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【株式会社 パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティング】
前田 利継社長インタビュー

【株式会社 パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティング】<br>前田 利継社長インタビュー

UCバークレー大学院卒業 (ジャーナリズム修士)。 国際メディア・ジャーナリズム業界で約30年の経験と実績を持つ、グローバルメディアとコミュニケーションの専門家。

日本とアメリカを中心に、ジャパンタイムズ、ロイター通信、AP通信、 New York Newsday、中国CCTVなど、国内外のテレビ・新聞・通信社で記者やTVプロデューサー、特派員として活躍。2010年に株式会社 パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティング (PBMC) を設立。グローバル企業や政府機関の海外メディア・広報(PR)戦略や外国語でのコンテンツ制作を支援している。

2022年には、スタートアップなどが提供する社会・環境問題への「ソリューション(解決策)」について世界に伝える多言語メディア JStories を立ち上げ、初代編集長に就任。世界160カ国以上の視聴者に、日本発のイノベーション関連情報を配信している。2024年からは、台湾のスタートアップ支援ブランド「Startup Island TAIWAN」の日本での共同代表も務め、クロスボーダーのスタートアップ支援に力を注ぐ。

J-WAVE(81.3FM)の情報番組「JAM THE PLANET」にも定期的に出演し、世界のニュースを解説。 元・駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部非常勤講師(ジャーナリズム)。

前田社長の学生時代や前職でのご経験・ご経歴を教えてください。

私は東京で高校まで海外とは全く縁がない環境で育ちましたが、大学の時に交換留学生として選ばれて米国のテネシー州に1年間学びました。小さな大学でしたが、英語を学びに来ている中南米出身の留学生も多く、学生寮での私のルームメートや友人はほとんどがスペイン語圏の人たちでした。自然に私もスペイン語を覚えるようになり、その後日本に帰国する前に当時持っていた古い車(スバル)で、どこまでアメリカ大陸を南下できるかを試してみたくなりました。

1ドルで買ったコンパスをクルマの天井に貼り付けて、現地で知り合った友人と二人でアメリカを出発。南(South)に向かってひたすら2ヶ月半かけて、16,000キロを走破。南米最南端のアルゼンチンまで到着しました。20歳の時でした。その旅の中で、南米の人々の人懐っこさや優しさから、子どもたちの貧困、警察官たちの汚職まで、日本やアメリカでは見たことがなかったようなことをたくさん体験し、そのことを世界に伝えたいと思うようになりました。

しかし、当時(1993年)にはインターネットやブログ、ソーシャルメディアなどはまだ存在しておらず、自分が見たり聞いたりしたことを広く伝えるには大手メディアに入る選択肢しかありませんでした

大学を卒業後、テレビの制作会社やAP通信社の東京支局などでの下積みを経て、英字新聞のジャパンタイムズで記者となりました。その後再び渡米し、カリフォルニア州立大学バークレー校(UC バークレー)の大学院を経て、アメリカのAP通信社サンフランシスコ支局や南カリフォルニアの新聞社などで記者として勤務。2005年から東京に戻り、ロイター通信の東京支局でテレビニュースのプロデューサーや特派員を務めました。

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パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティングを創業された経緯を教えてください。

37歳の時に娘が生まれ、鉄砲玉のように飛び出していってニュース現場を駆け巡る生活と子育ては両立できないと感じたことが一つです。また、それまでにニュースの世界で日本のことを世界に英語で伝える仕事をしてきましたので、その中で培ってきたノウハウや技術を海外にストーリーを伝えたい日本人や日本企業の方々のために役立てることができそうだと思ったからです。

具体的には、テレビの世界では「テレプロンプター」というアナウンサーなどが使う機材があります。いまでこそ総理大臣なども会見で使うようになりましたが、2000年代の頃はこれをビジネスの世界で活用したらさぞかし便利だろうとずっと思っていました。例えば、企業の幹部が英語でメッセージ発信やプレゼンをしたい時など、大変役に立ちます。

