【株式会社INREVO】
南晴仁社長インタビュー
1997年3月14日生まれ、神奈川県横須賀市出身。
慶應義塾大学法学部を卒業後、医療・教育・IT系企業において、20代で執行役員や社外取締役を歴任。
経営企画、事業推進、組織設計に従事しながら、急成長する複数企業の戦略立案と実行に携わる。
その後、親会社である株式会社Hostyの経営企画室室長として、採用業務、組織設計に従事。
経営と現場の両軸を理解したバランス感覚と、全社を巻き込む推進力を強みとする。2024年1月、第二の産業革命を掲げる新規事業会社として株式会社INREVOを設立。
採用代行やSaaS開発を軸に、地方・中小企業の採用課題の解決とDX支援を推進。
ビジネスの力で社会構造の格差是正を目指す「仕組みづくり型」のリーダーとして、事業と社会の両面での成長を牽引。
創業の契機となったのは、株式会社Hostyの山口代表より自社SaaSプロダクトを子会社化する構想に際して代表就任の打診を受けたことです。
当初より新規事業創出に強い関心を抱いていた背景もあり、まずはHostyの事業に参画するかたちで参入しました。
しかし、SaaS単体による子会社経営では中長期的な事業継続性および独立採算性に課題があるとの判断に至り、単なる運営受託ではなく、自らが事業主体となる形での事業立ち上げが必要不可欠であると認識しました。
当時、人事部門の企画室長に従事していたこともあり、自身の知見を活用したHR領域におけるソリューションの提供を志向し、「ヒトトレ採用」の立ち上げと同時に株式会社INREVOを設立。
採用支援を軸とした新規事業開発を推進する企業体として事業展開を開始するに至りました。
私が大切にしている言葉は二つあります。一つ目は『情けは人の為ならず』という格言です。
これは利他的な行動が結果的に自身の利益にもつながるという思想であり、いわば“与えることと受け取ることの等価性”を示す原則です。
この考え方は信賞必罰の理念にも通底しており、組織運営における重要な指針としています。
もう一つは『無欲は怠惰のもとである』という言葉です。
何も求めないという姿勢は、行動の原動力を奪い、停滞を招くリスクがあります。
だからこそ私は、明確な欲求を持つことが、自律的な行動と継続的な成長につながると捉えています。
多様な欲を抱くことが、自らの活力の源泉であり、挑戦し続けるための推進力になっているのです。
人生において、私が特に重視しているのは“平等性”の担保です。
具体的には、人柄や努力といった内面的・行動的資質が正当に評価され、報われる社会の実現を強く望んでいます。
たとえば、誠実に努力を重ねているにも関わらず、適切な対価を得られない人がいる現実には強い問題意識を持っています。
逆に、行動に見合わない評価がなされる状況も是正されるべきだと考えています。
私自身、そうした構造的な不均衡を是正し、“努力に報いる仕組み”を社会に実装していくことを企業経営の使命の一つと捉えています。
そして、自らもその価値観を体現できる存在であり続けたいと、日々自省を重ねています。
弊社は、ミッションバリューとして「プロフェッショナル」「標準化」「誠実さ」の3つを掲げており、これらの価値観を軸に、社会に存在する構造的な格差を是正し、搾取の根絶を目指す事業展開の構築を志向しています。
日本では過去から現在に至るまで、商品の本質的な価値に対する理解が不十分な層に対して、過剰な価格設定を施し販売する、いわゆる“情報の非対称性”を前提としたビジネスが多く見受けられてきました。
この格差を是正していきたいというのが弊社の信念で、達成するには情報弱者を強者に変えていく必要があります。
弊社が情報のプロとして、正しい情報を誠実に届け、リテラシー向上を後押しすることで搾取できなくなる社会になっていくと信じています。
目先の利益を追求するのではなく、クライアントの成果に寄与する“還元性の高いプロダクト”を生み出すことこそが、私たちの社会的責任であり、事業を通じて果たすべき使命です。
弊社の事業活動における価値提供は、“プロダクトを通じてクライアントに資産が残る状態を創出すること”にあります。
これは単なる採用成功という結果にとどまらず、採用プロセスそのものの内製化支援へとつながる、いわば採用代行モデルの本質的な強みと言えるものです。
比較対象として分かりやすいのが、“人材紹介”との違いです。
人材紹介の場合、単に採用された社員が残るのみですが、採用代行においては、成功に至ったプロセス全体をクライアントにフィードバックすることが可能です。
具体的には、ターゲット設計、媒体選定、訴求ポイント、歩留まりの可視化などを含む戦略全体をドキュメント化・共有することで、次回以降の採用活動における再現性が格段に高まります。
こうしたフィードバックループの蓄積が、クライアント企業の“採用リテラシー”を着実に向上させます。
結果として、外部業者への過度な依存を脱却し、自走できる採用体制が整備されるため、長期的には人材マーケットにおける情報非対称性を是正し、搾取構造の解消にも寄与すると考えています。
我々が目指しているのは、単なる外注ではなく、“共創型の支援”です。
クライアントと伴走し、企業としての成長と採用機能の進化を同時に実現していくこと。
それが、INREVOが掲げるビジョンであり、提供価値の根幹を成しています。
