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【Newbee株式会社】蜂須賀 大貴社長インタビュー

【Newbee株式会社】蜂須賀 大貴社長インタビュー

蜂須賀社長の前職でのご経験・ご経歴を教えてください。

株式会社IMAGICA、現在のIMAGICA Lab.でエンジニアとしてキャリアをスタートしました。
AWSやRuby on Railsなどを使った開発に携わるなかで、次第に「どう作るか」だけではなく、「なぜ作るのか」「誰に、どのような価値を届けるのか」に関心が移っていきました。

2013~2014年頃から、現在でいうプロダクトマネージャーに近い役割を担うようになりました。当時は、まだ日本で「プロダクトマネージャー」という言葉がそれほど浸透していなかった時期です。先に仕事があり、後から「これはプロダクトマネジメントという仕事なのだ」と知った感覚に近いです。

その後は、フリーランスとして複数社のプロダクト開発を支援し、株式会社サイカでは新規プロダクトのHead of Productとして、プロダクト戦略の立案と実行をリードしました。

PIVOT株式会社では、ビジネス映像メディア「PIVOT」のWeb・アプリ開発責任者を務めました。開発組織の1人目として参画し、プロダクト開発だけでなく、採用、組織設計、カルチャー形成、番組企画、出演、ユーザーとのコミュニケーションまで幅広く担当しました。

2025年3月にNewbee株式会社を創業し、現在はテクノロジーメディア「Newbee」の運営、映像・ブランディングコンテンツの制作、外部CPOとしてのプロダクト戦略・開発支援を行っています。

これまでのキャリアの中で、現在の仕事や考え方につながった転機となる出来事を教えてください。

一つの大きな転機は、エンジニアとして働くなかで、「技術的に正しいものを作るだけでは、事業もプロダクトも成功しない」と実感したことです。

例えば、画面の表示速度一つを決める場合でも、技術的に何秒まで短縮できるかだけではなく、ユーザーが何秒まで待てるのか、その改善にどれだけの事業的価値があるのかまで考える必要があります。
技術だけでも、ビジネスだけでも、良い意思決定はできません。

そこから、開発だけでなく、顧客リサーチ、事業戦略、マーケティング、採用、組織づくりへと、自分の責任範囲を少しずつ広げてきました。

もう一つの転機は、PIVOTで開発組織をゼロから立ち上げた経験です。
最初は私一人だった組織が拡大するなかで、個人として成果を出すだけではなく、チームとして成果を出し続ける仕組みを作る必要が生まれました。採用や育成、権限移譲、他職種との連携まで含めて考えなければ、プロダクトは成長しません。

こうした経験から、現在はプロダクトマネジメントを特定の職種の仕事ではなく、事業成果に対して責任を引き受ける姿勢として捉えています。

現在のお仕事を志したきっかけを教えてください。

最初から、現在のような仕事をしようと決めていたわけではありません。

目の前の事業やプロダクトを前に進めようとすると、エンジニアリングだけでは解決できない問題が次々と出てきました。
顧客のことが分からなければ自分で話を聞き、デザイナーがいなければデザインを考え、採用がボトルネックなら採用活動を行い、価値が伝わっていなければ自分で発信する。その繰り返しによって、現在の仕事につながっています。

私にとって大事なのは、「これは誰の仕事か」ではなく、「成果を出すために、今何が足りていないか」です。

その空白を見つけて埋め、技術、ビジネス、ユーザー、組織をつなぎながら事業を前へ進める。それが自分の強みであり、やりたい仕事なのだと、キャリアを重ねるなかで明確になりました。

Newbeeが創業された経緯を教えてください。

良いプロダクトや優れた組織があっても、その価値が言語化され、社会に伝わらなければ、顧客にも採用候補者にも届きません。一方で、発信だけが上手でも、事業やプロダクトに中身がなければ、長期的な信頼は築けません。

