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【株式会社アニぴたる】
隅蔵亮社長インタビュー

【株式会社アニぴたる】<br>隅蔵亮社長インタビュー

現在のお仕事を志し、創業された経緯を教えてください。

私がオンライン相談サービスの会社を起業したのは、ペットを飼っていたときの体験が大きく影響しています。

社会人2年目、2016年頭頃に、独身の寂しさに耐えかねて私はペットを飼うことにしました。
そのときは会社の寮に住んでいたので、犬猫などは飼えずデグーというネズミを選びました。
デグーはゲージの中で飼うことが出来、ハムスターより賢くて活発で寿命は7年程と比較的長いことが知られています。
デグーにもいくつか品種があるんですが、我が家に迎え入れたのはパイドという種類のメスでした。
パイドのメス・・・スターウォーズ大好きな私は、これを略して「パドメ」と名付けました。伝わらない人はスルーしてくださいw

毎日家に帰ると、出来るだけ私に近づこうとゲージの角まで来て「キューキュー」と鳴くパドメ。
ゲージから出すと、私の肩に登ってきて大人しくしているパドメ。
本当によく懐いて楽しい日々が続きます。

しかし、飼育しているときにある気付きが起こります。ネットを検索しても、デグーの生態、しつけ方、フードの比較記事、飼育時のTipsなどなど飼い主が必要としている情報が全然出てきません。記事があっても、それはデグーの飼い主が経験的に書いた記事で信憑性が低かったり、パドメに当てはめて参考にして良いものか判断出来ないものばかりでした。

さらに、デグーを見てくれる獣医師も全然いません。豊富な経験をもとにデグーを含む小動物を診れる獣医さんと会うには、車で1時間以上走らなければいけませんでした。

デグーが咳をしていて苦しそうなのに、お世話になっている動物病院が閉まっているときもあり、そんな夜は本当に不安でした。
もっと遠いところにある小動物向けの動物病院に電話をしても、電話だとやっぱり上手く症状は伝わりません。

そして2020年9月、パドメが4才半になった頃、私が夜遅くに帰宅すると、明らかにパドメがぐったりしています。
そういえば先週くらいからちょっと餌の食いつきが悪いことを認識していましたが、その頃多忙なサラリーマン生活を送っていた私はそれをあまり重くは受け止めませんでした。
急いで病院を探すも、当然どこも閉まっています。24時間対応してくれる動物病院を見つけて電話をしてみると、小動物も見てくれる先生がたまたまいるとのこと。車で1時間以上かかりますが、その病院に急いで向かうことにしました。

車内でもパドメに声をかけ続けます。いつもならパッチリ開いている目も少ししか開いておらず、足をバタつかせ、呼吸も苦しそう。
早く病院に行きたいあまり、赤信号の時間がいつもの10倍100倍に感じます。
なんとか病院に着き、急いでパドメをお渡しして手を施してもらいます。

私も獣医師の横で声をかけ続けますが・・・・容態は悪化するばかり。30分程度でパドメは息を引き取ってしまいました。

4年半の楽しくて愛しい思い出がフラッシュバックし、立てない程泣き崩れた日を私は今でも忘れません。

気分が落ち着いてきたとき、
・獣医師には会わないと相談出来ない
・ちょっとした悩みを獣医さんに相談できる仕組みがない
・犬猫以外のペットを飼っている方向けの良質な情報がネットにない
・自分のペットをただ診れるだけでなく、豊富な知見・経験を基に的確なアドバイスをくれるレベルの獣医師を探す手段がない
こんな悩みをITの力で解決したいと強く思いました。

よくよく考えてみると、獣医師も動物病院のウリにマッチした集客をしたいはずです。
今はHPを作ったり看板を出したりしていますが、HPを見てくれるの待ち・病院に来てくれるの待ちになっていて、潜在する顧客に直接コンタクトを取れるサービスというのは今はありません。

そこで、飼い主さんがペットの困りごとを投稿すると、それに獣医さんが回答しつつ名前を知ってもらったり来院を誘導できるサービスを作ることにしました。アニぴたるのベースとなるサービスの誕生です。

また、解決したQ&Aはネット検索にも引っかかって、同様の悩みを抱える方にも見てもらえるようにし、獣医師を検索して回答履歴を見れば、その獣医師がどんな動物・病気に詳しい獣医師なのかが分かるようなプラットフォームを提供することにしました。

