【エヌエス・テック株式会社】
高橋 広也取締役インタビュー
私たちの経営理念の根幹にあるのは、社是『信頼と創造力 真実を求め 社会に貢献』という言葉です。
「信頼」「創造力」「真実」「社会貢献」——この4つは、単なるスローガンではありません。創業以来、私たちが事業を通じて社会と向き合ってきた中で、自然と培われてきた価値観そのものです。
特に大切にしているのが「信頼」です。お客さまはもちろん、社員・従業員、そして社会全体から信頼される企業であること。これは、どれだけ時代が変わっても揺るがない、私たちの原点です。
そしてその信頼を守り続けるために欠かせないのが「創造力」です。現状に満足せず、常に革新し続ける姿勢があってこそ、信頼は積み重なっていくと考えています。
経営理念とは、掲げるものではなく、日々の行動で体現するものだと思っています。働く人を大切にし、社会から必要とされる企業であり続けることが、私たちの使命だと捉えています。

製造業向け人材サービスにおける私たちの強みは、大きく2つあります。
ひとつは、お客さまの生産変動に柔軟に対応できることです。
製造業においては、繁忙期と閑散期で必要な労働力が大きく変動します。私たちは、その波に合わせて人材を迅速に提供・調整することができるため、お客さまにとっては固定費ではなく変動費として人材を活用できる。これは、経営の安定と効率化に直結する、非常に実用的な価値だと考えています。
もうひとつは、働く人を守る仕組みを持っていることです。
人材サービスの課題として、雇用の不安定さがよく挙げられます。しかし私たちは、複数の地域・企業と幅広く契約を結んでいるため、ある現場での業務が終了しても、次の就業先をスムーズにご用意できます。働く人が雇用の空白を生じさせることなく、継続して活躍できる環境を整えていることが、私たちの大きな特徴です。
付随して、他の現場で一定数の経験を積んだ方を配置することにも繋がります。即戦力となる人材が現場に配属する事で、お客さまの生産品質を落とすことなく、スムーズな立ち上がりを実現できる。
これもまた、長年この事業に向き合ってきた私たちだからこそ提供できる価値です。
私たちの独自性は、『育てて送り出す』という仕組みを自社で持っていることです。
その象徴が、東海・東北に設けたトレーニングセンターです。
製造業が未経験の方でも、配属前に製造現場で使われる用語や工具の扱いを学んでいただける環境を整えています。現場に配属となった初日から即戦力として動ける人材を配属できるということは、単に人を紹介するだけの人材サービスとは、根本的に異なる点だと自負しています。
さらに、設備保全の分野では、在籍1年以上の従業員を対象に希望者を集い、機械保全技能士2級相当の座学・実技研修を実施しています。その修了者を設備保全要員として配属しているため、現場での即応力と品質の担保が実現できています。
また、国家資格の取得支援も行っており、実際に資格を取得した従業員も育っています。資格という形で、働く人自身のキャリアにも貢献できていることを、私たちは誇りに思っています。
もうひとつの強みが、地域を超えた労働力の供給です。
製造工場は地方に多く立地していますが、地方では慢性的な人手不足が課題となっています。私たちは地域外から人材を供給できるネットワークを持っているため、どの地域のお客さまにも安定した労働力をお届けすることができます。

人材マッチングの核となっているのが、私たちが運営する求人プラットフォーム『MONOキャリ』です。
現在、登録者数は約28,000名にのぼります。
お客さまからご依頼をいただく際には、まず必要なスキルや経験、配属条件などを丁寧にヒアリングし、この豊富な登録者データベースの中から要件にマッチする人材をピックアップしてご提案します。単なる人数合わせではなく、現場のニーズに本当に合った人材をお届けすることを大切にしています。
そして今年の3月2日、この『MONOキャリ』を大幅にリニューアルしました。これまで製造派遣に特化したプラットフォームでしたが、リニューアルによってさまざまな業種・職種の求人にも対応できるよう進化しています。
求職者の方にとっては、製造業にとどまらず、より幅広いキャリアの選択肢を提供できるようになりました。これにより、登録者層のさらなる拡大と、マッチング精度の向上を図っています。
全国各地に広がる登録者ネットワークと、進化し続けるプラットフォームを掛け合わせることで、どの地域のお客さまに対しても、安定した人材供給を実現できることが私たちの強みです。

製造業における人材不足は、年々深刻さを増しています。
国の統計データを見ても、製造業に携わる人口は明らかに減少傾向にあり、特に地方においてはその加速度が著しい。これは、私たちが日々の事業活動の中でも肌で感じていることです。
この課題の根底にあるのは、製造業そのものへのイメージも問題だと思っています。「きつい・汚い・危険」といった古いイメージが今もなお根強く残っており、若い世代が製造業を選択肢から外してしまっている現実があります。
しかし実際には、製造業は社会を支える、なくてはならない仕事です。私たちが日常で使うあらゆるものは、製造業の現場で生まれています。このことを、もっと社会に伝えていかなければならない。それは私たちエヌエス・テックだけの使命ではなく、業界全体で取り組むべき課題だと感じています。
私たちはその一つの役割を担おうとしています。未経験の方でも、製造業の知識がゼロの方でも、エヌエス・テックに来ていただければ、トレーニングセンターでの研修を通じて基礎からしっかりと育て、自信を持って現場に送り出す。その仕組みを整えることが、製造業の入り口を広げることに繋がると信じています。
人材が加速度的に減っていく時代だからこそ、製造業のイメージを変え、一人でも多くの方にこの仕事の魅力を知ってもらう。その一翼を、私たちが担っていきたいと思っています。

