社長 企業 製造

【エルティーアイ株式会社】
坂部 昌一社長インタビュー

【エルティーアイ株式会社】<br>坂部 昌一社長インタビュー

社長の学生時代や前職でのご経歴を教えてください。

19歳のとき、65台が参加した国内ラリー競技に出場し、当時の日本最年少記録で優勝しました。自動車レース専門誌『プレイドライブ』にも掲載されました。その後、プロドライバーの道には進まず、祖父が大正8年に創業した上場メーカーに就職しました。

技術開発部からスタートし、製造部、営業部を経て、37歳で海外子会社の社長に就任。帰国後、42歳で役員待遇の理事に就任しました。その後43歳で独立し、エルティーアイを創業しました。

余談ですが、私の曾祖父・坂部確(さかべたしか)は、幕末の桜田門外の変の際、井伊直弼公暗殺の報を京都(亀岡藩)へ届ける役を担い、通常1か月以上かかる江戸〜京都間を3日で早馬を乗り継ぎ飛ばして、当時の日本記録を打ち立てたと伝わっています。私のレースでの記録も、この曾祖父の血を受け継いでいるのかもしれません。

現在のお仕事を志したきっかけと創業の経緯を教えてください。

約27年前、前職に勤務する中で『 蓄光顔料 』と出会い、暗闇で光るその姿に魅せられたことがきっかけです。さっそく社内で開発チームを発足させ、材料および用途の開発を進めました。

決定的な転機となったのは、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ(9.11)です。
燃え盛る炎から逃れようと、やむなく高層ビルから飛び降りる人々をテレビで目撃し、大きな衝撃を受けました。「ビル火災時の停電による暗闇の中でも、光によって人々を安全かつ速やかに出口へ避難させたい」――この思いから会社設立を決意し、9.11の翌月となる2001年10月にエルティーアイを設立しました。

エルティーアイ株式会社イメージ4

企業名「エルティーアイ」に込めた想いを教えてください。

光で命を守る」をコンセプトに、光技術工業(Lighting Technology Industry)の頭文字L・T・Iを組み合わせて「エルティーアイ株式会社」と名付けました。

エルティーアイの理念を教えてください。

企業活動において最も重要視するテーマは、「人としての思いやり」です。

災害が起きた際、面識のない方々であっても、その安否を気遣い、被災者の命を確保するためにひたむきに、本気で取り組む集団でありたい。これこそがエルティーアイの本質であり、企業理念です。

古い表現かもしれませんが、「義理と人情と男気」を大切に、恩を受けた方々への感謝の気持ちを常に持ち続ける経営者でありたいと考えています。

これまでに直面された困難や課題、それをどのように乗り越えてこられたかを教えてください。

2002年に蓄光シートの開発に成功し、翌年には製造特許を取得しました。その製法を活かした蓄光標識も開発しましたが、当時の消防法では蓄光標識の設置は認められておらず、「電気式誘導灯のみ」が防災設備として認定されていました。そのため、当時はテープ(蓄光テープ)の販売しかできず、大変悔しい思いをしました。

蓄光テープの販売だけでは売上に限界があるため、前職で培った壁紙の製造技術を活かし、健康壁紙(珪藻土壁紙)を開発し販売していました。

そして「自社の蓄光標識を世に広めるには、消防法の改正が不可欠だ」と判断し、週5日、毎日国会(議員会館)へ足を運び、CO₂排出量ゼロの環境素材である蓄光標識の有効性を議員の方々に訴え続けました。その甲斐あって2009年に消防法が改正され、当社が開発した「蓄光式誘導標識」が正式な消防設備として認定。苦節8年目にして、ついに蓄光標識の本格販売が実現しました。

エルティーアイ株式会社イメージ3

全国への普及をどのように実現されましたか?

販売については代理店制を採用しており、稲畑産業、トッパン、阪和興業、山善グループ、クリヤマをはじめとする複数の上場企業との提携によって、全国規模の販売ネットワークを構築しています。

エルティーアイ株式会社イメージ1

導入実績として代表的な事例を教えてください。

セブン-イレブンでは、当時の社長・井阪隆一氏に蓄光標識のCO₂排出量ゼロという価値を認めていただき、全店舗(約2万店)への導入が決まりました。

また、総務省・文部科学省をはじめとする省庁でも比較的スムーズに導入が進み、民間企業ではトヨタ自動車の工場への採用がコマーシャルとなり、他の大手企業への採用が連鎖的に広がりました。以降も順調に採用件数を伸ばしています。

エルティーアイ株式会社イメージ2

エルティーアイで活躍している人材に共通する特徴や、人物像について教えてください。

Give & Give(ギブ・アンド・ギブ)」の精神を持っている人です。

『利他の心』――つまり自分よりもまずは相手の幸せ、自分よりもまずは他の人達の利得を先に考えて行動する人といえます。

自分の利益を優先する人間を誰も信用しませんし、誰もついてきません。私たちは、災害時に被災地の方々の命を守る集団です。奉仕の精神が備わった人間でないと務まらない仕事であり会社です。

現在、新たに挑戦されていることがあれば教えてください。

現在、約2年前からドイツの大手メーカーと共同で新たな開発に取り組んでいます。蓄光原料に含まれるレアアース(ユーロピウム)の効能を活用し、がん細胞をDNAの段階から修復する、副作用が極めて少ない抗がん剤の開発です。

まだ臨床試験の段階には至っていませんが、これもまさに「命を守る」というテーマの延長線上にあります。成功するまで挑戦し続けて参る所存です

企業概要

企業名 : エルティーアイ株式会社

代表者 : 坂部 昌一

所在地 : 京都市右京区梅ヶ畑引地町34-4

設立  : 2001年10月2日

事業内容:
1. 蓄光原料の開発・製造・販売業務
2. 蓄光原料を応用した高輝度蓄光式避難誘導製品等の企画・開発・製造・販売業務
3. フィルム製品、成形品、雑貨類の企画・開発・製造・販売業務
4. 上記各号に付帯する一切の業務および輸出入業務

URL  : https://www.ltic.co.jp/

 

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