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【株式会社メディアリーチ】
松村俊樹社長インタビュー

【株式会社メディアリーチ】<br>松村俊樹社長インタビュー

 

現在の仕事を志したきっかけは何ですか?

高校3年生の頃から、「いつかは自分で事業を起こしたい」とぼんやりと考えていました。何かを自分の手で創り、それを誰かに喜んでもらえることに、大きなやりがいと魅力を感じていたからです。
会社員時代は逆に、安定して見えるキャリアのほうが不安でした。なぜなら、自分の未来がある程度予測できてしまうことに、生きている実感を持てなかったんです。私の場合、「先が見えること」が不安でした。
一方で、起業という道は、1年後に何が起こるかわからない。その不確実性の中にこそ、自分にとっての安心感がありました。毎日が未知との出会いであり、ワクワクできる。その感覚が、私にはとても心地よかったんです。
仮に失敗したとしても、自分自身が元気であれば、またゼロから挑戦できる。そう思えるほどには、自分なりのスキルや経験を積み、土台を築いてきた自信もありました。

学生時代や前職での経験を教えてください。

大学時代は、自分でいくつかのビジネスに挑戦しました。たとえば、広告をつけたルーズリーフを学生に無料配布するビジネスを企画したり、栄養特化型のハンバーガーショップを立ち上げようとビジネスコンテストに出場したり。ただ、結果的にはいずれも事業化には至りませんでした。
でも、どれも本当に楽しかったんですよね。失敗しても、自分で考えて動いてみる経験自体に価値があると感じていました。そんな中で、Webサイト制作とSEOの知見を活かし、ガジェット系のメディアを立ち上げたところ、初めて明確な成果を得ることができました。収益も上がり、大学時代ながら小さな起業を経験できたのは、大きな財産でした。
ただ、「もっと社会を知る必要がある」と感じ、人材大手のインテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒で入社。求人広告の営業として、毎日テレアポや飛び込み営業を行いながら、営業の基礎を徹底的に身につけました。
その後は、より専門性を高めたいと考え、外資系デジタルマーケティング企業Pierry Inc(現Wunderman Thompson)へ転職。SEOやマーケティングオートメーションを軸に、多様なプロジェクトに関わりました。そして2021年、満を持して自らの会社「メディアリーチ」を立ち上げ、独立に至りました。

苦労された経験と、そこから得た学びを教えてください。

私は「やってみたい」と思ったら即行動に移すタイプなので、当然のように壁にもよくぶつかります。でも、そうした困難も含めて楽しんでいる自分がいます。
これまで「人生で一番苦しかった出来事」が明確にあるわけではありませんが、それは順調だったからというより、困難を前向きに受け止めてきたからだと思っています。実際にはうまくいかないことの方が多い。でも、だからこそ学びがあり、自分をアップデートできるんです。
悩みごとも多いですが、大きな問題になる前にすぐに向き合い、行動に移すことを常に意識しています。そして、自分の力ではどうにもできないことに、無理して執着しないようにもしています。
日々の中で大切にしている考え方は、次のようなものです。

諦めるべきことを見極める力
変えられないものに心をすり減らすのではなく、変えられることにエネルギーを使う。

楽しむ力
限られた一日をどう楽しむか。その工夫を常に大切に。

感謝する姿勢
他者の行動の背景を想像し、自然と感謝の気持ちを持つこと。

他人を尊重する心
人はそれぞれ違う価値観を持っている。それを受け入れ、否定せず尊重する。

 

株式会社メディアリーチの理念を教えてください。

当社のビジョンは「価値あるブランドが、人々に正しく届く世界を実現する」ことです。
いま、生成AIが私たちの日常に深く入り込んでいます。そのなかで、すでに知られている有名ブランドだけでなく、これから伸びていくブランドにも、正しく評価されるチャンスがあるべきだと考えています。私たちは、そうしたブランドが“本来の価値”を正当に認識され、届けたい相手にしっかり届くよう、検索マーケティングを通じて支援しています。
その土台として、次の5つの「バリュー(行動指針)」を掲げています。

Evidence Driven(根拠ある思考と実行)
アルゴリズムや検索構造を理解し、データに基づいた施策を徹底。

Continuous Learning(学び続けることを楽しむ)
変化を前向きに捉え、最新知識を常に吸収しアップデート。

Practical Excellence(現場で成果を出す実力)
理論だけでなく、実務で成果を出す力を重視。

Plus One Thinking(プラスアルファの価値提供)
「求められたこと+α」の提案と配慮で信頼を築く。

Side by Side(寄り添い、共に進む姿勢)
クライアントを「支援先」ではなく「共創パートナー」として向き合う。

また、社内のコミュニケーションも重視しており、敬意ある言葉遣いや対話をガイドラインとして明文化しています。お互いが気持ちよく働ける、居心地の良い環境づくりを徹底しています。

株式会社メディアリーチ イメージ

理念やビジョンに込めた想い、そして実際の取り組みについて教えてください。

私たちは、ただマーケティングの手法を提供しているのではなく、クライアントの「届けたい想い」が、正しい相手にきちんと届くための橋渡しをしているつもりです。
様々な企業を支援している中で、「このサービス、もっと多くの人に知ってほしいな」と強く感じることがよくあります。しかし、現代のWebマーケティングは、戦略や技術がしっかりしていなければ、どれだけ素晴らしい商品やサービスでも埋もれてしまうのが現実です。
だからこそ私たちは、SEOや生成AI検索といった変化の激しい領域で、常に最前線の情報を学び・検証し、支援に活かせる体制を整えています。社内では日々勉強会を開いたり、試験制度を通じて知識とスキルを高め続ける文化を育てています。
理念やビジョンは、ただ掲げるだけでは意味がありません。実際の行動や支援の品質にどう落とし込むか。私たちは、そのための「仕組み」づくりにも注力しています。