私は、プロダクトを作ることと、その価値を伝えることを、別々の活動だとは考えていません。顧客の課題を理解し、価値を形にし、必要な人へ届け、反応を得て次の改善につなげる。すべてが一つのプロダクト活動です。

そこで、プロダクト開発支援と、テクノロジーメディア・映像制作の両方を行う会社としてNewbeeを立ち上げました。

また、個社への支援で得た実践知をメディアやイベントを通じて広く届け、そこで生まれた出会いや問いを、再びプロダクトや企業支援へ還元する循環を作りたいという思いもありました。

「事業の本質を貫き、イノベーションの加速に貢献する」というビジョンに込めた想いと、具体的にどのような価値を社会や顧客に提供していきたいとお考えですか?

新しい技術や流行の手法が登場すると、どうしても「その技術を使うこと」自体が目的になりがちです。しかし、本来問うべきなのは、その技術によって誰のどのような課題を解決し、どのような変化を生み出すのかです。

私たちが考える「事業の本質」とは、手段ではなく、顧客と社会に生み出す価値に向き合うことです。

AIを導入すること、アプリを作ること、動画を作ること、イベントを開催することは、すべて手段にすぎません。手段から考えるのではなく、課題を見極め、価値を定義し、それを実現するために最適な方法を選ぶことを大切にしています。

Newbeeには、「知が交わり、熱が生まれる、変革は加速する」という考えもあります。まだ語られていない知見や可能性に光を当て、人と人、技術と事業、企業と社会をつなぐことで、新たな問いと行動を生み出したいと考えています。

顧客に対しては、単に成果物を納品するのではなく、顧客自身が本質的な課題を理解し、継続的に意思決定と改善を行える状態を作ることを目指しています。

Newbeeの詳しい事業内容や強みを教えてください。

Newbeeでは、大きく三つの事業を展開しています。

一つ目は、プロダクト戦略・実行支援です。
創業期のPoCやMVP開発から、プロダクトビジョンやロードマップの策定、既存プロダクトの成長支援、PM・CPO候補の育成、開発組織の改善まで支援しています。私自身が外部CPOや経営者の参謀として入り、戦略だけでなく実行まで伴走することが特徴です。

二つ目は、映像・コンテンツ制作です。
テクノロジーやプロダクトに関する専門的な内容を、単なる企業紹介ではなく、視聴者にとって価値のある企画へ変換します。企画、キャスティング、取材、収録、編集、配信まで一気通貫で対応しています。

三つ目は、採用・ブランディング支援です。
採用候補者に何を伝えるべきかという戦略設計から、動画、記事、イベント、オウンドメディアの制作・運用まで支援します。

Newbeeの強みは、これらを別々の専門サービスとして提供するのではなく、ビジネス設計、開発技術、ユーザー心理、コミュニケーションを統合して扱えることです。

Newbee株式会社イメージ2

プロダクト戦略実行支援、映像制作、採用ブランディング支援という3つの事業を展開されていますが、それぞれの事業にはどのような共通点があるのでしょうか?

三つの事業に共通しているのは、まだ言語化されていない価値を見つけ、形にし、必要な人へ届く状態まで実行することです。

プロダクト開発では、顧客が抱えている曖昧な課題を整理し、価値仮説や機能、事業成果へと変えていきます。

映像制作では、企業や出演者が持っている知見や情熱を引き出し、視聴者に伝わるストーリーやコンテンツに変えます。

採用ブランディングでは、組織の内側では当たり前になっている魅力を言語化し、採用候補者にとっての「この会社を選ぶ理由」に変えます。

つまり、いずれも本質的には、価値を発見し、編集し、届け、行動や変化を生み出す仕事です。作るものがソフトウェアなのか、映像なのか、採用メッセージなのかが違うだけで、根底にある考え方は共通しています。

