【株式会社M&Aサクシード(Visionalグループ)】
金 蓮実社長インタビュー
2003年にリクルートへ新卒入社し、上海でのブライダル事業立ち上げや、リクルートライフスタイルの取締役などを経験しました。
その後、事業再生に取り組む企業の取締役を経て、2021年8月にVisionalグループへ参画。同年11月、組織再編に伴いM&Aサクシードの代表に就任しました。
私は子どもの頃から、誰かに「そういうものだから」と前提を決めつけられると、ひっくり返したくなる性分です。
M&A業界に関わるきっかけは人とのご縁でしたが、業界の内側に入るほど、経営者が納得して次の一手を選ぶための情報や選択肢が、驚くほど届いていない現実を知りました。
この強固な前提こそ、自分がひっくり返すべき課題だと確信し、今に至っています。
M&Aサクシードは、譲渡企業と譲受企業をオンラインでつなぐ、法人限定のマッチングプラットフォームです。
オーナー経営者は会社・事業概要を匿名で登録でき、法人会員として登録された譲受企業から直接オファーを受け取ることができます。
従来のM&A仲介のように「まず契約」から始まるのではなく、能動的に情報に触れながら選択肢を広げていける仕組みにしています。
会員制という安心できる環境の中で自社の匿名性を守りながら、候補先の有無だけでなく、候補先からの具体的なオファーまで、ご自身の目でいつでもご確認いただくことが可能です。

最大の課題は、経営者が自社の選択肢を知らないまま大きな決断を迫られる「情報の非対称性」です。
日本の中小企業は約336万社あり、M&A支援機関は約3,000社体制まで整いつつあるものの、実際の中小M&A成約件数は年間約5,000件にとどまっています。
家やクルマの値段はネットで誰でも調べられる時代なのに、「自社はいくらか」「どんな会社が興味を持ってくれるのか」といった素朴な問いの答えは、いまも一部の専門家の中に閉ざされたままです。
業界全体がIT化に乗り遅れてきたという構造的な問題により、経営者は選択肢を比較する前に決断を求められています。この構造を変えたいと思っています。

本来、国内すべての中小企業が、成長のためにも、次のステージに進むためにも、M&Aを選択肢として持てるはずです。
国も「中小M&A市場改革プラン」や、2026年5月の「スタートアップM&Aガイダンス」など、M&Aを「やむを得ない撤退」ではなく「主体的に選ぶ選択肢」として捉え直す動きを進めています。
ただ現状は、今や当たり前となった「転職・中途採用」が、数十年前は「後ろめたいもの」として扱われていた時代に似ていると感じます。
国が旗を振っても、当の経営者にとって身近な選択肢になっていなければ、この流れは進みません。M&Aを取り巻く空気を変えていくのが、私たちの役割だと思っています。
印象に残っているのは、体調や後継者の話が持ち上がる前から「もしも」を考え続けていた経営者の方々です。
当社に登録された後も面談を急がず、ご自身のペースで情報をご覧になり、しばらくして「ここは本当に心が動いた」というオファーに出会って初めて「会ってみたい」とご連絡をくださいます。結果として、従業員の雇用も、取引先との関係も守りながら、次の世代に会社を託されていきました。
対極にあるのが、急な売却を余儀なくされたある町工場の社長が「あと2年早く動いていれば違う結論を出せた」と語られた事例です。
二つの事例を分けたのは、能力や規模ではなく「知る時間」を持てたかどうかでした。
Visionalグループには「ビズリーチ」があります。ダイレクトリクルーティングを普及させることで、能動的に転職先を検討できる人を大幅に増やしました。
同じことが、会社にも起きてほしいと思っています。このまま自分の手で続けるのか、誰かと組んで大きくするのか、今のかたちで引き継いでもらうのか——選択肢を経営者自身が選べる状態を目指しています。
目指しているのは、決算後に必ず確認したくなる「かいしゃの健康診断」のような存在です。
「もし社員が3人辞めたら」といった経営者の頭の中の「たられば」をAIでシミュレーションできるサービスも提供を開始しました。私たちがお渡ししたいのは、答えではなく判断材料です。
経営者に「知る自由」を届けることで、社会全体の資本の流動化と生産性向上に貢献したいと思っています。


企業名 : 株式会社M&Aサクシード(Visionalグループ)
代表者 : 金 蓮実
所在地 : 東京都渋谷区渋谷2-15-1
設立 : 2021年11月
事業内容: 法人限定M&Aプラットフォーム「M&Aサクシード」の運営
URL : https://ma-succeed.jp/