株式会社メディアリーチの事業内容と強みを教えてください。

当社は、SEOや生成AI検索最適化(LLMO)を軸としたデジタルマーケティング支援を専門に行っています。
特に、生成AIによる検索が台頭してきた今、従来のSEOに加えて「AIに理解され、選ばれるための設計」が求められています。その領域で先行して知見を蓄積しているのが、私たちの大きな強みです。
また、社内には「グローバルエクセレンスチーム」という、英語・中国語を含む多言語対応のSEO専門チームもあり、海外市場を目指す日本企業や、日本市場に参入したい海外企業の支援にも対応しています。これまで北米・欧州・中国など多国籍なクライアントをサポートしてきました。
海外の検索トレンドやアルゴリズムの変化をいち早くキャッチアップできるため、国内クライアントに対しても最先端の提案が可能です。
加えて、SEOの文脈で被リンク獲得を支援するデジタルPR SaaSも自社で開発・運用しており、戦略設計から運用まで一気通貫で対応できることも、私たちのユニークなポジションです。

生成AIの普及によって、企業の情報発信やメディア戦略はどう変わるべきだと思いますか?

生成AIの台頭は、企業に「情報の届け方」を超えた、情報の“存在のさせ方”そのものの再設計を求めています。
従来の検索モデルでは、人間がキーワードを入力し、自ら取捨選択するスタイルが基本でした。企業は「どう見つけてもらうか」を中心にマーケティングを設計してきました。しかし今、ユーザーはChatGPTなどのAIに質問を投げかけ、AIが信頼できる情報を要約・推薦する時代になりました。
この構造において、AIは無数の情報を俯瞰し、「信頼性」「一次性」「文脈性」などを基準に情報を取捨選択します。つまり、企業の情報は「人間に読まれる」だけでなく、「AIに理解され、引用される」存在でなければならなくなったのです。
丁寧に作られたコンテンツでも、AIが意図を読み取れなければ、誰にも届かない。一方で、AIにとって意味が明確で、他の信頼情報とつながっている内容は、自然と引用対象になっていきます。
このような背景から、企業の情報発信は「検索されるためのSEO」から、「AIに構造的に理解されるためのLLMO」へと進化していく必要があります。エンティティの明確化、実在性の証明、一次情報の積み重ね、信頼性ある媒体との接続などが不可欠な時代です。
もはや情報発信は、単なるマーケティング活動ではなく、企業の存在を証明する営みになりつつあります。

 

今後、SEO・LLMO業界はどう変化していくとお考えですか?

これからのSEOやLLMO(生成AI検索最適化)は、「検索に出す」から「AIに紹介される」ための施策へと進化していきます。
従来のSEOは、Googleなどで検索されたときに自社の情報を見つけてもらうことがゴールでした。しかし今は、ユーザーに代わってAIが情報を調べ、推薦までしてくれる時代です。
これからは、「人に見つけてもらう」だけではなく、「AIに理解され、信頼され、選ばれる」ことが企業にとって重要になります。
そのために必要なのは、企業としての情報を整理し、構造的に発信すること。そして、他の信頼性ある情報源とつながっている状態をつくることです。こうした取り組みが、AIからの信頼を獲得するカギになります。
SEOやLLMOは、もはや“テクニック”ではありません。経営やブランド戦略と連動した「価値の届け方」そのものになってきています。だからこそ、経営レベルで向き合い、戦略的に取り組むべき領域なのです。

今後の目標やビジョンを教えてください。

私たちは今後、「検索最適化」の支援をGoogleだけにとどめず、生成AI、YouTube、SNSなど、あらゆる情報チャネルに広げていくことを目指しています。
また、単なるコンサルティングだけでなく、課題発見から改善策の実行まで一貫して支援できるよう、分析や施策に活用できるSaaSの開発も進めています。
今後は広報・PR領域にもより深く踏み込み、検索チャネルにおける「露出設計」を担うパートナーとして、運用支援・代行・SaaSといった多層的なサービス展開を予定しています。
そしてもう一つの柱が、海外企業支援です。日本市場は独特の文化・言語・検索行動があるため、欧米企業にとっては難易度が高い市場です。だからこそ、私たちのように日本の検索文化を熟知したプレイヤーが必要とされています。
日本発で、世界と対等に渡り合えるマーケティング支援会社をつくっていきたいと考えています。

最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
起業やデジタルマーケティング、生成AIの話など少し専門的な内容も多かったかもしれませんが、もしどこか心に引っかかるものがあったら、ぜひ気軽に声をかけていただけたら嬉しいです。
私たちは、誰かの想いがちゃんと届く社会を、技術と仕組みの力で実現していきたいと本気で考えています。今後も誠実に、そして楽しみながら挑戦していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社メディアリーチ  ロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社メディアリーチ

代表者 : 松村 俊樹

所在地 : 大阪府大阪市北区

設立  : 2021年12月

事業内容: デジタルマーケティング事業、メディア事業、SaaS事業

URL  : https://mediareach.co.jp/

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