Newbeeが他社と異なる強みや、顧客から評価されている点について教えてください。

最も大きな違いは、戦略を提案して終わるのでも、依頼された制作物を作って終わるのでもなく、成果が出るまでの実行を横断的に支援できることです。

私はエンジニアとしてキャリアを始め、プロダクト戦略、事業開発、組織づくり、採用、マーケティング、コンテンツ制作まで経験してきました。そのため、経営者、エンジニア、PM、デザイナー、人事、広報など、異なる職種の言葉を理解し、翻訳しながらプロジェクトを進められます。

また、最初から制作物や機能を売ろうとしないことも特徴です。動画の相談をいただいても、課題によっては「今は動画を作るより、採用戦略を整理する方が先です」とお伝えします。プロダクトの相談でも、開発する前に顧客へのヒアリングや市場検証を提案することがあります。

顧客からは、ビジネス、技術、ユーザーの三つを同時に考えられる点と、意思決定から実行までのスピードを評価いただくことが多いです。

プロダクト開発において「市場選び」が重要だと考えられている理由を教えてください。また、勝てる市場を見極める際には、どのようなポイントを見ていますか?

どれほど優秀なチームを作り、開発プロセスを整え、良いプロダクトを作っても、戦う市場を間違えれば、成果を出すことは非常に困難です。

市場選びは、プロダクトの機能やマーケティング施策よりも上流にある意思決定です。そのため私は、「勝てる市場選びがすべてを決める」と表現しています。

市場を見る際は、以下を確認します。

  • 市場そのものが成長しているか
  • 顧客が本当に予算を持っているか
  • 既に圧倒的な一社が市場を独占していないか
  • 自社が独自の立ち位置を取れるか

同時に、自社が持っている顧客基盤、ブランド、技術、データ、販売網、知見などを活用できるかも重要です。市場が魅力的でも、自社の強みとの接続がなければ、勝つためのコストが大きくなります。

そして最後は、「困難な状況でも、その市場で戦い続けられる理由があるか」です。
原体験でも企業ビジョンでも構いません。合理的に魅力的な市場であっても、そこに対する思いや覚悟がなければ、苦しい局面で踏ん張ることはできません。

経営と開発を噛み合わせるために、経営者がプロダクト開発において意識すべきことは何でしょうか?

経営者が、プロダクト開発を開発部門だけの仕事にしないことだと思います。

プロダクトの優先順位は、事業戦略、収益構造、顧客との約束、採用計画、ブランドなどと密接に関係しています。経営が事業目標だけを伝えて、実現方法をすべて開発側に任せてしまうと、責任の空白が生まれます。

一方で、経営者が細かな仕様まで決めることも適切ではありません。

経営者が握るべきなのは、次の要素です。

  • 目的
  • 制約条件
  • 成功指標
  • 優先順位
  • 許容できるリスク

そのうえで、具体的な実現方法は専門家に任せる必要があります。「任せる」と「丸投げ」は違います。アウトカムに対する責任を経営が保持したまま、現場にオーナーシップを渡すことが重要です。

また、経営と開発では見ている時間軸や情報が異なります。経営者は結論だけを伝えるのではなく、その判断に至った背景や事業上のコンテキストを共有する必要があります。

2026年7月22日に『勝てるプロダクト開発の教科書』を出版された背景を教えてください。今回、本を書こうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

これまで、プロダクトマネジメントに関する優れた書籍やフレームワークは数多く出版されてきました。
それでも現場では、「優秀な人材がそろっているのに、なぜか事業成果が出ない」「開発は進んでいるのに、プロダクトが成長しない」という問題が繰り返されています。

その原因の一つは、スキルや手法の不足ではなく、プロダクトの成果に対して最終的に誰が責任を引き受けるのかが曖昧になっていることだと考えています。

実際のプロダクト責任者の仕事は、ロードマップや仕様書を作ることだけではありません。市場を選び、予算を確保し、人を採用し、エンジニアやデザイナーと協働し、顧客に価値を届け、マーケティングや広報、法務にも向き合う必要があります。

しかし、こうした「現場で本当に必要になる泥臭い仕事」を、横断的に扱った本は意外に多くありません。

そこで、プロダクトマネージャーという職種の解説書ではなく、事業成果を残すために必要な全体像と、責任を引き受けるための考え方を一冊にまとめたいと思い、執筆しました。

Newbee株式会社イメージ3

本書では幅広いテーマを扱われていますが、なぜ「プロダクト開発」の本で、ここまで広い領域を扱う必要があるとお考えになったのでしょうか?

