【有限会社ぬくもり工房】
大高旭社長インタビュー
昭和54年(1979年)生まれ 46歳 大学進学を機に名古屋で暮らし24歳まで飲食業界に従事、父の入院と共に帰省し家業に入る。2006年4月、遠州綿紬の部門だけを独立し、有限会社ぬくもり工房を創業し今に至る。
大学進学を機に、名古屋で暮らし飲食店に従事します。
地元には戻らず名古屋で暮らす予定が、24歳の時に父が入院。
一時帰省した事が、家業に入るきっかけとなりました。
初代(祖父)が大切にていた「遠州綿紬」の存続が厳しいのを知り、2006年に「遠州綿紬」の販売に特化した事業をすることを決め、有限会社ぬくもり工房として独立します。
大学進学を機に、名古屋の飲食店でアルバイトを始めます。
そのまま仕事が楽しくなり、大学を中退して本業として従事。
飲食店とはいえ、調理などは一切できません。俗にいう水商売を24歳まで続けました。
キッカケと重複しますが、初代(祖父)が大切にしていた「遠州綿紬」の存続が厳しいのを知り、モノづくりを残したいとの想いから2006年に「遠州綿紬」の販売に特化した会社を立ち上げました。
プライベートでは、志の高い経営者仲間との交流です。
社内では、2ヶ月に一度、スタッフ全員と社外研修として外で学びます。
職人さんの工場の見学、モノづくりの体験、座禅や写経体験、美術鑑賞など様々な企画を練って、1日掛けてスタッフ皆と体験します。
そこで普段と違うコミュニケーションを取ったり、想いを共有したり、美意識を高めたりします。その時間をとても大切にしています。
「 楽しく学ぶ 」です。
大学進学を機に名古屋で暮らした時、街の規模の違いに圧倒され、地元 浜松は本当に田舎で何も特徴がないと本気で思っていました。
いざ浜松に帰ると、誇れるモノがたくさんあり、自分が知らなかっただけだと気が付きました。
今は、浜松に限らず日本の文化などを大切にして、それに関する行事には積極的に参加し、いろんな学びを大切にしています。
遠州織物の聖地 初生衣神社の鳥居の中に、十二単の日本色を縞模様に配し、日本の伝統文化を大切にするという想いがこもっています。
ヒト モノ 街を育てる経営
モチベーションを高めるための事例、人生で大切にしている事と重複しますが、
一人で学ぶだけではなく、スタッフ皆と共有し想いを育てていくようにしています。
最大の強みは「遠州綿紬」です。
祖父が創業した1966年頃には、浜松だけで機屋(織屋)さんが1000軒以上あったと聞いています。
2006年当時は、約100軒。現在はその半数以下となります。
その中でも「遠州綿紬」という、昔ながらの着物地を織る機屋さんはとても貴重で、その企画販売を一手に担うのが当社となります。
日本全国で、伝統織物はかなり衰退していますが、日本の文化と共に継承された織物を残し発展させていく覚悟です。
他産地の伝統織物を見ていると、昔から変わらず着物向けに生産する産地があります。
その他は、洋服地として支持されている産地もあります。
当社は、雑貨・土産・贈り物などに注力し、企画・製造・販売までを一貫してできます(製織は別)。
浜松市に本店を構え、静岡県内だけでも20ヶ所以上のアンテナショップを有し、常時10か所以上の催事を全国で行います。
また多くの企業・団体からオリジナルグッズの制作依頼があり、和雑貨のノベルティ・贈り物の企画製造までできることです。
モノづくりに敬意を持ち、その想いや文化をしっかり発信していくことです。
静岡・浜松の工芸に触れられる数少ない仕事です。
工芸を学び、商品企画などを皆で考え、伝えていけるステキな仕事です。
遠州綿紬の生産から、生地を縫製加工して商品に仕上げるまでに、多くの工程があります。
それぞれの工程を担う事業所が減少していく中、生地や商品の生産を保っていくことがとても大変でした。
産業観光化を進めていき、地域の方をはじめ観光で来られる方に支持してもらえるショップにしていきたいです。
皆様がお住いの街にも、誇れる文化がたくさんあります。
文化を知り、取り入れることで、人と街が豊かになっていくと嬉しいです。
企業名 : 有限会社ぬくもり工房
代表者 : 大高 旭
所在地 : 静岡県浜松市浜名区
設立 : 2006年4月
従業員数: 8名
事業内容: 遠州綿紬を主とした伝統工芸品の企画販売