また、多くのグローバル企業がYouTubeなどで「オウンドメディア」を持つ時代となったこともあり、そこで世界に向けて配信するための英語での動画コンテンツ制作をお手伝いするようになりました。

英語コンテンツは、質の高いものであればブランド力を向上させることができる一方、質の低いものは逆にブランド力を毀損することにも繋がります。ロイター通信などで常に世界基準で制作をしてきた弊社チームのグローバルコンテンツ制作力は、多くの国際企業やメディア、政府機関から高い評価をいただいてきました。

質の高い動画をはじめとする海外向けコンテンツ制作力と、英語・日本語を中心とする語学・コミュニケーション能力、さらに近年では国際イベントや海外VIPの記者会見などを企画・運営する国際PRのサービスも加わり、「英語+イベント+コンテンツ制作+掲載・配信」のワンストップサービスとして多くの企業や政府機関を現在、支援させていただいております。

理念やビジョンに込めた想いと具体的に取り組まれている事を教えてください。

弊社は「信頼されるコンテンツで、世界をつなぐ」ことをミッションとしています。この想いは、創業時から変わらないどころか、さらに強まっていく一方です。

SNS上で事実関係や根拠があいまいな「誤情報」「偽情報」が溢れかえり、さらに生成AIによって「事実」と「捏造」の区別ができないような時代に加速度的になってしまっている現在、私たちが大切にしている「一次情報」に基づいた正確な情報発信は社会的な意義を増していると感じます。

私たちのようなジャーナリズム出身者が行うような、インタビューを軸に現場から「生の声」を発信することはAIには不得意な分野であり、このような日本から世界への「一次情報の発信」が私たちの存在意義だと感じています。

パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティングの詳しい事業内容や強みを教えてください。

私たちチームは、日本や海外のグローバル企業や政府機関を、コンテンツ制作と海外PRの両面から総合的に支援しています。

オウンドメディアを持っている企業や政府機関は多いですが、英語と日本語の両方で質の高いコンテンツを社内で制作できるような組織は稀です。弊社はそのようなニーズに応え、多言語を扱う国際コンテンツ制作チームが、クライアントのオウンドメディアのみならず海外PR、IR(投資家向け)、メディア配布、社内コミュニケーションなど様々な目的で必要とされる動画やテキストのコンテンツを、英語を中心とする様々な言語で企画・制作しています。

また、企業向け・政府機関向け共に、しっかりと海外に本来の価値を伝え、さらにその価値やブランド力を高めることができるコンテンツを提供させていただいています。

JStories を立ち上げられた理由と、日本初の「ソリューション特化型メディア」を選択された背景を教えてください。

ロイター通信でお世話になった先輩記者と、次のような会話をしたのがきっかけでした。「私たちはニュースを伝える立場として数多くの社会的な『問題』を指摘してきたが、それらの問題の『解決』に取り組んでいる人々のことはほとんど伝えてこなかったのではないか?」

特に、ロイター通信のような海外メディアは記者の数や海外視聴者の関心の範囲が限られていることもあり、まだ起業したばかりのいわゆる「アーリー・ステージ」の日本人起業家の話題を海外に伝えることは基本的には皆無です。

では、私たちでそのようなメディアを作り、社会や環境問題の解決に向けて熱い情熱と高い志を持ってがんばっている日本の起業家のことを英語で世界に伝えたら良いのではないか?そうすることで、彼らも海外でそれらの「ソリューション(解決策」」を必要としている人々や、支援に興味を持つ外国人投資家、事業会社、海外メディアなどと繋がれるのではないか?

このような思いから、2022年に“JStories”を立ち上げ、「問題」ではなく「ソリューション」にフォーカスを当てるという想いから「ソリューション特化型メディア」と呼ぶことにしました。実際始めてみると、アメリカやヨーロッパのメディアでも同様の動きがあることがわかりました。

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国内企業を多数取材する中で痛感された「日本企業の海外向け発信力の弱さ」とは、具体的にどのような点に表れていたのでしょうか。

まず、ホームページなど基本的な紹介材料が英語になっていない、あるいは、もし英語版があっても稚拙な英語であるためにブランドを毀損している、という現状がよくあります。