実際のプロダクトは、開発部門の中だけで完結しないからです。

市場選びを間違えれば、良いものを作っても売れません。採用に失敗すれば、戦略を実行するチームを作れません。マーケティングや営業と連携できなければ、顧客に価値が届きません。利用規約や知的財産への対応を誤れば、事業を継続できなくなる可能性もあります。

それにもかかわらず、「ここから先はマーケティングの仕事」「法務は専門家に任せる」「採用は人事の仕事」と職種ごとに分断すると、誰も全体の成果に責任を持たない状態が生まれます。

もちろん、プロダクト責任者がすべての領域の専門家になる必要はありません。ただし、専門家と適切に協働し、目的やリスク、成功条件を理解したうえで意思決定できるだけの知識は必要です。

プロダクト開発を、ソフトウェアを作る工程ではなく、顧客と事業に変化を生み出す一連の活動として捉えると、扱う領域が広くなるのは自然なことだと思います。

本書を執筆される中で、特に「これだけは経営者やプロダクトに関わる方に伝えたい」と考えられたテーマは何ですか?

PMやCPOという肩書があるかどうかは、本質ではありません。
エンジニアであっても、デザイナーであっても、マーケターであっても、顧客と事業の成果を考え、自分の職域を越えて必要な行動を取る人は、プロダクトマネジメントを実践しています。

逆に、肩書がPMであっても、意思決定を避け、他部署や専門家に責任を移してしまえば、プロダクト責任者とは言えません。

自分は何を握り、何を任せるのか。責任の空白はどこにあるのか。次の重要な判断で、自分は本当に腹をくくれるのか。

本を読み終えた方の頭に、この問いが残ってほしいと考えて書きました。

本書のタイトルにもある「勝てるプロダクト」とは、蜂須賀社長にとってどのようなプロダクトでしょうか?

売上が大きい、利用者が多いということだけで、「勝てるプロダクト」と定義しているわけではありません。

私が考える勝てるプロダクトとは、明確な顧客課題を解決し、顧客の行動や状態に変化を生み出し、その価値を事業として持続可能な形で提供できるプロダクトです。

顧客に喜ばれていても、利益が出ず継続できなければ、価値を届け続けることはできません。逆に、一時的に売上が立っていても、顧客に本質的な変化を生み出していなければ、長期的には選ばれなくなります。

さらに、勝つとは競合を倒すことだけではありません。自分たちが戦う市場と、そこで提供する独自の価値を明確にし、顧客から「この課題なら、このプロダクト」と想起してもらえる状態を作ることです。

作った機能の数ではなく、顧客に何が起きたか。そして、その変化を継続して生み出せるか。それが判断基準です。

経営者として「これだけは譲れない」と考えている価値観があれば教えてください。

成果に対する責任から逃げないことです。

プロジェクトがうまくいかないとき、環境や他部署、メンバー、顧客のせいにすることは簡単です。しかし、責任者である以上、自分が変えられたことはなかったか、情報収集や意思決定が不足していなかったかを最初に考えるべきだと思っています。

もう一つは、手段を目的化しないことです。

AIを使う、動画を作る、アプリを開発する、イベントを開催する。どれも目的ではありません。誰にどのような価値を届け、何を変えるのかという本質から逆算して、手段を選びます。

ただし、責任を引き受けることと、一人で抱え込むことは違います。自分が成果責任を持ちながら、専門家を信頼し、適切に任せることも、経営者として大切にしている価値観です。

現在、AIによってプロダクト開発の現場ではどのような変化が起きていると感じていますか?

