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【株式会社遠藤酒造場】
遠藤 秀三郎社長インタビュー

【株式会社遠藤酒造場】<br>遠藤 秀三郎社長インタビュー

須坂高等学校 卒業。東京工業大学 工学部無機材料工学科 中退。株式会社遠藤酒造場 入社、代表取締役に就任(第6代当主)。現在に至る。

遠藤社長が21歳という若さで遠藤酒造場を継がれた当時の心境と、そこから今日まで支えとなった想いを教えてください。

21歳での突然の継承は、正直なところ不安と戸惑いの連続でした。しかし、従業員3人という苦境が、私に「守るべき伝統」と「変えるべき現状」を直視させてくれました。
今日まで支えとなったのは、船井幸雄先生の教えである「プラス発想」と、お客様からいただく「旨い」という生の声です。逆境こそ成長のチャンスと捉え、「のむ人を、ほほえむ人へ」という純粋な願いを旗印に走り続けたことが、今の私と遠藤酒造場の原動力となっています。

学生時代には別の分野を学ばれていた中で、家業を継ぐ決断をされた背景について教えてください。

決断のきっかけは、父(先代)の急死です。姉2人はすでに嫁いでおり、母と祖母を実家に残したまま東京で学業を続けることは難しい状況でした。

週末だけ会社に戻って仕事をする時期もありましたが、実験・考察の多い東京工業大学の学業と、酒税申告を伴う日々の業務を両立することは困難でした。最終的に、中退という決断を下しました。

卒業まで待てば選択肢が増えて迷いが生じる。それよりも、あえて退路を断ち、酒造りの道に専念することを選びました。

モチベーションを高めるために、日頃意識されていることがあれば教えてください。

新聞、ネット、書物を読み成功者の取り組みを身に着けるようにしています。
特に運気の上がること、ツキを落とさないこと、上げることを日頃から意識しており、トイレ掃除を欠かさないことや、ネガティブな言葉を口にしない・思わないことを習慣にしています。

座右の銘や、大切にされている言葉があれば教えてください。

船井幸雄先生が説いた「素直・プラス発想・勉強好き」という三つの言葉です。この教えを経営と日々の行動の指針として、一貫して実践しています。

遠藤酒造場が創業された経緯を教えてください。

当時、北国街道の風待ちの港として栄えた須坂において、初代・遠藤徳三郎は「旨い酒を造りたい」という純粋かつ強い信念のもと、家業として酒造りを始めました。この「旨い酒」への執念と、時代を先取りする「進取の気性」は、160年以上の時を経た今も、遠藤家の家訓として脈々と受け継がれています。

株式会社遠藤酒造場イメージ4

遠藤酒造場が須坂藩御用達の酒蔵として歩んできた歴史は、現代の経営にどのように活かされていますか。

須坂藩御用達として培った「最高級の品質を追求する誇り」は、現代においても一切の妥協を許さない酒造りの根幹となっています。

一方で、殿様に献上するだけでなく、広く人々に愛される酒を目指してきた歴史は、現在の「顧客第一主義」にそのまま通じています。
格式高い伝統を守りつつも、時代の変化に合わせて柔軟に進化し続ける「進取の気性」こそが、藩の御用達から世界のコンクール金賞常連へとつながる、当蔵の揺るぎないアイデンティティです。

企業名「遠藤酒造場」と企業ロゴに込めた想いを教えてください。

企業名「遠藤酒造場」には、初代から続く遠藤家の血脈と、酒を「造る」だけでなく、愛情を持って「醸し育てる場所(場)」でありたいという自負が込められています。

ロゴの「渓流」の文字は、信州の清冽な流れのような潔さと力強さを象徴しています。
伝統の重みを守りながらも、水が停滞せず常に流れ続けるように、時代に合わせて自らを更新し続ける「進取の気性」を表現しており、信頼と革新の両立を旗印としています。

遠藤酒造場の理念を教えてください。

初代・遠藤徳三郎の「旨い酒造り」という強い信念を代々継承しつつ、伝統を守るだけでなく常に新しい技術や流行に挑戦する姿勢を重視しています

理念やビジョンに込めた想いと、具体的な取り組み内容を教えてください。

1. 社是・ミッション
「のむ人を、ほほえむ人へ。」
お酒には、笑顔を広げてつなげていく不思議な力があると考え、蔵に関わるすべての人が笑顔でお酒を愛する気持ちを大切にしています。その「大好きな気持ち」が飲み手にも伝わり、微笑みを生むことを使命としています。 毎年開催する蔵開きも、来場者に存分に楽しんでいただけることを最優先に運営しています。

2. 経営理念・ビジョン
「日本酒のチカラを人生のチカラに。」
日本酒が持つ可能性を信じ、圧倒的なスピードと柔軟な対応力で、高品質かつコストパフォーマンスの高い企画を実現し、ワクワクする世界を創造することを目指しています。