また、日本はある程度国内市場が大きいので、海外に積極的に情報発信をして新規市場を開拓していく必要性に迫られることが、他のアジアの企業などと比べて少ないのかもしれません。しかしながら、このような環境が「日本企業が国際化できない」「情報発信が弱い」背景にあるようです。

動画にしても記事スタイルの文書にしても、日本語のものをただ直訳して英語化する、いわゆる「縦のものを横にする」だけの英語化ではなかなか海外の人々の心に響きません。現地の目線を入れ込まないと、共感を得ることが難しいのです。直訳は、情報発信する側の自己満足にすぎず、相手への配慮にかけると同時に、ブランドを毀損するリスクも生じます。

日本のスタートアップが海外進出する上で、最も欠けている「情報」または「接点」は何だと考えていますか。

スタートアップやその創業者の詳細などについて、英語あるいは現地語でしっかりと記事化されていない(第3者によって客観的に伝えられていない)ために、海外で理解や信頼を得られにくいという状況が良くあるのではないかと思います。

特に投資家が創業して間もない起業家に投資をする時には、まだそのスタートアップは結果を出していないわけですから、その創業者のことを「好きかどうか」、その創業者に対して「共感し、応援したい」と思えるかどうか、がカギとなります。その際、数字よりもむしろその創業者の「人となり」や「情熱」についての情報が大事となり、それらの情報が国際標準語である英語になっていると海外での理解や共感が得られやすいでしょう。

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世界に向けて日本のイノベーションを発信する上で、”JStories” が今後さらに強化したい機能・取り組みは何でしょうか。

JStories では、起業家やスタートアップについて国境を超えて海外に紹介するコンテンツを制作・配信するだけではなく、次のステップとしてマッチング機能を強化することを考えています。

現在でも、編集部にはいろいろな国の読者から、彼らが読んだ日本のスタートアップの製品やサービスについての問い合わせをいただきます。「それらのサービスについてもっと知りたい」、「デモを見てみたい」、「購入したい」、「いつ自分たちの国で発売開始になるかを知りたい」、といった内容です。

このような問い合わせを、世界のどこからでも日本国内の取材先に直接できるようにするような機能を”JStories” 上で作れたらと考えています。また、そのようなクロスボーダーのコミュニケーション機能やマッチング機能が発展すれば、将来的には海外からの投資や国際M&A案件の成立などにも繋がっていくことでしょう。

今後、地方企業や中小スタートアップをより多く取り上げていくために、メディアとしてどのような支援体制を構築したいと考えていますか。

日本の地方には素晴らしい基礎技術やアイデア、また職人さんたちの工房が多くあるにも関わらず、海外との情報や人の交流が少ないために、海外から見るとInvisible(見えない状態)であったり、後継者不足で事業が廃止されてしまうケースも増えています。

JStories としては、このような地方企業や有望スタートアップの状況に詳しい地元の地方銀行や地方新聞社との連携を深め、コンテンツ化を進めていきたいと考えています。地方のエコシステム全体が盛り上がっていくような方向で、有望な地方の企業やスタートアップを開拓し、彼らの情熱とミッションを海外へ伝えていきます

最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

AIを使って翻訳などは瞬時に行うことできる時代となり、海外とのクロスボーダー取引や情報交換のハードルはかつてないほどに下がってきました。そのような時代だからこそ、どんどん海外に気楽に情報発信をして、皆様のストーリーを積極的に伝えていっていただきたいと思います。その中で、もしプロフェショナルによる支援が必要となった場合は、ぜひご一報いただければ幸いです

PBMCロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社 パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティング

代表者 : 前田 利継

所在地 : 東京都港区虎ノ門4丁目3-1 城山トラストタワー22階

設立  : 2010年6月

従業員数: 20名

事業内容:
・国内・海外向け各種メディアコンテンツの企画制作
・企業メディア運営、クロスボーダー PR / IRの戦略構築と総合支援
・多言語イベント、記者会見の企画・運営
・国際ニュースプラットフォームの運営

URL  : https://pacificbridge.jp

設立15周年記念動画

 

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