最も大きな変化は、作ることそのもののコストが急激に下がっていることです。

以前は、アイデアを動くプロトタイプにするだけでも、エンジニアやデザイナーを含むチームと一定の期間が必要でした。現在はAIを活用することで、一人でも短期間でプロトタイプや小さなプロダクトを作れます。

その結果、開発工程にあったボトルネックが、企画、意思決定、顧客理解、価値検証へ移動しています。コードを速く書けても、何を作るかを決められなければ、事業全体の速度は上がりません。

また、職種の境界も変わり始めています。エンジニアが顧客課題や事業成果を理解し、PMがAIを使って動くプロトタイプを作り、デザイナーが実装まで踏み込む。従来の役割分担を前提とした組織では、意思決定の速度が追いつかなくなります。

AI時代に問われるのは、ツールを使えるかどうかだけではなく、AIによって生まれた余白を何に使うかです。

「高速に作れる時代は、高速にゴミを生み出す時代でもある」という考えについて、AI時代のプロダクト開発において特に注意すべきことは何でしょうか?

AIによって、「作れるもの」は急激に増えました。しかし、「作る価値があるもの」が同じだけ増えたわけではありません。

作るコストが下がると、「作れるから作る」という判断が増えます。顧客の課題が十分に検証されていない機能や、既存ツールで解決できる問題のために新しいシステムを作ることも起こります。

作る速度が速ければ、間違った方向へ進む速度も速くなります

そのため、開発を始める前に、少なくとも三つの問いを確認する必要があります。

  1. これは誰の、どのような課題なのか
  2. 何が変われば成功と言えるのか
  3. 本当に開発が必要なのか

大切なのは、速く作ることではなく、価値に速く到達することです。顧客へのインタビュー、仮説検証、既存の手段との比較など、作る前の判断がこれまで以上に重要になります。

AIによってエンジニアの役割が変化する中で、これからエンジニアやPMにはどのような能力が求められるとお考えですか?

エンジニアには、コードを書く力に加えて、目的と成功条件を理解する力が必要になります。

与えられた要件を正しく実装するだけでなく、「なぜこの機能が必要なのか」「どの顧客課題を解決するのか」「事業にどのような影響があるのか」を問い直すことが重要です。

PMには、仕様を整理してエンジニアに渡すだけではなく、市場、収益、顧客、技術、組織を横断して意思決定する力が求められます。同時に、AIを使って自分で調査し、分析し、プロトタイプを作り、仮説を検証する実行力も必要です。

両者に共通して必要なのは、具体と抽象を行き来する力、意思決定の力、他職種と協働するコミュニケーション力です。

これからは、職種の境界を守る人よりも、自分の専門性を持ちながら、その外側を理解し、顧客に価値が届く流れ全体を最適化できる人の価値が高まると考えています。

実際のプロジェクトにおいて、顧客が抱えていた課題をどのように整理し、解決へ導いたのか、具体的な事例を教えてください。

PIVOTでプロダクトを担当していた際、限られた開発リソースのなかで、どの機能を最優先にするかという課題がありました。

そこで、機能要望をそのまま並べるのではなく、利用状況やユーザーの声をもとに、視聴体験に最も大きな影響を与える課題を整理しました。その結果、バックグラウンド再生を重点テーマとして明確に打ち出しました。

重要だったのは、機能を開発することだけではありません。なぜその機能を優先するのか、今後どのような体験を作りたいのかを、SNS、プレスリリース、App Storeの返信などを通じて、ユーザーへ継続的に伝えました。

そのため、不具合に対する厳しいご意見をいただいた際にも、方針や対応姿勢そのものを評価していただき、星5のレビューをいただくこともありました。

この経験から、プロダクト開発では、機能、優先順位、顧客とのコミュニケーションを分けて考えてはいけないと学びました。何をするかだけでなく、何をしないか、その理由を顧客へ説明し、対話を続けることもプロダクト活動の一部です。

現在の支援でも、要望をそのまま要件にするのではなく、顧客課題、市場性、事業インパクト、実現コストを整理し、必要であれば顧客インタビューから始めています。

テクノロジーメディア「Newbee」では、プロダクト・スタートアップ・組織づくりなどについて発信されています。メディアを通じて、どのような知見や問いを届けたいとお考えですか?

