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【株式会社ネットプロテクションズ】
柴田 紳社長インタビュー

【株式会社ネットプロテクションズ】<br>柴田 紳社長インタビュー

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「なぜ社員は自走しないのか」という問いは、どのような原体験から生まれたのでしょうか。商社時代や創業初期のご経験も含めてお聞かせください。

この問いの原点は、創業以前の商社時代と、ネットプロテクションズ創業初期の双方にあります。

商社時代、能力も意欲も高い人ほど、「上司の承認」や「前例」に意識を取られ、本来の力を発揮しきれていない場面を数多く見てきました。そのときに感じたのは、人が自走しないのは個人の問題ではなく、そう振る舞わざるを得ない組織構造があるのではないか、という違和感でした。

創業後も、事業が拡大するにつれて同じ構造が現れました。社員は真面目で優秀なのに、判断を上に委ね、正解を探し、動きが遅くなる。

そこで初めて、「社員をどう動かすか」ではなく、「社員が自然と動き出す構造になっているか」を問い直す必要があると強く感じるようになりました。「なぜ社員は自走しないのか?」という問いは、人を疑う問いではなく、組織の前提を疑う問いとして生まれたものです。

ネットプロテクションズの理念を教えてください。

ネットプロテクションズの理念は、ミッション・ビジョン・バリューに加え、それを日々の行動や組織運営に落とし込む行動規範・組織規範までを含めた、一貫した思想として設計されています。

■ ミッション

ミッションは、「つぎのアタリマエをつくる」ことです。これは新しいサービスを生み出すこと自体が目的ではなく、社会や市場、働き方が変化する中で、今はまだ少数派でも本来あるべき姿を、社会の当たり前にしていくことを意味しています。
その前提にあるのが、「人は管理される存在ではなく、価値を生み出す主体である」という考え方です。社員が自走しない原因は個人ではなく、そう振る舞わせてしまう組織構造にある──この問題意識が、私たちの原点です。

■ ビジョン

私たちのビジョンは、一人ひとりが目的を理解し、自ら判断し、価値創出に向かう組織が、結果として社会を前に進めていくことです。そのため、指示や統制ではなく、主体性と学習が自然に生まれる組織を目指しています。

■ バリュー

バリューは、日々の意思決定に迷ったときに立ち返る共通言語です。「目的から考える」「事実と向き合う」「自分ごととして引き受ける」といった価値観を、評価のためではなく判断の軸として使っています。

■ 行動規範・組織規範

また、行動規範と組織規範を分けて明確にしている点も特徴です。
行動規範は社員一人ひとりの判断指針であり、組織規範は役職に頼らず、役割を起点に意思決定するという組織としての前提条件です。

独自の人事・運営システム「Natura(ナチュラ)」は、ティール型組織を機能させる中核だと思いますが、制度設計において最もこだわったポイントを教えてください。

Naturaで最もこだわったのは、人を管理・評価するための制度にしないという点です。

Naturaは、等級や役職で人を序列化する仕組みではありません。一人ひとりが「どんな価値を、どの役割で、どれだけ生み出しているか」を市場や顧客、チームとの関係性の中で捉えるための仕組みです。

具体的には、

・ 役職ではなく「役割」を起点にする
・ 上下関係ではなく、価値提供の関係性を見る
・ 評価をブラックボックス化せず、情報をできるだけ開く

といった点を徹底しています。

制度で人を縛るのではなく、人が自然に判断し、挑戦できる環境を整えること。それがNaturaの設計思想の中核です。

ティール型組織は、どのような企業・フェーズにこそ向いている組織モデルだとお考えですか。

ティール型組織は、基本的には業種や規模を問わず、多くの企業で取り入れることが可能な組織モデルだと考えています。そのうえで大切なのは、企業ごとの状況やフェーズに応じて、どのように設計し、どのようなステップで移行していくかという点です。

特に効果を発揮しやすいのは、変化が激しく、現場での判断が事業価値を左右する環境です。顧客との距離が近く、正解が一つに定まらない中で、試行錯誤や学習そのものが競争力になる事業では、意思決定を現場に委ねる分散型の仕組みが強く機能します。

一方で、導入にあたっては事前に整えておくべき土台もあります。たとえば、経営の目的や価値観が十分に言語化されていない場合、判断を現場に委ねても軸が共有されにくくなります。また、失敗を許容しない文化のままでは、主体的な挑戦は生まれにくいです。さらに、管理職をなくすこと自体が目的化してしまうと、本来目指すべき価値創出から離れてしまいます。

ティール型組織は、制度や手法をそのまま当てはめるものではなく、人を信じ、判断を委ねるという考え方を土台に、自社の状況に合わせて段階的に設計していく組織モデルです。そのプロセスを丁寧に踏むことで、どの企業でも機能させていくことができると考えています。

株式会社ネットプロテクションズイメージ2

書籍への推薦文

組織づくりに悩む経営者・管理職の方に向けて、書籍『管理職を全廃しました』を通じて、最も伝えたかったメッセージをお聞かせください。

この本を通じて最も伝えたかったのは、「管理職をなくすこと」そのものではありません。本当に伝えたかったのは、人を信じる前提に立って組織を設計し直すと、組織はここまで変わり得るという、ネットプロテクションズでの実体験です。

各社がどのように管理職を扱うかはそれぞれ悩みながら決めていくことだと思います。私自身も試行錯誤の連続でした。その中で、社員が自走しづらいと感じたときに、個人だけでなく、行動を生み出している組織の在り方に目を向けるようになりました。この本が、同じように組織づくりに悩む方と一緒に考える材料になれば嬉しいです。

また本書は、経営者だけに向けたものではありません。ティール組織の「理論書」というよりも、現場で実践できる組織づくりの実践書として、チームリーダーや若手社員を含め、立場に関わらず多くの人に読んでもらいたいと考えています。一人ひとりの行動や判断が少しずつ変わることで、組織は確実に変わっていく。その可能性を感じてもらえたら嬉しいです。

 

株式会社ネットプロテクションズロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社ネットプロテクションズ

代表者 : 柴田 紳

所在地 : 東京都千代田区麹町4丁目2-6 住友不動産麹町ファーストビル 5階

設立  : 2000年1月

従業員数: 320名

事業内容:

BtoC通販向け決済「NP後払い」の運営
BtoB向け決済「NP掛け払い」の運営
BtoC向け会員制決済「atone(アトネ)」の運営
台湾向け決済「AFTEE(アフティー)」の運営
ポイントプログラムの運営

URL  : https://corp.netprotections.com/

『管理職を全廃しました』
・著:柴田 紳(株式会社ネットプロテクションズ 代表取締役社長)
・発売:ダイヤモンド社/11月12日発売

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