【株式会社シェイク】
吉田実社長インタビュー

株式会社シェイクの理念を教えてください。

「学生時代にイキイキとしていた人が、社会人になって数年すると元気がなくなっていくのはなぜだろう？」

このような問題意識からシェイクは生まれました。

シェイクのミッションは「イキイキと働く人が一人でも多く増えてほしい。

個人から、会社から、もっと日本を元気にしたい」です。

私がなぜ、この仕事をしているのか？

それは、「真に人がイキイキと働く組織を見てみたい、そんな組織をつくりたい」という想いがあるからです。

シェイクという組織を理想の組織にしたいし、人材育成・組織開発という仕事を通じて、世の中の組織に貢献していきたいと考えています。

株式会社シェイクを運営される上で大切にされていることを教えてください。

私は、会社の価値観を大切にした経営にこだわっています。

理由は、過去の失敗経験です。私は、2009年にシェイクの社長に就任しました。シェイクという会社で働く人がイキイキと働ける会社にすることを目指し、できる限り、1人ひとりに権限委譲をしました。

個々人の裁量が増え、自律的に行動することが出来れば、社員がイキイキと働ける会社になると考えたからです。

結果、社員はイキイキと働き、業績も伸び、社長である私が何もしなくても、会社が勝手に成長するような状態になっていきました。私は、みんなを見守り、必要に応じてサポートすれば、人が勝手に挑戦し、価値を生み出し、会社としても成長していくのです。

「シェイクは動物園みたいだ」と言われることもありました。個性豊かな人が、それぞれの個性を活かして、自由に働いていたからです。

私自身、優れた経営者なのではないかと奢った気持ちになっていました。ところが、その状態は長く続きませんでした。

個性豊かにイキイキと働いている人がいる一方で、メンタル不調になる人も出てきました。会社は成長しているものの、シェイクで働く人を幸せにしているのだろうか？という疑問を持つようになりました。

私は、当時、組織の成長のために邁進している社員に対して、一方的に「違和感がある」と感じていることを伝えました。今まで任されてきたと思っていた人が、ある日突然、「あなたのやり方は間違っている」と言われたようなもので、会社は混乱状態に陥り、１年後、会社は分裂することになりました。

イキイキと働く人を増やしたいと思って経営しているにもかかわらず、そのプロセスにおいては、多くの人を傷つけ、苦しい思いをさせてしまいました。

私の失敗は、「この会社は何を大事にする会社か」の共通認識を持たないまま、全てを権限委譲したことにありました。価値基準がないまま、権限委譲された人は、それぞれの考え方に沿って行動します。

ところが、ある日突然、社長である私が、権限委譲していた人を否定してしまったことにありました。

「この会社は何を大事にする会社なのか」。その一点について、共通認識を持っていない中で自律性を担保しようとすると組織はバラバラになってしまう。――それがその出来事から学んだことです。

そこで設定したのがシェイクの価値観です。シェイクは、社会への価値創出と個人の想いを実現するプラットフォーム（場）であると定めています。シェイクで働く人が、この場で自分らしさを発揮し、社会に価値を発揮し、自分の想いを実現していくことを何よりも大切にしています。

シェイクでは、どのようなことを実践されているのでしょうか？

１人ひとりが自律的に行動し、やらされ感ではなく、当事者意識をもって、仕事をすることが出来る組織にするために、次のような取り組みをしています。

「７２１」・・・これは、自分の時間を「７・・・実業務」「２・・・組織貢献」「１・・・個人の想いや支援」に使うことを奨励する制度です。実業務に関する時間は、コンサルタントなら、お客様との打ち合わせや提案、プログラム開発や研修の実施などに関する時間です。

実業務は通常7の時間で行いますがこの７だけの時間で終わるのではなく、シェイクでは、1人ひとりが「２の時間」として、組織貢献活動に参加することが奨励されています。例えば、シェイクでは採用活動はプロジェクトで運用されており、採用に携わりたい人が手を挙げて参画しています。

また、自分がやりたいと思ったことをプロジェクトとして立ち上げることも出来ます。組織内エンゲージメントを高めたいと思えば、「つながりプロジェクト」、新入社員の育成に携わりたいと思えば「新卒育成プロジェクト」を立ち上げたり、既にあるプロジェクトに参画して活動します。自分の想いに沿って、活動の幅を広げることを制度で担保しています。

また、中期経営計画の策定においても、そのメンバーに若手社員が手を挙げて参画することもあります。

このように、自分たちで興味があることを立ち上げたり、参画することを通じて、事業に関する業務とは違う活動を通じて、自分の可能性を拡げたり、興味・関心を育んだり、普段と違うメンバーと活動して、自分の幅を広げています。

まだまだ、伸びしろの多い組織だとは思いますが、シェイクも実践を通じて、「シェイクらしさ」を磨き続け、唯一無二のイキイキカンパニーしていきたいと思っています。

シェイクの強みは何ですか？

「リーダーシップ開発」「キャリア自律」「シェアド・リーダーシップ型チームづくり」に関する専門性が高いことが事業的な強みですが、ここでは、組織の強みについてご紹介します。

同業の社長と話していて、いつも驚かれるのが、新入社員が成長するスピードの速さです。新入社員で入社した人が、入社3年目くらいでファシリテーター（研修講師）として登壇したり、ウェビナーに登壇したりします。

他社では、若手社員は、営業だけを任されることも多いですが、シェイクには、営業、開発、ファシリテーターの全てを経験し、学べる環境があります。手を挙げれば挑戦できる成長機会があり、成長を支援してくれる優しい先輩社員がたくさんいます。

シェイクの中だけではなく世の中で活躍できる人に育つ環境があるからこそ、社員の専門性が高まり、お客様のパートナーとして、本質的な課題解決に取り組むことが出来ます。結果的に、お客様のリピート率が高くなり、他者との違いにつながっていると思います。

今後のビジョンを教えてください。

誰もがリーダーシップを発揮している社会を創ることを目指しています。

1人ひとりが、自分らしさを大切にしながらリーダーシップを発揮し、周囲に貢献することで、自分の存在意義や居場所を感じることが出来ます。

組織は、人を縛る道具ではありません。

組織は、人の可能性を拡げるプラットフォームです。

リーダーシップ開発を通じて、今まで、気づかなかった自分の可能性に気づき、人生の選択肢が広がっていくような組織づくり、世の中づくりをしていきたいと思います。