Newbeeでは、成功事例の表面的な手法ではなく、第一線で意思決定している方が、今何を見て、何に悩み、どのような問いを持っているのかを届けたいと考えています。

数年前の成功事例を知ることにも価値はありますが、AIや事業環境が急速に変わる現在では、完成された答えより、リーダーがまさに今考えていることに触れる方が重要です。

また、単に有名な方の話を聞くだけではなく、その知見を視聴者自身の仕事へ持ち帰れるように、背景や意思決定のプロセスまで掘り下げることを意識しています。

Newbeeという名前には、新しい挑戦を始める人という意味も込めています。経験豊富なリーダーの思考を、次の世代や、これから新しい領域に挑戦する方へつなぐメディアでありたいと思っています。

そして、既に語られている答えを広めるだけでなく、「私たちは何を見落としているのか」という新しい問いを生み出す存在を目指しています。

Newbee株式会社ロゴ2

テクノロジーメディア「Newbee」
プロダクト・スタートアップ・組織づくりに関する対話と考察を、動画・音声・テキストで発信するメディア。

プロダクト開発において、職種間のコミュニケーションが重要になる理由を教えてください。

プロダクトの意思決定は、一つの職種の情報だけでは完結しないからです。

エンジニアは技術的な制約を知っています。営業やカスタマーサクセスは顧客の声を知っています。経営者は事業戦略や資金の制約を知っています。デザイナーはユーザー体験の一貫性を見ています。

これらの情報が分断されると、それぞれの職種が正しい判断をしていても、全体としては間違った方向へ進むことがあります。いわゆる局所最適です。

重要なのは、会議の回数を増やすことではありません。目的、顧客、成功条件、制約について、共通のコンテキストを持つことです。

また、職種以前に、人として相手を知ることも重要です。関係性がない相手から突然依頼されても、なぜ自分が協力すべきか分かりません。心理的安全性と相互理解があって初めて、率直な議論や迅速な意思決定ができます。

AIによって実行速度が上がるほど、人間同士が前提を確認し、意思決定する時間の重要性は高まると考えています。

社員やチームが成果を出し続けるために、どのような組織づくりや環境づくりを意識されていますか?

全員を同じ型にはめるのではなく、それぞれの強みが生きるフォーメーションを作ることを意識しています。

チームをバレーボールに例えると、強いスパイクを打つ人もいれば、正確なトスを上げる人、落ちそうなボールを拾う人もいます。全員をアタッカーにしようとすると、チームとして機能しません。

プロダクト組織でも、強い意思を持って前に進める人、情報を整理して意思決定を支える人、複数部署の間をつなぐ人など、異なる貢献の仕方があります。本人の強みを言語化し、周囲からも「あの仕事なら、この人」と想起される状態を作ることが重要です。

また、成果を出し続けるためには、目標と優先順位を明確にし、やらないことを決める必要があります。すべてを同時に進めるのではなく、重要な仕事へ集中できる環境を作ります。

加えて、短期的な成果だけでなく、チームが持続可能な状態であることも重視しています。責任を持つことと、壊れるまで働くことは違います。個人の生活や感情も含め、長く良い仕事を続けられる設計が必要です。

これまでに直面された困難や課題、それをどのように乗り越えてこられたかを教えてください。

創業1期目は、会社を存続させることへの責任から、目の前の仕事を自分で抱えすぎてしまいました。

会社員時代はチームへ権限移譲し、自分は中長期戦略やユーザー体験に集中できていました。しかし、起業後は、資金も人員も限られるなかで「自分がやった方が早い」と考え、多くの仕事を引き受けてしまいました。

