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【株式会社アドバンスト・メディア】鈴木清幸社長インタビュー

【株式会社アドバンスト・メディア】鈴木清幸社長インタビュー

1952年生まれ。京都大学大学院工学研究科化学工学専攻博士課程を中途退学し、東洋エンジニアリングに入社。1986年にインテリジェントテクノロジーへ転職後、米国カーネギーグループ主催の知識工学エンジニア養成プログラム(KECP)を修了。1997年にアドバンスト・メディアを設立。2005年に東証マザーズ(現グロース市場)に株式上場。2006年 にEOY(アントレプレナーオブザイヤー)の日本代表に選出され2007年に世界大会(WEOY、モナコで開催)に派遣。2010年に代表取締役会長兼社長に就任。

アドバンスト・メディアを創業された経緯を教えてください。

今から40年前に米国でブームになった第2次AIに興味を持ち(因みに、現在のAIブームは第3次AIブームといわれています)、日本でも第2次AIブームを起こそうと米国でAIの教育を受け、12年間ほど頑張ったものの見事に失敗したことが創業のキッカケとなりました。当時は指令(プロンプト)を与えAIを動かす手段がキーボードしかなく、「そのような不自然なコミュニケーションでは、本来、ハヤルものもハヤラないのではないか」と考え、米国で見つけた音声認識技術の猛者たちを口説き落とし日本と米国における音声認識の市場開発を始めたのです。

アドバンスト・メディアの理念を教えてください。

当社の経営理念は社会価値志向の成長活動です。28年前に小さな存在として創業したこの会社の成長をメンバー各々の成長の足し算と考え大きくしていくわけですが、単に大きくするのではなく、社会にとってなくてはならない存在にすることを志向して参りました。

理念やビジョンに込めた想いと具体的に取り組まれている事を教えてください。

当社のビジョンは「HCIの実現」です。HCIとは、Human Communication Integrationの略で、コンピュータやAIに人との自然なコミュニケーション能力を付与するという思いを込めた言葉です。具体的には音声認識の市場開発から始めて、今まさに音声AIの市場開発の段階に到達しています。

株式会社アドバンスト・メディア_イメージ1

アドバンスト・メディアの詳しい事業内容や強みを教えてください。

米国では医療分野に特化しメディカルトランスクリプションにAIによる支援を加えたビジネスで音声認識の市場開発に成功しています。日本ではアミボイスという音声認識技術の開発を行い、まずは医療分野向けの音声入力ソフト「AmiVoice Ex(アミボイス イーエックス)」を開発し、それを販売する事業から始めましたが、米国と異なりメディカルトランスクライバー(※)の需要のない日本では事業は思うようには進みませんでした。
それでも、読影レポートや医療文書の音声による作成や電子カルテへの音声入力などの需要を徐々に生み出すことに成功し、さらには、議事録や会議録の作成支援やコールセンターでの文字化された音声の内容からAIや人が瞬時に適切な助言や情報の提示を行うコミュニケーション支援などの分野へアミボイスの事業を拡げることで日本でも音声認識の市場開発が進み出しています。

※医師が話した診断結果や所見などを、録音された音声データから正確に文字化し、医療カルテなどの書類を作成する医療事務作業補助者

株式会社アドバンスト・メディア_イメージ6

アドバンスト・メディアのサービスの独自性や差別化について教えてください。

人の音声の音響分析の結果と言語のデータをうまく処理し音声を文字化する機能部分のことを音声認識エンジンと言いますが、この音声認識エンジンの認識の精度がGoogleなどの米国勢や国内大手、AIベンチャーのどこよりも優れています。それは、利用分野の利用の目的ごとにデータを28年間集め続け、そのデータを用いて音声認識エンジンの認識精度の向上を行い続けてきたからでして、このようなことをやってきた会社は他にはありませんでした。そのお陰により音声認識の製品やサービスの日本での売上シェアNo.1(※)の地位を確立し維持しています。
※合同会社ecarlate「音声認識市場動向2025」音声認識ソフトウェア/クラウドサービス市場

アドバンスト・メディアで働く仕事のやりがいについて教えてください。

当社は、人とAIの優れた点を音声による自然なコミュニケーションを通じて融合させることで顧客企業に持続可能性を提供する会社です。それには、顧客企業における利用者が、当社が提供するAIアプリ/サービスを使うことで仕事を継続させることが前提になります。しかしながら、使う対象がAIアプリ/サービスなので単に提供しただけでは利用者の仕事の継続には繋がりません。AIを仕事の相棒にすることやパーソナライズ化などのスキルを伝授することが必要になります。このように、顧客を助ける、あるいは、仲間を助けること、すなわち、「助ける」を当社の仕事の理念としているのでやりがいを感じて頂けるのではないかと考えています。

鈴木社長ご自身が考える「AI時代に求められるリーダー像」とはどのようなものでしょうか。

AI時代であろうとなかろうと、リーダーとは集団を構成するメンバーを成長させることで集団に持続可能性を与える人であると考えています。メンバーを成長させるにはメンバーに目標を与え、メンバーがその目標を達成するように助けねばなりません。この役割を果たせる人がリーダーです。

鈴木清幸社長2

今後の目標やビジョンを教えてください。

当社が提供するAIは、顧客企業あるいは利用者個別の利用の目的にカスタマイズ(パーソナライズ)することで正確性と処理速度を高めることができ、今ハヤリの汎用型の生成AIと連携させてその効能を高めることも可能なパーソナライズAIです。これを顧客企業にご利用いただくことにより、持続可能な企業創りに貢献し持続可能な社会創りに繋げることを目標としています。

株式会社アドバンスト・メディア_ロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社アドバンスト・メディア

代表者 : 鈴木 清幸

所在地 : 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 42階

設立  : 1997年12月

従業員数: 連結282名(単体254名)(2025年6月末現在)

事業内容
◆AmiVoice を組み込んだ音声認識ソリューションの企画・設計・開発を行う「ソリューション事業」
◆AmiVoice を組み込んだアプリケーション商品をライセンス販売する「プロダクト事業」
◆企業内のユーザーや一般消費者へ AmiVoice をサービス利用の形で提供する「サービス事業」

URL  : https://www.advanced-media.co.jp/

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