株式会社アニぴたる イメージ

隅蔵亮社長の学生時代や前職でのご経験・ご経歴を教えてください。

2013~2015
東京理科大学 大学院 理学研究科 応用数学専攻
数学屋としてデータサイエンスやプログラミングを用いたシミュレーションの研究をしておりました。

2015~2021
トヨタ自動車株式会社で、先進安全技術の開発や、新機能のシミュレーション環境構築、業務委託などの社外戦力の選定やプロジェクトマネージメントをしておりました。
最後の2年は東富士研究所に異動し、世界トップレベルを目指して自動運転技術の研究開発をしていました。

隅蔵亮社長がモチベーションを高める為に行われている事があれば教えてください。

寝ない時期が続いて、体調を崩したり、脳みそにモヤがかかってうまく思考できなくなったこともありますので、睡眠時間を確保することは大切にしております。

隅蔵亮社長が人生を歩む上で特に大切にしていることを教えてください。

常に謙虚でいること。上下関係など関係なく、別け隔てなく丁寧なコミュニケーションをすること。

誰に対してもフェアにコミュニケーションを取ることで、オープンな関係が築け、早いうちに課題認識をして解決ができたり、お客様からの相談を受けて新しい仕事に繋がったりするからです。

隅蔵亮社長の座右の銘・大切にしている言葉など教えてください。

死ぬこと以外かすり傷。
これまで資金的にとんでもない危機に陥ったときもあったし、SNSでプチ炎上したこともあったし、体調を崩してメンバーと音信不通になったこともありました。
そのときそのタイミングでは焦るしテンパるけれど、過ぎてしまえばただのエピソードに過ぎません。
最近は達観視する能力だけ長けてきて、目の前の問題を過小評価するところもあるので気をつけています。

企業名「株式会社アニぴたる」と企業ロゴに込めた想いを教えてください。

企業名であるアニぴたるは、アニマル ホスピタルの略で、「動物病院の一部の機能を代わりたい、動物病院をサポートする存在になりたい」という思いでつけました。

英語表記しやすいこと・五十音順の最初のアから始まること・造語であること・字面が可愛いこと・他のどの単語ともかぶらないことなど、小手先のテクニックも詰まった社名になっています。

また、企業ロゴは「どんな動物をも守ってあげられる存在になりたい」という想いをこめて、ひとつ屋根の下に色々な動物がいるイメージにしました。とても気に入っているロゴです。

株式会社アニぴたるの理念を教えてください。

Right vet for Right pet.

vetは獣医師を示す単語です。獣医師とペットが適材適所に組み合わさることで、よい動物医療が提供されるのです。

獣医師オンライン相談サービス「アニぴたる」のサービスの独自性や差別化について教えてください。

アニぴたるの中に獣医師図鑑という機能がありますが、これは「獣医師を得意分野で探せる日本で唯一の検索プラットフォーム」です。

また、アニぴたるのオンライン相談も、得意分野が明らかで動物病院の院長級の獣医師から回答がくる日本でも数少ないサービスです。

獣医師側においても、オンライン相談と集客が結びついている日本で唯一のサービスです。
他業界のサービスにも、サービス自体がSEOに強く、公開されたオンライン相談がストックされていってお客様の新規顧客増加・問い合わせ増加につながるというサービスはすでにあり、上場されている会社様もあります。

動物病院は基本的には、報酬をもらって診療をするという、いわゆる「フロー型」のビジネスをしていますが、動物医療のスキルを弊社のような「ストック型」のサービスに少しずつでも注ぐことで、将来的に大きなメリットを感じて頂けるサービス設計になっています。

他の特筆したポイントで言うと、「ペット オンライン相談」の検索クエリでは、サービスリリース1年程度で1位になりました。

とてつもない大企業のサービスサイトが上位にいたので、当初は「3位以内であれば良いや」なんて思っておりましたが、35位程度から1年で1位になれたことはすごく嬉しかったです。SEOの実績が自社のサービスサイトで示せていることもウリの1つかもしれません。

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株式会社アニぴたるの詳しい事業内容や強みを教えてください。