結果として、事業は成長した一方、自分自身はかなり疲弊しました。

そこから学んだのは、責任を引き受けることと、すべてを自分で行うことは違うということです。2期目からは、仕事の優先順位をより明確にし、信頼できるパートナーに任せる領域を増やし、関わるプロジェクトの深さと数を見直しています。

また、意識的に仕事以外の時間を作り、趣味も再開しました。良い意思決定を続けるためには、精神的な余白が必要です。

困難を気合いだけで乗り切るのではなく、自分と組織が継続して成果を出せる構造へ変えることが、経営者としての次の課題だと考えています。

今後、Newbeeをどのような企業へ成長させていきたいとお考えですか?

規模を拡大することだけを目的にはしていません。

もちろん事業は成長させたいですが、社員数や売上の大きさだけではなく、Newbeeが関わることで、良いプロダクトや優れた組織、まだ知られていない知見が社会に届く状態を増やしたいと考えています。

メディア、プロダクト支援、映像・ブランディング支援、イベント、自社プロダクトをつなぎ、知見と人が循環する企業にしていきたいです。

メディアで新しい知見や人に出会い、イベントで関係が生まれ、プロダクト支援で実践し、そこで得た知見を再び社会へ還元する。その循環が大きくなるほど、Newbeeらしい価値も高まります。

「知が交わり、熱が生まれ、変革が加速する」場所として、企業や職種の境界を越え、新しい挑戦が生まれるハブのような存在を目指しています。

Newbee株式会社イメージ1

今後さらに力を入れていきたい事業や領域があれば教えてください。

一つ目は、外部CPOとしてのプロダクト戦略・実行支援です。
AIによって作るコストが下がる一方、「何を作るか」「どの市場で戦うか」「どう事業成果へつなげるか」に悩む企業は増えています。経営と開発の間に入り、事業戦略から顧客検証、開発、組織づくりまで伴走する支援を強化したいと考えています。

二つ目は、AIを前提とした経営とプロダクト開発です。
Newbee自身でも、Notionなどを会社の外部記憶として活用し、経営、プロジェクト、タスクのコンテキストをAIと連携させる「AI駆動経営」を実践しています。自社で試して得た知見を、顧客への支援にも還元していきます。

三つ目は、メディア、イベントです。
Newbee Conferenceをはじめ、第一線のリーダーの知見を届ける場を増やし、動画を見て終わるのではなく、学びを実践へつなげる仕組みを作りたいと考えています。

これからプロダクト開発や事業成長に取り組む経営者・ビジネスパーソンに向けて、蜂須賀社長からメッセージをお願いします。

AIによって、これまでよりも速く、安く、少ない人数でプロダクトを作れる時代になりました。だからこそ、「作れるかどうか」よりも、「何を作るのか」「なぜ作るのか」が、これまで以上に重要になります。

新しい技術やフレームワークを学ぶことは大切ですが、それだけで事業成果が生まれるわけではありません。

誰のどのような課題を解決するのか。何が変われば成功なのか。なぜ自分たちが取り組むのか。そして、最終的な成果に対して誰が責任を引き受けるのか。この問いから逃げずに向き合ってほしいと思います。

同時に、一人ですべてを抱える必要はありません。自分が握るべきことを明確にし、専門家やチームを信頼して任せる。責任を手放さずに、オーナーシップを分かち合うことが重要です。

速く作ることを目的にするのではなく、価値に速く到達することを目指してください。作ったものの数ではなく、顧客と社会にどのような変化を生み出したか。それが、これからのプロダクトと事業の勝敗を決めると考えています。

Newbee株式会社ロゴ
企業概要

企業名 : Newbee株式会社

代表者 : 蜂須賀 大貴

所在地 : 神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町

設立  : 2025年3月

事業内容: 映像制作/プロダクト戦略実行支援/採用ブランディング支援

URL  : https://newbee.co.jp/ 

 

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