【株式会社モデル・ランゲージ・スタジオ】
太田雅一社長インタビュー
太田雅一氏略歴
1951年東京生まれ。中央大学法学部在学時に東京学生英語劇連盟(Model Production・MP)へキャスト、後にアシスタントディレクターとして参加。現在ハリウッド・キャスティングディレクターである奈良橋陽子氏と出会う。意気投合し、英語劇・ドラマメソッド®を開発推進する英会話学校MLS(モデル・ランゲージ・スタジオ)を1974年に設立する。米国の俳優であったRichard A. Via氏からプロフェッショナルな演劇づくりを習うと同時に英語劇に教育そして第二言語学習の観点を盛り込んだプログラム”Super-STAGE”を開発する。米国、英国をはじめとして、加・豪の青年劇団と親密な交流を持ち、国際交流活動に力を注ぐ。ドラマメソッド®教授法を日本及び世界に浸透すべく活動の幅を広げている。日本文化・歴史に題材を取った「外国人向けのユーモアスピーチ講座」を開発中でもある。
大学生時代に、学外の英語劇クラブ(東京学生英語劇連盟・Model Production)に入っていました。そこで現在会長でもあり、主にハリウッドのキャスティングディレクターでもある奈良橋陽子さんと出会い、意気投合し英会話スクールを作り、今に至っています。
米国ブロードウェイの俳優であったRichard A. Viaさんが英語劇を演出し、学生はその方法を学びながら演じるのですが、実はその方法はロシアのスタニスラフスキーというリアリスティック演技の権化からアメリカでも盛んにおこなわれていた方法でした。知れば知るほど深く、のめり込みました。
Richard A. Viaさんから習ったプロの演劇の作り方を踏襲していったのですが、プロが行う劇と英会話を習う時の英語劇では違いがあることに気づき、英語教育の為の英語劇を追及していきました。それは教育と第二言語学習の観点を盛り込んだプログラム”Super-STAGE”を開発するに至りました。
プロの演劇は、実力主義で出来る人がやる。しかし教育の基本は機会均等で多くの人に機会を与えたいものです。分かり易い例は、配役でしょうか。セリフの量の多寡です。そこで教育的劇では、なるべく均等な数のセリフにしてあげることを目指します。一番極端な例は、発表の当日にキャスティングをすることです。つまりキャストは全てのセリフを習い、どの役でもできるようにしておくことです。ですから動きなども考えると、発表は多少メチャクチャになります。プロの世界では許されないことですが、機会を多く与えたいと思えば、それくらいのメチャクチャさは眼をつぶってもよいのではないでしょうか。良い発表(間違いなしの)を目指す時は、この方法での発表はしない方が良いですね。ただ同じ状況でお互いを見せ合う、まさに学習中の学生同士が見合うものには最適です。英語のセリフは全部習う、多少間違ってもよいなど発想の転換になります。生徒のモチベーションはものすごく上がります。
「極大にして極小」つまり大きなことを考えながらも、小さなことにもこだわるという事を大切にしたいなと思います。もう一つは、「悲観的に準備し、楽観的に行動する」 です。準備をしっかりしよう!ということです。劇でも練習では120%の出来で、本番は100%。本番は何が起こるか分かりませんし、観客が入ると緊張もしますし、声も服に吸い取られて小さくなるので、練習では120%出来るようにしておこうということですね。しかし、言うは易く行うは難しですが。(笑)
モデル・ランゲージ・スタジオの「モデル」とは大学の時のクラブ名がモデル・プロダクション。「スタジオ」とは世界的にも有名なアメリカの俳優養成所の「アクターズ・スタジオ」のスタジオ、そんな風なスタジオにしたいという想いがあります。
やはりクラスが楽しい!また来たい!ではないでしょうか。
体を使って感情も導入することで子供達も喜んでレッスンに参加します。大事なのは内容の豊富さとテンポ。ダラダラやりません。子供達は直ぐにあきてしまいますから。でも、興味の持ったもの、必要な事柄は楽しく繰り返します。繰り返しはドラマの良さでもあります。但し、会話の練習には、繰り返しの中にも“変化”も必要です。内容の豊富さ、テンポ、リピートと変化の組み合わせでカリキュラムは成り立っています。
指導法の範囲は、英語劇の演出から英会話の指導まで広いのですが、ここでは英会話に絞ります。そこで簡単に言うと、「状況を設定し、それに合った行動(アクション) 感情(フィーリング)を込め、言葉を変えながら英会話を経験する」と言えます。(経験はたとえ学習上の疑似でも)私共が習ったリアリスティックな演技–演技というよりも行動—でよいので、誰にでもできるやり方です。また日本人は英語に対して臆病になっていると思います。
私たちは、「お・は・しの克服」と言って、「お」はおとなしいのお。「は」は恥ずかしいのは。「し」は集団志向のし。これらの克服をドラマメソッド®で出来るのではないかと思います。しかし、日本文化の謙虚さなどは素晴らしいと思います。英語を習って、この素晴らしい日本の文化を世界に知らせたいですね。平和な世界になりますよ。そう言えば、日本を知らせるという意味で、現在大人の生徒さんで躰道全日本女子チャンピオンが英語で躰道を説明している動画があります。このように世界へ飛び出す人へもMLSはお手伝いしています。
やはりドラマメソッド®ですね。この様な活動を継続的に行えるところは少ないのではないでしょうか。いくつかの動画を見て頂ければと思います。
➡PS(幼児)クラスの模様
➡ACT(小学生)劇の練習風景
➡ミニ・プロダクション(小中学生対象英語劇)不思議の国のアリス など
➡ビッグ・プロダクション (大人対象英語劇)
ティーチャーズトレーニングにはかなり力を入れています。新人の先生に初期2週間のトレーニング、初年度は毎週金曜日の朝に。これだけトレーニングを実施しているところは他にはないんじゃないでしょうか?
(太田氏 外国人講師へトレーニングの様子)
来年で50年になります。これまでやってきたドラマメソッド®を小中高の先生に教えていきたいと思っています。また、最近MLSの講師が学校へ出張してワークショップを行っています。生徒から「体を使うことで、恥ずかしさが取れて、ノリノリになれた。/ 外国人の先生と話が取れて、もっと英語を勉強したくなった」などなどとても好評をいただいております。一日ワークショップの中学校、高校生のアンケートもありますので、ぜひお読みください。またワークショップの写真も載せておきました。
(「大きなカブ」のアクティブ・グループ・リーディング【群読】練習風景)
(教室内でショートプレイの練習風景)
(ICUにて英語劇・ドラマメソッドのレクチャー/ワークショップの模様)
僕はたまたま自分の好きなことに巡り合え、また奈良橋さんという才能あふれた方と知り合え、今の仕事に従事できとても幸運だと思います。そこでまず思うことは、自分の好きな事を見つけてそれを仕事にできれば良いと思いますが、現実は中々そうなりません。そのような時には、今いるところで「輝け」と思います。今やっている仕事で、誰もがあなたを頼りにする、それのプロになることを心掛けたらいかがでしょうか?
Break a leg! (「頑張って!」の舞台用語)
企業名 : 株式会社モデル・ランゲージ・スタジオ
代表者 : 太田 雅一
所在地 : 本部: 東京都渋谷区代々木2-31-8
設立 : 1974年1月
従業員数: 15人 その他講師、アシスタント講師など150名
事業内容: 教育・学習支援