016年2月12日

従業員数: 30名

事業内容: 経済分析特化のLLMを駆使した経済予測AIプラットフォーム「xenoBrain」を運営

URL  : https://www.xenodata-lab.com/

 

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