遠藤酒造場の詳しい事業内容や強みを教えてください。

遠藤酒造場の事業は、酒造りを起点に多角的に広がっています。

清酒製造・販売: 代表銘柄「渓流」を中心に、「彗(シャア)」や「直虎」など約30種類の多品種を製造・販売しています。

通信販売事業: 日本酒業界では早くからEC・通販に注力しており、直販比率の高さが大きな特徴です。

酒蔵体験・観光: 本店での試飲や、年間3万人以上を動員する「蔵開き」イベントを通じて、地域密着型のファンを育てています。

海外展開: オーストラリアの高級レストランへの採用や、米国での合弁会社設立など、グローバル市場への進出も本格化しています。

創業1864年の老舗として受け継がれてきた「旨い酒造り」とは、遠藤社長にとってどのような価値観でしょうか。

「造る人が大好きでなければ、良いものはできない」と考えています。蔵人が愛情を持って、子供を育てるように一生懸命に醸したお酒こそが、飲んだ人を笑顔(ほほえむ人)にできるという、情熱の伝播を何より大切にしています。

主力ブランド「渓流」を立ち上げた経緯と、ブランド刷新に込めた狙いを教えてください。

前身ブランド「養老正宗」はさまざまな刷新を試みましたが、市場での改善が難しい状況が続いていました。そこで、信州の山々から流れる澄んだ渓流をイメージし、切れがあり清冽な酒を目指して「渓流」へと改名しました。

「旨い酒造り」とは、単に味を追うのではなく、「飲み手に驚きと笑顔を届ける物語」を作ることだと考えています。伝統に甘んじず、常にお客様の目線で「今」求められる感動を追求する姿勢を大切にしています。

株式会社遠藤酒造場イメージ7

「朝しぼり」「どむろく」「直虎」「彗」など、次々と新商品を生み出せる発想力の源泉は何でしょうか。

発想力の源泉は、徹底した「顧客目線」と、業界の常識を疑う「進取の気性」です。

「蔵でしか飲めない味を家でも楽しみたい」という客の声を形にした「朝しぼり」のように、現場のニーズを即座に具体化する瞬発力を重視しています。また、アニメや武将をテーマにした「彗」や「直虎」などは、既存の日本酒ファンにとどまらないターゲットへの「驚き」から逆算して開発されました。過去の常識を疑い、常に新しい感動を追求する姿勢が、独創的な商品を生み続けています。

株式会社遠藤酒造場イメージ8

遠藤酒造場のお酒づくりにおいて、他社には負けない強みや独自性はどこにあるとお考えですか。

最大の強みは、伝統的な技術に「圧倒的なスピード感」「ダイレクトマーケティング」を融合させた独自モデルです。意思決定者が社長一人であるため、時代の変化に合わせた即断ができることも大きな優位性となっています。

17年連続モンドセレクション金賞等の外部評価で品質を客観的に証明しつつ、お客様の声を即座に商品化する開発力も際立っています。酒販店任せにせず、自社通販やイベントを通じて飲み手と直接つながり、その反応を次なる革新に活かす「顧客密着型の酒造り」こそが、他社には真似できない独自性です。

株式会社遠藤酒造場イメージ6

「和醸良酒」という言葉に込められた想いと、現場でどのように体現されているか教えてください。

「和醸良酒」とは、「人の和が良い酒を醸し、良い酒が人の和を醸す」という、造り手のチームワークを重視する信念です。

遠藤酒造場の現場では、若手からベテランまでが「のむ人を、ほほえむ人へ」というミッションを共有し、部署の垣根を超えて協力し合っています。この「大好きで醸す」という明るい一体感が酒に宿り、飲んだ人の心に届いて笑顔の輪を広げる、善循環の源泉となっています。

伝統ある日本酒業界の中で、常識にとらわれず挑戦を続けるために意識されていることを教えてください。

常識に縛られないために、「過去の全肯定と全否定」を同時に意識しています。

160年続く品質の核は守りつつ、売り方や商品企画では「業界の当たり前」を疑い、常に白紙から考える「進取の気性」を重視しています。また、酒造りを聖域化せず、異業種の手法やお客様の声を即座に反映させる「素人目線」を貫くことで、既成概念を打破し、現代の飲み手に驚きと感動を与える新しい価値を創造し続けています。

遠藤社長が経営者として「これだけは譲れない」と考えている信念があれば教えてください。

「お客様の期待を常に超えること」、そしてそのための「素直な心」です。

どれほど伝統があっても、独りよがりの酒造りでは意味がないと考え、お客様の声を謙虚に聞き、即座に形にする姿勢を徹底しています。
「のむ人を、ほほえむ人へ」という理念に基づき、品質への妥協を排し、驚きや感動という付加価値を届け続けること。この「顧客第一主義」の追求こそが、何があっても揺るがない経営の核です。

