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【株式会社フォー・レディー】
鯉渕登志子社長インタビュー

【株式会社フォー・レディー】<br>鯉渕登志子社長インタビュー

日本大学芸術学部を卒業後、アパレル業界団体でファッション経営情報誌の編集に携わり、カネボウファッション研究所を経て、1982年に株式会社フォー・レディーを設立。これまでに手がけた化粧品・ファッション通販企業は180社を超えます。
一貫して「女性を中心とした生活者」に寄り添い、消費者の実感から発想することを信条としてきました。
「自分が使って心から納得できるものを届けたい」という思いのもと、コンセプト設計からクリエイティブ制作までを一貫した流れで支援。日本通信販売協会などでの講演も多数行い、生活者視点のマーケティングを広く発信しています。

フォー・レディーを創業された経緯を教えてください。

大学を卒業した時代は、不景気の真っ只中でした。出版社を志望していましたが、なかなか難しく、「文章を書く仕事がしたい」という思いから、大学の先輩が運営していた婦人服業界団体の経営情報誌を制作する事務所に入社しました。そこが私のスタートです。
編集長はとても厳しい方で、短期間で辞めていく人が多い職場でしたが、私は「どこに行っても通用する人材になりたい」と思い、7年半続けました。夜中の3時まで原稿を書き、そこからさらに指導が始まるような日々でしたが、その経験で情報誌づくりの基礎や、経営者の考え方を学ぶことができました。
当時はまだ20代前半でしたが、アパレル業界の経営者に取材できたことがとても楽しかったです。業界団体という立場だったので、多くの社長様に直接お話を伺うことができました。
中でも忘れられないのは、松下幸之助さん(パナソニック創業者)の原稿を書かせていただいたことです。NHKで「日本は資源がない国だから、デザインや企画力で工夫して成長していくしかない」と語っておられ、その内容をアパレル業界の若い経営者にも伝えたいと思い、松下電工に書き起こした原稿を持参しました。すると秘書室の方が対応してくださり、ご本人の赤字を入れて戻してくださったのです。あの時代の経営者様たちは、経済界全体を支える心の広さをお持ちでした。
そうした経験を重ねるうちに、「自分の企画を自分で発信したい」という気持ちが強くなり、カネボウファッション研究所に転職しました。契約社員として働きながら独立の準備を進め、先輩カメラマンのスタジオの一角を借りて机を一つ置き、「フォー・レディー」と印刷した名刺を作ったのが、会社の始まりです。
創業から43年。あの時の小さな一歩が、今のフォー・レディーにつながり、これからも進化し続けます。

鯉渕登志子社長

「フォー・レディー」という社名にはどのような想いを込められたのですか?

当時、婦人服や服飾雑貨を扱う企業の多くは男性幹部が運営しており、実際に使う消費者=女性の意見が反映されないことに強い違和感を持っていました。「もっと女性の意見を聞くべき」「生活者の視点を経営に取り入れるべき」との思いを込めて、社名を“For Lady(女性のために)”としました。
ロゴは私自身がデザインしました。色は「気高さと意志の強さ」を象徴する紫。書体は、芯のある女性像をイメージしてゴシック系で引き締めました。
創業当時は「女性が会社をつくるなんて」と驚かれる時代でしたが、だからこそ“女性の時代を本当の意味で実現したい”という強い思いがありました。

フォー・レディーの理念を教えてください。

フォー・レディーの理念は「平等」です。立場や性別、年齢を超えて、誰もが尊重される社会をつくりたいという想いを、創業当時から大切にしています。
その考えを形にしたのが、40年前に作成した「フォー・レディー13カ条」です。いわば当社の社訓であり、「男女平等」「自己表現」「自主管理」など守るべき7項目と、「情報産業」「企画集団」「創造と想像」など挑戦すべき6項目から成り立っています。
当時は私自身まだ30代前半で、社員に守らせるというよりも、自分自身を律するために作りました。今読み返しても多くは現在でも通用しますが、「情報の扱い方」や「企画のあり方」は時代に合わせて進化させる必要があると感じています。
特に「創造と想像」の項目にある“思いやりの心がなければ良いクリエイティブの仕事はできない”という考え方は、今も変わりません。AIなど新しいツールが増えても、相手を想い、自分で考え、伝える力を磨く――その姿勢こそ、フォー・レディーが創業以来一貫して大切にしてきた理念です。

鯉渕登志子社長

フォー・レディーの事業内容と強みを教えてください。

フォー・レディーは、通販・化粧品・女性商材に特化した広告企画制作会社です。マーケティング戦略からクリエイティブ、CRM施策、セミナー、人材育成まで、企業の事業全体を支援しています。
最大の強みは、「女性=生活者」としての実感をもとにした提案力です。私たち自身が消費者として感じている“リアルな声”を出発点に、お客様調査やグループインタビュー、定性分析を行い、企業様にコミュニケーションの改善・改良のご提案をいたします。
また、データの裏側にある気持ちの変化や、言葉にならないニーズにも目を向けることを大切にしています。数字では測りきれない“本音”に耳を傾ける――それがフォー・レディーのモットーであり、成果につながる提案の原点です。

どのような企業にフォー・レディーの支援を届けたいとお考えですか?

女性向け商材やノンセクシャル商材を通販で販売されている企業、あるいは今後EC販売を強化したい企業様に、私たちのノウハウをお役立ていただきたいと考えています。
近年は通販と店舗を融合したハイブリッド型販売も増えており、弊社はオンラインとオフラインを一貫してサポートできる体制を整えています。特に化粧品分野では、これまでに180社以上の企業様をご支援してまいりました。「女性の本音をどう引き出し、どう共感を生むか」――その経験と知見は、どの業界でも活かすことができると考えています。

株式会社フォー・レディー ロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社フォー・レディー

代表者 : 鯉渕 登志子

所在地 : 東京都中央区銀座1-16-7 銀座大栄ビル9階

設立  : 1982年6月

従業員数: 14名

事業内容: 広告制作、マーケティング支援、コンサルティング

URL  : https://forlady.co.jp/

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