人材採用を手がけている他社とはサービスの形が全く異なります。
採用代行業界において、完全成果報酬制でサービスを提供しているのは弊社のみです。
再び採用代行と人材紹介の違いについて触れますが、人材紹介会社であれば、採用が成立しなかった候補者を別クライアントに紹介するといった柔軟な動きが可能です。
しかし、採用代行はあくまでクライアント企業の人事部門の延長線上にある存在であり、候補者の“流通性”を前提としたビジネスモデルとは本質的に異なります。
その点でリスクはありますが、クライアントとの間で採用に関する知見(ナレッジ)を共有・蓄積し、組織としての“採用リテラシー”を高めていただくことこそが弊社の存在意義だと考えています。
初めて弊社を知るお客様、特に地方企業のお客様の場合、まず“疑う”ところから入られることも少なくありません。
ですが、完全成果報酬制というスキームによって、初期コストのリスクを極小化し、まずは弊社の実力を“試していただける”設計になっています。
“0→1”のハードルを下げること。これが、サービス導入の加速に直結すると考えています。
今後の新事業でも、体験機会や導線設計において、可能な限りリスクを排除し、スムーズな接点形成ができる仕組みを整えていきます。
社会的な意義のある、誠実な企業であると認知してもらえるように運営しています。
何度も繰り返しますが、弊社は情報弱者に対しての格差を是正することを目標としています。
情報リテラシーを引き上げる事業を通じて親切さ、パワー、信頼性を感じてもらいたいです。
世間の皆さんのベンチャー企業に対する一般的なイメージは理解しています。
そのうえで、我々はスピード感や挑戦性といった“ベンチャーらしさ”を維持しながらも、認知の面ではJTC(=伝統的な日本企業、特に大手企業)のような、
信頼に足るプレゼンスを確立したいと考えています。
もっとも、体質としてはJTC的な硬直性を排し、柔軟で変化対応力のある組織文化を築くことも我々の使命です。
また、弊社は採用支援を専門とする立場上、自らの信頼性・誠実性を何より重要と捉えています。
その姿勢が評価され、2025年には第三者認証である『ホワイト企業認定』において、初回認定での最高評価のゴールドランクを取得するに至りました。
クライアントとの関係性においては、発注者と受注者という立場を超えて、対等なパートナーシップを構築することが不可欠です。
どれほど誠実なスタンスで対応していても、相手からのリスペクトが欠けていれば、健全なビジネスは成立しません。
金銭の授受に留まらず、相互の姿勢や温度感が釣り合っているかどうか、その“非数値的バランス”こそが、長期的な信頼関係を支える根底になると確信しています。
新たな事業を創出し、社会に対して新しい価値を提供していくプロセスに大きなやりがいと楽しさを感じています。
社内では日常的に多くの“0→1”が生まれており、そうした創造的な挑戦が連続している環境です。
実際、『ヒトトレ採用』においては、この1年間で100社を超える企業からご依頼をいただくまでに成長しました。
このように、自ら手がけたサービスが社会に浸透し、価値として認識されていくことを日々実感できる点に仕事の醍醐味があります。
創造的なアウトプットに価値を見出す方には非常にフィットする環境であり、成果に応じて正当に評価される仕組みも、さらなるモチベーションにつながっていると思います。
現時点で何から着手すべきか判断がつかない方や、適切な相談相手が見つからずに迷われている方にこそ、弊社のサービスをご活用いただきたいと考えています。
また、事業が停滞していたり、明確な方向性を打ち出せずにいる企業様に対しても、弊社が提供する支援が新たな突破口となる可能性を感じています。
まずは一度トライしていただくことが、状況を打破する糸口になるはずです。
課題が漠然としており、現状に閉塞感を抱えている企業や経営者の皆様に、ぜひご利用いただきたいサービスです。
今後の目標および事業展望については、まず定量的な指標として、2025年度の売上目標を8億円、2026年度は18億円、2027年度には25億円と設定しております。
そして、2029年の株式上場を1つの重要なマイルストーンと位置づけ、企業価値の向上および社会的信用の獲得に向けた経営戦略を推進しています。
上場というステータスは、弊社の知名度に依存しない信頼の証明となり、政府機関や地方自治体との協業機会の拡充、ならびに弊社プロダクトの地域展開における障壁を下げる役割を果たすと考えています。
結果として構造的な地域格差の是正という、社会的ミッションの実現可能性をより一層高めることが可能となります。
最終的には、地方企業が経営の方向性に迷った際に「INREVOに相談すれば解決できる」と信頼される、地域経済におけるプラットフォーマー的存在を目指していきたいです。
企業名 : 株式会社INREVO
代表者 : 南 晴仁
所在地 : 福岡県福岡市博多区博多
設立 : 2024年1月
事業内容
・ホテル運営に活用されるハードウェア
・ソフトウェアの企画、開発、制作、販売及び保守
・ウェブサイト、ウェブコンテンツの企画、制作、保守及び管理
・人材育成のための教育コンテンツ作成、研修及び指導
・人事測定および教育訓練事業
・インターネットメディア事業
・前各号に付帯関連する一切の事業
URL : https://inrevo.co.jp/