通販事業やEC販売にいち早く取り組まれた背景と、地方酒蔵が販路を広げる上で重要な視点を教えてください。

若くして就任した際の経営危機と、地方酒蔵が生き残るには「待つ営業」から脱却し直接お客様とつながる必要があったからです。

地方酒蔵が販路を広げる上で重要な視点は、酒を「モノ」として売るのではなく、蔵の想いや造り手の顔が見える「物語」を届けることだと考えています。中間流通に頼らず、ECで得たお客様の生の声を即座に商品開発に活かす「双方向の対話」こそが、地方から全国・世界へ販路を広げる鍵となります。

国内だけでなく海外でも支持を広げている中で、日本酒を世界へ届ける手応えや課題を教えてください。

IWC金賞・トロフィー受賞、モンドセレクション金賞といった「世界共通の客観的評価」を武器に、日本酒の繊細な旨みがワイン愛好家など海外の方々にも高く評価されていることに、確かな手応えを感じています。

一方で課題は、単なる輸出にとどまらず、現地の食文化に合わせた「新しい飲用シーン」を提案し続けることです。和食の枠を超え、世界中の食卓で「笑顔」を生む酒として定着させるため、ストーリーテリングと品質管理の徹底をさらに強化しています。

杜氏や蔵人の皆さまと一丸となって酒づくりを行う上で、大切にされている組織づくりの考え方を教えてください。

組織づくりの核は、「のむ人を、ほほえむ人へ」というミッションの徹底共有です。

「自分が楽しんで造らなければ、飲み手を笑顔にできない」と考え、全員が主役となって意見を出し合える「風通しの良い環境」を大切にしています。
船井幸雄先生の「素直・プラス発想・勉強好き」を実践し、失敗を恐れず挑戦する文化を醸成することで、杜氏の熟練技と若手の柔軟な発想が融合し、一丸となって高品質な酒を生み出しています。

これまでに直面された困難や課題、それをどのように乗り越えてこられたかを教えてください。

最大の困難は、21歳で父の跡を継いだ直後の経営危機でした。従業員3人という苦境を乗り越えた原動力は、自身の無知を武器にした「素人目線」の徹底です。

業界の慣習に囚われず、お客様の「もっと新鮮な酒を飲みたい」という声に耳を傾け、「朝しぼり」などのヒット作を生み出しました。船井幸雄先生の「プラス発想」を指針に、逆境を成長の機会と捉え、直販やECという独自の販路を切り拓くことで、伝統を革新へと変えてきました。

今後の目標やビジョン、5年後10年後に遠藤酒造場をどのような企業へ成長させたいとお考えですか。

5年後、10年後は、日本酒を「特別な日の飲み物」から、世界中の日常を彩る「笑顔のインフラ」へと進化させたいと考えています。

伝統を次世代へつなぐとともに、既存の枠を超えた革新的な商品開発を続け、日本酒の価値を再定義していきます。
地方の酒蔵から世界へ、「日本酒のチカラを人生のチカラに」変える挑戦を止めることはありません。すべては、一杯のお酒を通じて「のむ人を、ほほえむ人へ」変え、喜びの連鎖を世界規模で広げていくことが究極の目標です。

デジタルの力を活用して世界中のファンと直接つながり、国境や世代を超えたコミュニティを持つ蔵へと成長することが目標です。
伝統を重んじつつも、常に最新の感性で日本酒の可能性を更新し続け、「遠藤酒造場があるから人生が楽しい」と言っていただける、唯一無二のグローバル・ライフスタイル企業を目指します。

この記事をご覧になる読者、そして日本酒ファンの皆さまへメッセージをお願いします。

遠藤酒造場のお酒を手に取っていただき、ありがとうございます。

私たちの酒造りは、お客様の「美味しい」という一言と、その先に広がる笑顔のためにあります。160年の伝統は、皆様の温かいご支援があってこそ続いてきました。
私たちはこれからも、常識に縛られない「進取の気性」で、皆様の人生に彩りを添える驚きと感動を届け続けます。

お酒は単なる飲料ではなく、人と人をつなぎ、人生を豊かにする「チカラ」があると私たちは信じています。160年の歴史を背負いつつも、皆様が今この瞬間に求める「驚き」と「旨さ」を追求し、常識を超えた挑戦を続けてまいります。
一杯の日本酒が皆様の心にほほえみを灯し、明日への活力となることを願って。これからも共に、日本酒の新しい未来を楽しんでいきましょう!

株式会社遠藤酒造場ロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社遠藤酒造場

代表者 : 遠藤 秀三郎

所在地 : 長野県須坂市大字須坂29

設立  : 1864年

従業員数: 35人

事業内容: 日本酒の製造・販売・通販事業

URL  : https://www.keiryu.jp

 

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