【ミラーフィット株式会社】
黄 皓社長インタビュー

現在のお仕事を志したきっかけを教えてください。

最初のきっかけは、メキシコ駐在時に感じた“自分自身の変化”でした。当時、生活リズムも食習慣も乱れて、体も心もバランスを崩していました。
ちょうどその頃、父が健康問題を抱えたこともあって、「健康って当たり前じゃないんだ」と強烈に実感したんです。

そこから自分の体と向き合うようになり、トレーニングを続ける中で、見た目の変化が『自分の人生をここまで前向きに変えるのか』という経験をしました。

鏡を見るたびに少しずつ“自分を好きになっていく感覚”。

この体験こそ、実は世界中の“まだ自分を好きになりきれていない人”に届くべきだと思いました。
この感覚があったからこそ、
「人生を変えるきっかけを、より多くの人の日常に届けたい」
という想いでフィットネス事業に携わるようになりました。

ミラーフィットを創業された経緯を教えてください。

創業前、私はサブスク型のパーソナルジムを日本でほぼ初めて立ち上げました。“価格の民主化”を目指して、誰もが通いやすいジムをつくりたかったのです。
実際、サービスも伸び、多くの人の健康に向き合う姿勢を変えることができました。

ただ事業を続ける中で、価格以上に「時間と場所」こそ最大のハードルだと気づきました。
いくら安くても、“通う”という行為ができない人は一定数いる。

そんな中でコロナがきて、“外に出られない世界”が現実になった時、「フィットネスはオンラインでも成立するし、むしろオンラインだから救える人がいる」と確信したのです。

そこから、オンライン・DXの形で
“いつでもどこでも、自分を整えられるインフラ”
を作りたいと思って創業したのがミラーフィットです。

スマートミラーの可能性に着目した背景を教えてください。

鏡は、実は3000年前から存在しているハードウェアなのです。しかも、この3000年間、「反射する」以外の進化をほとんどしていない。にもかかわらず、私たちの生活にずっと寄り添ってきた。

そこにアプリケーションを乗せて、UI・UXを設計すれば、人の理想の姿に近づくための“日常OS”になる。

反射という圧倒的にシンプルな行為に、AI、姿勢分析、オンラインサポート、運動指導などを融合させれば、鏡は“ただ映すもの”から、“人生の習慣を変えるデバイス” に変わる。

そう確信してスマートミラーに振り切りました。

ミラーフィットの理念を教えてください。

理念はとてもシンプルです。

「自分を大切にできる人が、もっと当たり前に増える社会をつくる。」

そしてミッションは、テクノロジーの力で、地方を含めた全ての人の生活に“自分を整える選択肢”を増やすこと。

私たちがつくっているのは単なるフィットネス機器ではなく、“自分を大切にする習慣づくりのインフラ”です。

ミラーフィットとHITORI WELLNESSの事業内容・強みについて教えてください。

現在、私たちの事業は大きく2つあります。

① ミラーフィット（個人向けスマートミラー＋オンラインサービス）

強みは以下の3つ

1. 600本以上の豊富なコンテンツ
2. AI姿勢分析とプロによるオンラインフィードバック
3. “家に置ける”という圧倒的UXのIoTミラー

家にいながら、自分のペースで、プロのサポートを受けられる。
この“継続設計”がミラーフィット最大の価値です。

② HITORI WELLNESS（女性専用無人美容ジム）

こちらは店舗型の事業で、特徴は

• 無人運営 × 美容 × フィットネス × スマートミラー の独自モデル
• どの店舗も 初月黒字化 を継続
• 退会率2%未満 という圧倒的な定着力
• 地方の女性が“自分を大切にする場所”として確立
• 店舗運営のDX化でオーナーの負担が圧倒的に小さい

ミラーフィットのソフトウェアを、地方の美容ジムのリアル店舗に落とし込むことで、「美容×健康×習慣化」の実体験をつくり出すモデル になっています。

どのような方にサービスを届けたいですか？

特に届けたいのは、“自分を大切にしたいけれど、時間も環境も許してくれない人” です。

ミッションやビジョンにもある通り、地方の女性、子育て世代、仕事に忙しい方……
そういう“がんばっているのに、自分を後回しにしがちな人”にこそ届けたい。

努力ではなく“設計”で習慣をつくる。
そのためのテクノロジーと体験を提供するのがミラーフィットとHITORI WELLNESSです。

「発信し続けること」を大切にされる理由は何ですか？

昔は大企業の看板があったので、名刺1枚で信頼される世界がありました。でも独立した瞬間、その“後ろ盾”はゼロになりました。

そこから気づいたのは、「経営者は、自分が何者かを発信し続けなければ、誰にも届かない」という当たり前の事実でした。

サービスだけでなく、理念・ビジョン・信念・挑戦・葛藤すらも発信し続けることで、ようやく人は共感し、応援してくれます。

企業家にとって発信は、ただのPRではなく
“信用を積み上げる仕事そのもの”
だと思っています。

だから私は、経営者としてこれからも発信を続けます。
自分たちが何者で、なぜこの事業をやるのかを、社会に問い続けるために。