一言で言えば、『厳しく、そして温かく』ということでしょうか。これが、私が人と向き合う上で一貫して大切にしてきた姿勢です。これは私自身が大事にしていることでもあります。
私たちの事業の根幹は「人」です。お客さまに価値を届けるのも、現場を動かすのも、すべては人です。だからこそ、人を育てることに、私は誰よりも真剣でありたいと思っています。
厳しさとは、相手に妥協しないということです。できないことをできないままにしない。成長できる環境を整え、一人ひとりの可能性を引き出すために、時には厳しい言葉をかけることも必要だと思っています。
しかし同時に、その根底には必ず温かさがなければならない。不安を抱えながら新しい仕事に挑戦する人の気持ちに寄り添い、その歩みをそっと支える。そういう会社でありたいと思い続けています。
1973年の創業から50年以上、私たちが積み上げてきたものは、技術でも規模でもなく、人との信頼関係です。一人ひとりの成長が企業の成長につながる——この信念のもと、これからも人財育成を経営の中心に置き、共に歩んでいきたいと思っています。
どれだけ時代が変わっても、AIがどれだけ進化しても、現場で価値を生み出すのは人です。だからこそ、人を育てることへの投資を、私たちは決して惜しまないことを約束します。
長く安心して働いてもらうために、私たちは『生活・雇用・キャリア』の三つの軸で環境整備に取り組んでいます。
まず、生活基盤の安定という観点から、寮の提供や案件によっては送迎の手配も行っています。地方の工場に赴任する方にとって、住む場所や通勤手段の不安は非常に大きい。そこを会社がしっかりと支えることで、仕事に集中できる環境をつくっています。
次に、雇用の安定です。私たちは現在、無期雇用化を積極的に推進しています。「いつ契約が切れるかわからない」という不安は、働く人のモチベーションを大きく左右します。
長期的な視点で会社と従業員が共に歩んでいくために、雇用の安定は欠かせない基盤だと考えています。また、契約更新のスマートフォン対応や、社内業務のデジタル化も進めており、働く人の手続き負担を減らし、より働きやすい環境を整えています。
そして、処遇の改善です。1年・2年・3年という節目ごとの賃上げを実施するとともに、取引先への請求単価の値上げ交渉を粘り強く行い、その成果を派遣スタッフの給与アップに直接反映させています。
頑張りがきちんと報われる仕組みをつくることが、長く働き続けてもらうための最大の動機づけになると思っています。
さらに、キャリアパスの整備にも力を入れています。同じ職種に留まるだけでなく、本人の希望や適性に応じて職種を変更できる環境も整えており、一人ひとりが自分らしいキャリアを描けるよう、会社として伴走していきたいと考えています。
私たちが目指しているのは、単なる人材の供給会社ではなく、『人を育て、産業を支える会社』への進化です。
その核となるのが、東海・東北に設けたトレーニングセンターのさらなる活用です。
今年2月には東海トレーニングセンターが愛知県から事業内職業訓練(認定職業訓練)として正式に認定を受けました。これは、私たちの研修体制が公的に認められた証であり、会社としての大きな節目だと捉えています。
この認定により、在籍する派遣スタッフが体系的にスキルを磨ける環境がより一層整いました。
資格や技術を身につけた人材は、取引先にとってより高い付加価値を持つ存在となる。そしてそれは同時に、働く本人の収入アップにも直結します。企業・スタッフ・取引先、三者にとって価値のある仕組みを、ようやく形にできてきたと感じています。
今後は東海での認定をモデルケースとして、東北トレーニングセンターでも同様の認定取得を目指すとともに、研修内容のさらなる拡充にも取り組んでいきます。
より多くのスキル・技術を習得できる場として、トレーニングセンターを進化させ続けることが、直近の重要なテーマです。
最終的に私たちが目指すのは、日本のモノづくりの発展に寄与することです。
製造業を支える人材を育て、現場の技術力を高めていくことが、ひいては日本の産業競争力を守ることに繋がると信じています。エヌエス・テックという会社が、その一翼を担える存在であり続けることこそが、私たちの変わらぬビジョンです。


企業名 : エヌエス・テック株式会社
代表者 : 清水 浩二
所在地 : 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4-14-14
設立 : 1973年11月
従業員数: 1,400名
事業内容: 人材派遣事業・有料職業紹介事業・紹介予定派遣事業・エージェント事業・エンジニア事業
URL : https://www.nstec.co.jp/