わかりやすいのはペットのオンライン相談・獣医師検索ですが、最も売上になっているのは動物病院のコンサルタントです。
動物病院の院長は、獣医学しか学んできておりません。マーケティングも広告もwebも労務も・・・体系的に学んだことはありません。
さらに悪いことに、ペットの数も飼育頭数もどんどん減っている一方で、動物病院は少しづつ増えていっています。
つまり、動物病院同士の競争が激しくなり、顧客に選ばれなくなったり採算が取れなくなる動物病院も増えてくるでしょう。
また、院長が意図せずに労務環境が悪化していたり極めて安価にスタッフが雇われているケースもあります。

動物病院という店舗を持っているわけですからGoogleマップでの表示を最適化したり、Google広告を出したり、HPのコンテンツを増やしたり、色々なプラットフォームに名前を載せたりするのが効果的ですが、そのような知識に長けていない先生方をサポートしたり自ら働きかけて手を動かしたりしています。

労務についても、院長と一緒に昇降給テーブルを作ったり、院長とスタッフが1on1を実施する仕組みを作るなど、人材定着や労務適正化のためのルール作りをサポートしています。

動物病院というのは、すごく閉鎖的で独特な業界であり、動物病院を束ねている何らかの組織に働きかけて一気に広めるということはほぼ不可能です。一軒一軒の動物病院に訪問して、お客様になってもらい、様々な情報を開示してもらい、実際にお役に立って信頼関係を結べているのが弊社の強みだと言えます。

貴社の獣医師オンライン相談サービス「アニぴたる」で解決できる問題などを教えてください。

飼い主側のメリットとしては、セカンドオピニオンや急ぎでない質問に対して、ある程度信用できる獣医師からクオリティの高い回答が来るのはメリットがあると思います。また、困りごとに合わせて獣医師を探すこともできます。
セカンドオピニオンというのは、現在のペット飼育に関して大変重要なキーワードです。
獣医師にもあまり詳しくない分野がそれぞれあったり、血液検査の結果から異常を見逃してしまったり、X線やMRIなどの画像をみて、気にしている部分に気を取られて異常を見逃すケースもあります。
人間がやっている以上、全てを完ぺきにこなすことが出来ないのは仕方がありません。

こういった血液検査データや画像、獣医師に言われたこと、処方された薬などを示してアニぴたるに相談すると、他の獣医師の見解を聞くことが出来たり、新たな治療法を提案してもらえたりします。
しかも、ラッキーなときは1つの相談投稿に対して3名の獣医師からそれぞれ見解を回答してもらえることもあり、これは他社様のサービスではあまりないアニぴたるならではの嬉しさかもしれません。

ペットに合った、最適の動物病院を選ぶためのポイントなど教えてください。

大前提として、飼い主自身もさまざまな知識を身につけ、それを獣医師に伝達し、説明を求め、自身の判断に責任を持つ必要があります。

そうなると、獣医師の選定においても、責任を持って今の困りごとにあった獣医師を知る必要があるでしょう。

「私は詳しくないから、家から最も近い動物病院の獣医師に全て任せておけば良い」という考え方では、よい動物医療を享受することはできません。

人間医療では、かかりつけの内科医・かかりつけの歯科医・かかりつけの眼科医、、などを把握しているはずです。
目が痛いのに内科医に見せに行ったり、体調不良の程度によらず大型の大学病院に行くような人はいないでしょう。

動物医療でも、大半の獣医師は何かしらの分野で専門性を持っているものです。
最寄りの動物病院では健康診断やワクチン、それ以外は眼科に詳しい先生や歯科に詳しい先生など、3~4人くらいの獣医師に1匹の動物飼育を支えてもらうという構図を作れるとベストです。

病院間では原則としてカルテの共有はしていませんので、紹介状を書いてもらったり、獣医師には言われたことを腹落ちして理解できるまで質問をぶつけて、言われたことを記録しておく必要があるでしょう。

そういった管理を丁寧にするのが真のペット飼育だと考えます。
かわいい・癒やし、だけを享受するだけではペット飼育の責任を全うしているとは言えないのです。

今後の目標やビジョンを教えてください。

これから新しい機能やサービスをどんどんリリースして参ります。
すべては「Right vet for Right pet.」につながっています。

株式会社アニぴたる ロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社アニぴたる

代表者 : 隅蔵 亮

所在地 : 東京都中央区銀座6-13-16 銀座ウォールビル5F

設立  : 2021年1月

従業員数: 15人(業務委託など含む)

事業内容: ペットのオンライン相談・獣医師検索・動物病院コンサルタント・社会貢献事業

URL  : https://anipital.com/

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